国際開発学会で少し考えていたことと、
ちょうど農園で協力隊に行くべく研修をしている
北野君が技術補完訓練で
アジア学院において体験したことが
自分の中で少しつながったので、
それを記録しようかと思う。

今回の
国際開発学会の全国大会で
有機農業を推進するNGOが
その農法のトレーニングを現地で行っているが、
アフターケアが無く、
実際にその技術を習得しても
それを発揮できる場もなければ
その農産物を販売する市場もない、という
発表があった。

持続可能な農業として、
無計画な焼畑農業から循環型の有機農業への転換を目指す
といった事例は、農業開発の現場では
よく見かける事例だろう。
これだけを見ていると、
素晴らしい活動のようにも見えるし、
批判も特に湧いてこないかもしれない。
だからこそ、
いつまでたっても、
問題の本質が見えないまま、こういった活動が
継続し、再生産され続けるのだろう。

別に有機農業が悪いと言っているわけではない。
それ自体には、その技術を捉える社会的文脈の中で、
それぞれに意味があるとは思う。
しかしそれは逆に言えば、
それぞれの社会的文脈から外に広がっていくような
意味はないということでもある。
ここの読み違いが
上記のような問題の本質なんだ、と
僕は思う。
僕らが見つめている「有機農業」の意味は、
あくまでも僕らの社会の中で
ゆるやかに共有されている価値でしかなく、
それを超えて、その技術や農法が
他の社会において
社会構造的に同じ価値を持って
存在することはできない。
だからこそ、技術移転は
その元の社会的価値を持ち込む場合が多く、
現場で軋轢となる場合も生じるのである。

良く思うのだが、
必要なのはそこに住む人々にとって
“より良い明日”であって、
僕らが思う“より良い明日”ではないということだ。
だから本当は、
技術移転ありきの支援活動は
存在してはいけない。
たとえそれが有機農業だとしても。

だから農園の研修では、
何か特別な技術を移転することを目的にはしていない。
“より良い明日”をできるだけ広い視野で考えるための
学習機会とそれが加速するような仕掛けを
用意しているだけなのだ。
と偉そうに言っても、
まぁ、まだまだ成果らしきものは見えていないけどね。

最近、
有機農業というキーワードが
僕の周りにうごめいていて、
やたらと刺激してくるので、
ちょっとまとめとして記録したのでした。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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