県民生協の会員さんたちが、
生産現場の視察として来園。
今月4回の予定で、すでに2回行った。
4回の見学会での来園予定は、80名。
こんな一気に食べてくれる側の人々
(しかも、意識の高い人達)と
会話を交わすチャンスは滅多にない。

ここぞとばかりに僕らの想いと
食べてくれる側の想いを交流させようではないか。

さて見学会ではベビーリーフについて
圃場を見てもらった。
まずは土づくりの話から。

いまどき、どの農家でも
「土づくりをやっています」とノタマフ。
堆肥入れています、と言っても、
まぁ、たいてい当たり前かもしれない。
ただ、うちは県推奨の1反2tの5倍である
10tくらい堆肥を入れている。
これくらい入れる農家は、あまりいないだろう。
では、なぜか?
ずいぶん昔だが、父に尋ねたことがあったが、
「経験からだ」と良く解らない答えをもらった記憶がある。
それではあまり伝わらないので、
最近では僕なりの答えを用意している。
もちろん、経験から導き出した答えというのも
大切なので、それはそれで尊重したい。

さて、何かの行為を行う場合、
もちろん自分たちの理想(もしくは目標)があるはずだ。
土づくりにおいて理想とは何か?
それは理想の土にすることなのだが、
僕はその理想の土を照葉樹林の土をイメージしている。
照葉樹林は、その樹木からのリターフォールなどで
有機物を蓄え、常に豊かな土壌生物相を育んでいる。
その有機的なやり取りが、
保水と透水という一見矛盾しているような
状況を創り上げ、
ドラスティスな環境の変化にも
上手に対応する柔軟性と力を持つ。
そんな土を僕ら農家も目指している。
では、その土壌を支えている
リターフォール量は一体どれくらいなのだろうか。
諸説あるだろうが、だいたい5tくらい。
だから堆肥も5tくらいとなるかもしれないが、
畑では、常に生産物を収穫して
外に持ち出してしまうので、
その倍の10tを入れている。
(リターフォール量はその年によって変化するので、10tくらいという見積もりもある)。
農業の要は、やはり自然を模倣すること
なんじゃないだろうか、と良く思う。

うちの農園の土づくりのもう一つの特徴は、
ケイ酸が多いということだろうか。
堆肥作りでは、もみ殻も大量に入れて
堆肥にするのだが、
このもみ殻にケイ酸が大量に含まれている。
普通、この辺りの土壌では
ケイ酸が不足気味なのだが、
うちの農園の土壌を検査すると
他の圃場の倍以上のケイ酸が含まれていると
言われる。
ケイ酸には、植物の細胞壁を強くし、
植物に必須養分である窒素・リン酸・カリウムの
吸収調整をしてくれる機能がある。
細胞壁が丈夫になれば、それだけ菌の侵入を
防ぐことが出来る。
事実、新しくたてたハウスでは、
病気(特にウドンコ病・白サビ病)にかかりやすいが、
堆肥を入れ続けて20年くらいになるハウスでは、
そんな病気はほとんど出ない。
当然、その分農薬散布は減るのだ。
さらに過剰な窒素吸収を防いでくれるので、
よく問題視される硝酸態窒素についても
効果があると考えている。
当然、野菜の味にも違いが出るだろう。

照葉樹林のような団粒構造と
豊かな生物相を持つ土壌と
ケイ酸を豊富に含むことで
野菜が健康に育つ。
自然の模倣とそれを科学することが
僕らの土づくりなのである。

続く


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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