かなり前にあったことだけど、
忘れてしまわないうちに記録しようか。

農園にはインドネシアの実習生がいる。
その彼らは、
皆20代前半で、普通の成人男性であるので、
異国の地にいてもやっぱり恋はしたい。
いいな、と思う日本人女性に出会ったりもするだろう。
でも、
休日でも普段はインドネシアの友達と一緒に
過ごすことが多く、
なかなか若い子との出会いは少ない。
そんな中、近くのドラックストアーのレジにいる
大学生アルバイトの女の子が可愛いと
彼らインドネシア実習生の中でブームになった事があった。

しかも時間帯によっては、
集落の近くにあったファミリーマートでも
その子がアルバイトしていることが分かった。
(注意:集落の近くにコンビニがあった時の話で、
そのコンビニは今は無くなってしまった)。

そこでその子の気を引こうと
彼らは何度もそのドラックストアーやコンビニに
買い物の用事がなくても通った。
用事がないので、店内では手持無沙汰だ。
雑誌コーナーに行っては読めないマガジンを手に取り、
レジをチラッと見る。
お菓子を物色しているように見せかけて
レジをチラッと見る。
菓子パンを選ぶふりをしながら
レジをチラッと見る。
そんな繰り返しだったとか。
そのチラッと見る所作の中に
愛の眼差しを送っていたのだろう。
まぁ、そんな求愛行動は通じるはずもないのだが、
それが、チラ見をするたびに、
こともあろうか、そのレジの女の子と
目線が合うというのである。
しかもしっかりとこちらを見ていたらしい。
それが「あの子も僕に気がある」彼らの勘違いを生み出して、
行動が暴走した。

彼女がアルバイトで入っている日は
ほぼ毎日お店に行くようになり、
気を引こうとして店を出たり入ったりもしたらしい。
最後には彼女がアルバイトあがりまで
外の駐車場で出待ちまでしていたらしい。
ここまで来ると、ちょっと常識を逸している。
少なくとも日本では。
営業妨害だったり、ストーカーだと思われても仕方ないかも。

しかし、この恋は長くは続かなかった。
彼女がまもなく大学を卒業して
そこのアルバイトをやめたからだ。

このままで終わっていれば、
あるいは彼らにとっても恋の想い出だったかもしれないが
いろんなご縁の巡り会わせで
僕はその彼女とあるイベントで話をする機会があった。
で、自然、インドネシアの子たちの話で盛り上がった。
彼女から見えていた真実とはこうだ。

ドラックストアーでレジのアルバイトをしていた彼女。
ある日突然買い物客のインドネシア人から
話しかけられたとか。
それから買い物に来るたびに他愛もない会話を
していたらしい。
そのうち、もう一つのアルバイト先である
農園の近くのコンビニにもその子たちが来るようになった。
ただその時、一緒にいた店長から
彼らの行動がおかしいと言われたとか。
何も買い物しないのに、店内を物色してはこちらのレジを
確認していると言われ、
確かに行動が変だと気が付いた。
しかも外国人。
どうも万引きをする気なんじゃないか?と
店内のスタッフで話が出た。
その日から彼女は彼らが来るたびに
その行動を監視するようになった。
だから、
彼らが店内のどこから視線を向けても
彼女と目が合うわけだ。
それはお互いに恋心を抱いていたわけでもなく、
ただ万引きの疑いをかけられて
監視されていただけだった。

その後、そのインドネシアの子たちが
近く農園の従業員だとわかり、
その監視も以前ほどではなくなったらしいが、
それでも行動が変だったので
監視人物にはなっていたとのことだった。

こうしてインドネシアチックな恋のアプローチは、
恋愛に発展することなく、
異文化の文脈の中で
アジア系外国人に対するステレオタイプに当てはめられ
万引き犯としての監視される立場に
落とし込められてしまったのだった。

異文化は辛いねぇ~。




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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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