先週土曜日は、
JA青壮年部地域リーダー研修会に参加した。
ゲスト講師は『地上』編集長の神薗さんと
福井新聞の論説委員長である北島さんが務めた。

地上とは家の光協会が発行している雑誌で、
全国の青壮年部の活動や農業情勢の情報などが
紙面を飾っている。
農業分野での雑誌というと、
現代農業が有名だろうが、
現代農業が技術の雑誌だとすれば、
地上は農業政策や情勢を解説する雑誌といえよう。

さて、その雑誌の編集長の話。
地上が全国の青壮年部の情報共有の場になれば、
とのことで、
それでこの5月に紙面を新しくした時に、
実際の農業者がそれぞれの目線で綴るエッセイを
企画されたとか。
実は、その企画に僕も末席ながら
執筆させてもらっているのだが
経緯と編集長の想いが今回とても解り、
農業者の実践的目線で書き続けようと
モティベーションも上がった。

次に登壇されたのは
福井新聞の北島論説委員長。
政治と農業情勢の話で、
豊富な情報量とそれらが有機的につながっていて
なかなか盛り沢山な話題だった。
あまりにも膨大なデータだったので
中身については、ここでは割愛するが、
北島さんの話を聞いていて湧いた雑感を記録しようと思う。
安倍政権の成長戦略にある農業所得倍増についてだが、
以前からぼくは大きく2つの方法があると思っていた。
輸出量を増やすというのは、
ちょっと現実的ではないし、
僕らのような小さな農家では無理がある。
たぶん近未来において、
政策的にそれも選択肢に入るだろうけど、
生産構造を変える必要の方が
優先順位が先なんだろうと感じる。

統計的に考えれば、
平均所得を増やしたい場合、
上位を増やすか、下位を減らすか、だろう。
市場は国内の場合は、縮小傾向なので
膨らみつつある海外市場への輸出はある程度考えられるが、
製造業として日本で生産するメリットは
ほとんどないことも他産業の例でわかる。
しかもプレーヤーが小さすぎて、
世界では戦えない。
だとすると、国内市場で話を限定すれば、
所得の多い農家を増やすか、
所得の低い農家に退場してもらうか、
のどちらかではないだろうか。
今の農家を強くするのも一手だが、
もっとてっとり早いものとしては、
農地法を改正して、他産業の法人などが
農地を取得できるようにすることだろう。
そうすれば、その法人が“農家”になり、
農業所得の平均はその企業に押されて
黙っていても上がる。
だが、これは農地法改正の手続きが必要で、
今回は流れてしまっている
(その内、また改正案がでてくるだろうけどね)。
では、農業所得の低い農家に退場してもらおう、
というはどうだろうか?
それは、もう目の前にある。
生産調整(減反)政策の見直しだろう。
兼業農家を減らし、農地集積を推し進めるか
コメ以外の有用作物への転換(園芸など)をすすめ、
大規模もしくは付加価値のある農業に
構造転換を図るというものだろう。

これでプレーヤーも規模が大きくなるので、
海外市場を見据えて、ある程度の競争も可能になるわけだ。

これらは僕のチープな未来予想図。
そしてそれについて僕は賛成でも反対でもない。
これまで小さなプレーヤーが沢山いても、
それは多様な農業ではなかったし、
多様でないことが農業の活力を奪っていたのも事実だ。
でもプレーヤーが大きくなれば、
多様であることにはならず、
物量と資金の競争になるのは明白で、
やはり農業の活力には、あまりつながらないんじゃないだろうか。
そして心配することの一つとして、
コミュニティといった意識に支えられた
共同体ではなかった「ムラ」が、
そこに参加する人々が農地からかけ離れることで
一層弱体化するんじゃないかってこと。
意識に支えられるような活動と経験の沈殿が必要なのに、
過疎化と高齢化がそれを阻む。
農地から離れていく僕ら「ムラ」の行く先は、
一体どんな未来になるのだろうか?



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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