沈黙は肯定につながるので、
ここではっきりと否定しよう。

まずは顛末。
9/2発売の週刊エコノミストの
宮島喬お茶の水女子大学名誉教授の書いたコラム(p34)で
僕とカダルスマンが移っている写真が
無断で使用された。
宮島先生は、移民研究の大家だ。
人口減少の日本において、移民受け入れの議論が出ているが、
宮島先生は安直な受け入れとして
外国人技能実習制度を強く批判する立場にいる方だ。
奇しくも、現在、僕が読んでいる本も
宮島先生の共著だったりするのは余談。
エコノミストのコラムの中でも
外国人技能実習制度が国際貢献を隠れ蓑として
裏口的受け入れを開始し、
現在でもきちんとした労働者として扱われていない
という批判を展開していた。

で、僕がはっきりとここで否定したいことは、
その国際貢献の下りの合わせて
僕とカダルスマンの写真が使われていたに対してだ。
その写真は、2012年に僕らの活動が認められて
JICA理事長賞を受賞した際に
毎日新聞の記者に記事にしてもらったのだが
その時にとられたものだった。
どのような経緯と活動による受賞なのかは、このリンクへ

僕は技能実習制度を利用して、
インドネシアの農民子弟を自身の農園に受け入れている。
そしてそれは
僕がもう海外に出ていくことができないから
ここに居ながらにして
国際協力できないか、という想いと
その時まで10年近く協力してきた
インドネシアのタンジュンサリ農業高校と
地元の福井農林高校との友好交流事業の中から
タンジュンサリ農業高校の校長先生の
「もっと日本の農業について勉強できる場を提供してほしい」
という想いが重なり合って実現させたことでもある。
そして今年で7期生受け入れまでやってきたが、
その想いは変わらず、
いろんな教材と講座を用意して
みんなで考えながら、実習生それぞれの夢の実現と
人が集まることで地域の活力になるよう
努力してきたつもりだ。

もちろん僕は、
外国人技能実習生の建前としての
安直な「国際貢献」を強く批判する。
僕らは単線的な近代化論の中にいるわけではない。
日本=すべてに優れた国ではないのだ。
僕は青年海外協力隊とインドネシアでの大学院を通じて
援助の場とは異文化同士がクロスオーバーする場で
出会うタイミングとその文化同士の力学、
そしてそこにいる個人同士の関係性によって
そこで生まれてくる新しい何かは
大きく変わってくることを学んだ。
相手文化を壊してしまうこともあれば、
無視されてしまうものもあるし、
意図せず意義あるものになる場合もある。
そんなダイナミックな場なのだ。
それは優れたものが劣るものを指導するという
単線的で一方通行の場では
生まれないダイナミズムなのさ。
相手の価値観に肉薄し、寄り添いながら、
相手の肩越しに、相手が見ている地平を
一緒に眺めながら考える。
それがその場で起きていることなのだ。

一方で
技能実習制度の技術的に優れた国日本が
発展途上国の人々を連れてきて
研修させるという建前は、
相手を労働者と見立てることがないので
労働基準法を順守する義務があやふやになり
それぞれいろんなところで批判されている
問題が生み出されている。

その批判は批判として当然で
人権無視は許されない。
ただ近代化論的視点の国際貢献を
僕は同時に強く批判したい。
そして、それを乗り越えた地平で
僕はこの異文化がクロスオーバーする場、
つまり技能実習生を受け入れている場で
本当の意味で国際協力を
そしてそれぞれの地域づくりをしようと汗かきべそかきやっている。

宮島先生は大学の先生だ。
僕は学部時代も大学院時代も
それぞれ素晴らしい先生に巡り合い、
何かを論ずるときに用いる資料は、
かならず出典元を確認することを
厳しく指導された。
当然、宮島先生も素晴らしい移民研究の大家の方なので
そのような指導を学生にも行ってきただろうし、
自身でもそのような作業をされたと思う。
その上で、
あえて僕ら取り組みの写真を
先生のコラムで意図的に使用したのであれば、
僕はそれに対して反論したい!
僕らは建前の国際貢献をしているわけではない。
そんな周回遅れの外国人実習制度の批判の中に
僕らは居るわけじゃない。
それを強く主張したい。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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