うちの農園で農業研修を受けた卒業生たちを訪ね歩く
営農調査2014はヘンドラの村を最後に終了したが、
そのあと、協力関係にあるタンジュンサリ農業高校に
表敬訪問したので、それもあとがきのように記録しておこう。

毎度のようにタンジュンサリ農業高校での
おもてなしは度が過ぎていて、
校長先生から教頭、教務主任の先生やら
えらいお役職のある方が次から次へと
校長室にやってきて挨拶を交わした。

この懇談の中で、研修卒業生たちの営農や
スメダン県ひいては西ジャワ州の農業についても
忌憚ない意見を交わすことができた。
流通網の未整備とオープンな卸売市場がないのは
小さな農家を食い物にしやすい社会の仕組みを
助長しているようにも見える。
新たな販路を、と先生たちは言うが、
そんな言葉は「マーケティング」といった
曖昧で中身が見えない呪文のようにしか、
僕の耳には届かなかった。
なぜなら僕はこの3日間で
農家がどのように生計を立て、
どのような戦略で立ち向かっているかをつぶさに
見てきたからだ。
僕もどこかで「マーケティング」という呪文を
信じていたし、もう少し具体的に輸送力の強化が
大切だとも思っていた。
でも、それは現場では絵空事に近かった。
僕も高校も、もっともっと現場で考えないといけない。

そんなやり取りの中で、
ちょっと想像していなかった提案を
農業高校側から受けた。
それは、耕志の会の事務所を学校内に設けないか?
という提案だった。
いつか、僕らがやっているこうした取り組みを
インドネシアで実際に還元していく活動を
行えたら素敵だな、と思っていたが、
日々の農作業と日常生活の忙しさで、
僕はその考えを実行に移そうとは
まったくもって思ったことはなかった。
だが、今回の視察で
やはり卒業生支援に向けて
何かやるのなら拠点が必要だなぁ、
とややぼんやりと思っていた。
そこへこうした具体的な提案を受け、
正直驚いた。
僕が知っているインドネシアの場合、
こうした申し出は僕らの方からお願いして
こちらのお金で開設するといった場合なのだが、
今回のようにあちらからこちらの活動を評価してくれて、
事務所開設にかかる経費とランニングコストの一部を
学校が負担するような形だなんて
本当に驚きだった。

卒業生のそれぞれの活動を
一つの組織としてまとめあげることに
実はそれほど僕は意味を感じていないが、
僕らのやっている活動を
広報しつつ、日本で行っているような研修の一部を
この事務所を通してこちらでやっても
面白いかもしれない。
拠点があれば、今までできなかった活動も
生まれてくるかもしれない。

ただ僕はこの事務所開設には
僕なりに金銭的には責任を持つつもりだが、
活動そのものは卒業生たちに任せたいと思う。
どういう拠点にしていくかは彼らが決めればいい。
その中で僕が手伝えることを、僕はやろうと思う。

こうして、
今年からタンジュンサリ農業高校内に
僕たちの事務所を開設することになった。

そしてもう一つ農業高校から提案があった。
それは、僕の授業をここで行ってほしいというものだった。
次に来たときは、必ず農業の授業をしてほしい、と
校長先生から強くお願いされた。
これもいつかはやりたいと思っていただけに、
嬉しい提案だった。

こうして予想もしない提案をたくさん受けて、
浮かれてしまった僕は、
ふわふわした気分で農業高校を後にした。
そして、そんな浮かれ気分の僕は、
農業高校に日本で使っている携帯電話を置き忘れてしまい、
飛行機のチェックイン直前に
農業高校の運転手が滑り込みセーフで
バンドゥンの空港まで届けてくれたのは余談。

こうして今回の調査旅行は終わった。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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