勉強会の記録。
2月13日(水)のプレゼンは、
農園たやの中心メンバー、大西の順番だった。
農業外の分野から飛び込んできた彼の視点は、
僕とは全く違うので、刺激的でもある。

彼の選んだ本はこれ。
イヴォン・シュイナード 著 「パタゴニア創業者の経営論」。

パタゴニアの創業者が、
その経営理念を語る本とのこと。
製品デザインから顧客イメージ、製造、流通、財務、人事、
さらには環境に至るまで、
企業理念が事細かに記されているとのことだった。
とくに顧客のイメージまでも記されているという点では、
驚きもしたし、
逆に、そんなイメージまでも必要なのかと
弱冠の疑いも感じた。
ターゲットを絞るというのは必要だろうけどなぁ。

パタゴニアは徹底した環境配慮型の企業だという。
オーガニックコットンをいち早く使用し、
ペットボトルから服を作り出したのも
パタゴニアが最初だったとか。
シンプルな生活を志向する大西君は、
このパタゴニアの方向性に強い共感を覚えているようだった。

イメージをお客さんに伝えるという点で、
パタゴニアは徹底しているようでもある。
会社が環境に配慮しているというのが、
それを着る人間にとってステータスになっているのも事実だ。
作り手の情熱を如何に伝えるか、
その部分においては、パタゴニアは成功しているのだろう。
大西君もその「伝える」という部分に共感した
プレゼンをしてくれた。

では、「伝える」という力はどこから生まれてくるんだろう。
ここからは僕の独り言。
僕ら人間は関係性の中で、
その個性やパーソナリティを創造・共有し、
そのモノの存在を証明している。
個として立っていることはない。
伝える力は、受け取る側の受け取る力があって、
始めて生まれてくる力とも言えよう。

パタゴニアの顧客イメージは、
受け取る側のイメージ。
明確にされていればいる程、
受け取りやすく情報を加工することは可能だ。
たぶん、その作業は大企業だけに必要なことなのかもしれない。
僕らにとっては、
部分的で限定的ではあるが、
野菜を買ってくれる多くの人と
メールと電話とネットとそして実際に顔を合わせて
付き合っている。
こういう小さい社会活動のネットワークでは、
顧客のイメージはあまり必要なく、
目の前にいる人がまさに顧客であり、
その千差万別の関係性の網目が、
僕らの持つ顧客イメージに
常に変化を生み出し続けてくれる。

環境配慮と言う言葉を一つとっても、
必ずしもオーガニックコットンや
ペットボトルから作る服が、
環境やそれを取り巻く人々の福祉向上に
つながっているかどうか
実際に僕らは確認を取ったことはない。
だのに、それらが環境配慮として
イメージされる僕らの認識とは、
サプライチェーンが伸びきった中で、
キャッチーなイメージで限定的で、
かつ、受け手に「痛くない」&「混乱しない」情報として、
千差万別無く、あるassumptionに支えられているからだろう。
農業で言うなら「有機農業」や「自然農法」なんかも、
それに当てはまるような気がする。
それの中身を真摯に研鑽している人達が
実際にいることを僕も知っているが、
受け手として、その中身を精査することは
あまりないようにも思う。
『リスクのモノサシ』という本で解説されていた
信頼の周辺的ルート処理が、たぶんこれに該当し、
その精査なしに、すんなりと受け入れやすく提供することが
たぶん、情報の溢れたこの世界(10年前の500倍の情報量)を
無事に泳ぎきるための術なのかもしれない。

大量に売れる=社会のassumptionに合致する、
そんな社会構図は、やっぱり気持ち悪い。
(世の中には、そんなことが氾濫してしまっている)。

ますますマクドナルド化する社会において、
24時間では足りない時間と情報量の中で、
僕らはどう対話の場を作り出せるかが、
課題なんだろう。
食の根源でもあるこの農業において、
作る側と食べてくれる側とが、
生活に質を高められるような関係を
どう作って行けるのか。
そこが、僕らの「伝える」力であってほしいと
僕は思う。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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