今週はわくわくが止まらない。
ということで、もういっちょ。
4番手のプレゼンは
2年生のカダルスマン(以後ダルス)。
ここ最近では、一番学力が伸びている子。

さて、ダルスは
3年生のクスワントの地域をプレゼンした。
彼もこれまでの研修生同様、
農業構造論で教えた要因ごとに
クスワントの地域を分析し、
そしてその分析結果とは別に
ビジネスプランが付属するという罠に陥っていた。
こうもみんながみんな同じ失敗を犯すと、
自分の教え方が悪いんじゃないかと
かなり落ち込む・・・。

それでもイラ同様、ダルスも分析した一部の情報が
ビジネスプランに活かされていた。
彼の立てたプランは、チレンブ芋のドドルだった。
といっても読者の方は解らんか。
チレンブ芋というのはサツマイモの品種。
西ジャワで有名なサツマイモ産地チレンブ村があり、
そこで栽培されている品種をチレンブ芋と呼ぶ。
糖度は高く、香りも良い。
インドネシアで一番有名なサツマイモと言っても過言ではなく、
個人的な見解だが、
日本で有名な安納芋なんて
その足元にも及ばないくらい美味しい。
そのサツマイモをドドルに加工して売ろうという。
ドドルというのはインドネシアのお菓子で、
うーん、ういろうみたいなものか?
いや、かなり違うか。
まぁ、詳細はそれぞれググってください。

クスワントの地域はとにかく雨が少ない。
ダルスの分析では、半分ほどが天水だよりで
雨が無ければ作物の栽培は厳しい。
そんな少雨でも比較的栽培できるのがサツマイモ。
で、チレンブ地域の隣ということもあって、
チレンブ芋をたくさん栽培している。
そして、規格Cと呼ばれるくずいもは、
ダルスのクスワントに対する聞き取りでは、
家畜のエサとしてしか使用されていないという。
そのくずいもをお菓子に加工しようというプラン。

しかも、ダルスの分析では、
村の若い人や女性の仕事が少ない。
そこでそれら女性の収入向上を目指して、
日々の生活の中で家庭にある道具だけで
作れるお菓子として、彼はドドル作りを選んだ。
しかも近くの大都市バンドゥンは、
彼曰く、ドドルの市場があり、
大量のドドルが販売されているとのことだった。
西ジャワにはガルッという地域がドドルで有名で、
そこのドドルが沢山バンドゥンでも販売されているらしい。
彼のプレゼンで見せてもらったバスターミナルや
土産物街にはドドル専門店のようなものもあった。

柔らかくて甘くて食べやすいドドルは
老若男女に愛され(歯の無い老人もOKだとダルス)、
くず芋も資源化でき、
チレンブ芋というブランドや味も利用して、
さらに村人のライフサイクルの中で
空き時間を利用して作れて、
特別な道具も必要ではないためリスクもない。
これがダルスのビジネスプランだった。

クスワントはこれに村の特産の
ヤシ砂糖とココナッツを混ぜて
100%ランチャカロン村のドドルとして
売り出せば面白いかもしれない、と
かなり肯定的な意見だった。

どこにでもあるドドルに
どれだけ競争力やインパクトがあるかは不明で、
販売につなげる点でやや不安はあった。
それでも彼の視点は面白い。
実は小規模家内加工業的な彼の視点は、
これが初めてじゃない。
これまでの彼自身のビジネスプランでも
多くがこの小規模の家内加工業の取りまとめをするという
視点で考えていることが多い。
だから、彼の発想は常に主婦のライフサイクルに寄り添い、
その空き時間を利用して、かつ、
台所にある道具で出来るモノを考案する。
たぶんそれは、幼いころから母が都会に出稼ぎに行き、
父がミニバスの運転手として家を空けることが多く、
家事の多くをダルスが担っていたことが
大きいのかもしれない。

生活に寄り添う視点が
彼のビジネスに上手く合致していくかどうかは、
僕にもかかっているのかもしれない。
もう少し販売面や共同作業に必要な技能などを
彼が考えていければ、もっと面白くなるような気もする。
ドドルはインパクトでは弱いが、
生活からスタートした点を大いに評価したい。

10分25秒のプレゼンは、ややオーバーしたが、
2年生らしく自分の視点を活かしたビジネスプランだった。


関連記事
Comment
Trackback













管理者にだけ表示を許可する

Comment form

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

プロフィール
06 ≪│2017/07│≫ 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
カレンダー(月別)
カテゴリ
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ