インドネシア研修生の月間レポートについて、
今回はイラ君に触れよう。
イラ君は、来日して間もないころから、
帰国後にベビーリーフなどの
サラだ商材をやりたいと意気込んでいた。
経済成長著しいインドネシアにおいて、
サラだ商材は十分商機もあり、
近郊農業の目玉にもなるだろう。
ただ常夏の暑さのなかで、
どうやってサラダ商材を出荷し続けるのか、
そんな課題があった。

それを考えていたはずなのだが、
今年が明けてから、イラ君の夢に少し変化が生まれた。
それは羊の飼育だった。
つまり畜産に目を向けたのだった。
彼の故郷では今、羊の飼育がブームになっているらしい。
県の畜産事務所が、新たに導入した品種があり、
それで地域おこしをしようとしているとのことだった。
彼の兄(とその友人)もそのプロジェクトに参加しており、
その勢いで、彼も養羊でビジネスを考えている。
サラダ商材はどこかに吹き飛んでしまったように見えるが、
それはそれでやる予定らしい。
しかし、ここ半年の月間レポートの
ビジネスプランの内容は、
その養羊ばかり。
僕は、農業でも園芸や食用作物が専門なので、
畜産の知識は乏しい。
でも研修生が畜産の夢を見るのなら、
技術的には不足かもしれないけど、
一緒に夢について勉強していこうとは思う。

さてその彼。
実はすでに羊の舎飼のための土地を購入した。
舎飼の施設案もあり、結構具体的なのだ。
その地域では、羊の品評会もあり、
それに付随して売買のための仲買が
村にやって来るので、市場も問題がないという。
スピード感があってなかなか面白いが、
でも仲買だけが市場だというのは、
ちょっと面白くないな。

僕の知人の農家(スラウェシ)は
牛の肥育をしているが、
自分で車両などの機動力を持つことで、
仲買人ではなく直接市場にアクセスをし、
携帯を駆使して、最も高い市場に販売をしている。
車があるだけで、こうも変わるのかと
思えた事例だが、
ぜひイラ君も機動力を自分で持ってほしい。
ただ、どうしても車は高いので、
そこまで投資の踏ん切りがつかないようだ。
この辺りに彼らのビジネスモデルの
想像限界ラインがあるような感じだな。
僕らには、なんてことない「車」なんだけど、
価格の問題もあるが、それ以上に想像の範囲に
入ってこないのが問題かもしれない。

そんな議論をしていたら、イラ君は、
「バイクでも十分ですよ」とノタマフ。
いやいや、バイクじゃ無理でしょう。
相手は家畜だよ。
重いし、暴れたりしたら事故になるし。
と僕が否定的な考えをしていると、
横から3年生のクスワント君が
ある画像を見せてくれた。
それが、これ。

membawa-sapi-dgn-sepeda-motor.jpg


牛をバイクに載せて運んでいる・・・。
だから羊なんて楽勝らしい。
さっきのイラ君の反対で、
今度は僕の想像の範疇に、
「バイクに家畜を載せる」が無かっただけか。

いやいや、そんなのには押し切られないぞ。
車両は重要だということを
これからも議論していきたい。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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