11月は来客万来。
今回は、「坂ノ途中」という
京都の若い八百屋さんがご来園。
完全無農薬ばかり扱っている八百屋で
そういった野菜を作っている新規就農の方の
発掘もしているようだ。
もひとつ変わっているのは、
自らアフリカはウガンダまで出て行き、
有機ごまを栽培して日本に輸入しようと
計画もしているところだろう。

こちらとしても、
そのウガンダの話にはとても関心があった。
ウガンダでは、伝統的にごまを栽培しているらしい。
その八百屋さんは、大学院に所属しているスタッフが
アフリカ研究をしたいという想いから
ウガンダに繋がり、
そしてその現状で有機ごま栽培につながったという。
今年から本格栽培を現地で始めているようで、
日本で精油の会社ともつなげて準備をしている。
すでに流通の下流が出来上がっているから
上流の生産は、まさに栽培に専念して、
その規格に合えばいいというわけだ。
なるほどなぁ~、やっぱり流通のプロの八百屋らしいなぁ。
僕ら農家だと、どうしても主体を上流においてしまうので、
作った物をどう売るか、の視点になってしまう。
まぁ、どちらが良いのかは、評価対象外だけど。

いくつかの点で、質問が心に残った。
まず有機ごまの栽培を試みている地方は、
もともとごま生産をしていなかった地域らしい。
食文化にごまが多様に組み込まれている感じでもなかった。
つまり、そのごまは完全なる輸出用品目ということになる。
その八百屋は持続可能性をうたい文句にしているが、
それはそういう生産様式で担保されるのだろうか。
より効率的な、「有機」の規格に沿った
大量生産だってあり得るだろう。
自分たちの農業のサイクルに入っておらず、
しかもそれが食文化にも反映されていないモノは、
外貨獲得熱にさらされると、
見た目ばかり持続可能な形にしているのに、
中身はとても持続可能とは言い切れない形で
生産されるかもしれない。
インドネシアだとエビが好例だろうな。
まぁ、それだけ市場は大きくないと
言えるかもしれないので、
あくまでも程度と仮定の話だけどね。

次に、その生産現場への社会インパクト。
農地所有と資源へのアクセスに不平等が存在しないかどうか。
金持ちがそれまでは機会損失だったために、
手持ちの資源に他の住民のアクセスを
割と自由にしていた場合、
格差がなく暮らしていたかもしれないが、
新しい市場の登場で、そのアクセスを閉ざすかもしれない。
どんなリーダーがいて、
資源の分配とアクセスはどう行われてきたのか、
特に、牽引の強い日本の市場となると
すこしそのインパクトが気になるところだろう。
ソーシャルビジネスをしっかりと意識した
現地のリーダーがいることを期待したい。

さて、八百屋さんが見学に来て
一緒に我が家で食事をしたのだが、
研修3年生のクスワントも同席した。
彼の開口一番は、
「ウガンダのその地域では、ごまは伝統的に栽培しているんですか?そしてそれを食べているんですか?」だった。
そうそう、その質問が一番目に来なきゃね。
僕らはその物語のカタチではなく、
その中で実際に暮らしている人々の生の息遣いに
もっとも関心があるんだから。
クスワントの質問が、
僕らの今を一番言い表していたように思う。
そんな議論から
いろいろと思いを馳せた夜だった。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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