連休は、結婚式にお呼ばれした。
近所の若手農家の結婚式で、
なんと人生初の主賓として挨拶もした。
これまでいろんなところで話をしてきて、
結構慣れっこのつもりだったが、
さすがに緊張した。

さてその挨拶では、
結婚で食の意識が変わることを
手短に話した。
短く話したのでちょっと伝わりにくかったかもしれないので
ここでちょっと補足。
新婚の頃は、今までと違って、新しく結婚した相手と
一緒に生活することになる。
しかもその相手は、シェアハウスみたいに
ちょっとした同居人ではなく、
その人のことを想って止まない相手なのだ。
まぁ、だから結婚するわけだけど。

そういう意識がMAXで向かっている相手と
と毎日食事をするといろいろと面白いことに気が付く。

歌の「セロリ」のように
違った環境で生きてきたわけなので
料理の嗜好や味や文化の違いが大きいかもしれないが、
面白いことは、それではない。
それは「たべごと」。
食べるという行為に、どこか味や機能ばかりに
目を向けてきたこれまでと違って、
相手との相互作用が食べる行為を通じて
記憶に残り出すという
僕ら人間らしい記憶の構造に気が付くのだ。

もちろん友人同士でも
そういう記憶は残るだろう。
野外キャンプの時に食べたカレーライスや
旅先でのB級グルメなどもあるだろう。
だが、意識がMAXで向かっている相手との
連続した毎日の中の「たべごと」は、
半端なく食に対する意識を変えてくれる。

食は、味や機能ばかりが注目されているが、
そこにもう一つ、その行為によって生み出される記憶にも
目を向けてほしい。
その食の根源を支える農業だからこそ、
味や機能だけでなく、
人のたべごとにも深くかかわっているんだ、という
意識を持って自分の農業を確立してほしい。
そんな期待を込めた話だった。

余談だが、
連休最後の日は、結婚披露宴記念日だったので
家族で近くのレストランで食事をした。
自分たち以外に3組のお客さんがいたが、
どの組も誕生日などの記念日だったらしく、
最後のデザートで花火のついたケーキが出てきたり
花束をレストラン側から受け取ったりしていた。
そのレストランは、
ここなら素敵な記念日を過ごせる、という
期待を皆から受けているのだろう。

特別な日を過ごす時に、
皆さんはどんな場所でどんなふうに過ごしたいと思いますか?
その場所の演出に
僕らが生産した野菜が使われることがあれば、
これほど幸せなことはない。
モノや場に込められたイメージや期待が
語らずとも醸し出す。
そんな風にみんなのたべごとを
支える一要素になれたら素敵だ。

人々の「たべごと」。
とても捉えきれるものではないが、
その端っこを結婚したことで見えてから、
僕の農業観は少し変わった。
近所の若手農家にも、その意識を大切にしてほしいな。
そんなことを思っての挨拶だった。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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