もうすぐ帰国のタタン(2010年来日・第3期生)。
その夢は大きく膨らんでいる。

先日、最終の月間レポートをタタンは仕上げてきた。
彼の夢は果樹栽培とその販売。
3年生の卒業研究では、以前エントリーでも書いたが、
福井の果樹農家や市場、そして消費者の動向を
インドネシアと比較した研究を行った。
どうすれば、またどのような条件が揃えば、
僕たち農家は自由に、
そして豊かに農産物を生産し、
納得価格で販売できるのだろうか、
という、全世界中の農家が夢見ることについて、
タタンは一定の成果を報告してくれた。

そのタタンが、自分の営農について、
月間レポートで語ってくれた。

彼は以前からの計画通り、果樹農家を目指すのだが、
その品目の中心の一つにヤシの実を上げている。
それも若い実で、ヤシジュースの飲める実の
生産と販売に力を入れたいようだ。

僕らが南の島をイメージするときに、
欠かせないアイテムの一つが
ヤシの実のジュースだろうが、
思ったほどヤシの実ジュースは巷にあふれてはいない。
ジャカルタやバンドンの都会などで、
オシャレなショーウィンドウで、
ヤシの実を抱えながら、
そのジュースを飲む若者像は
存在しない。

そんな彼ら彼女らが飲む飲み物は何か?
それは、水のペットボトル。
ペットボトルの水が特別安いわけじゃない。
その方が便利と言うこともあるのかもしれないし、
気軽に手に入るというのもあるだろう。
後の処理も楽だし、すぐに飲める点も有利だ。

しかし水のペットボトルは、そこだけでなく、
インドネシアの生活の隅々までに入り込んでいる。
村の結婚式や会議、
簡単な屋台での食事まで、
ペットボトルの水が幅を利かせていることに
タタンは異議を唱えていた。
僕からすれば、ちょっと滑稽だったが、
身近な飲み物だったヤシの実ジュースの復権とでも
いうんだろうか、
彼は結婚式や会議のケータリング業者などに
売り込みをかけて、
ヤシの実ジュースを飲むのをスタンダードにしたい、と
どこまで本気なのかわからないが、
熱弁をふるってくれた。

しかし、
会議用の長机に座った、
ネクタイを締めた小難しい顔をした大の大人の前に、
ずらりとヤシの実にストローがささっている現場は、
ちょっと想像するのが難しい。

タタン君は、もともと直売を志向しており、
果樹園に併設する予定の直売所レストランで、
ヤシの実ジュースを売るのがヤシの実販売の主流においている。
ケータリング業者とはどこまで上手くいくかわからないが、
彼ららしい新しい発想も、またありなのかもしれない。
でも僕には、理解できないけど。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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