遅れ気味の勉強会の記録(12月12日開催)。
今回は山岸君。
本はこれ。
船岡正光研究室 著 『緑のループ』:森林資源循環活用フォーラム記録集。

ざっくり言えば、
森林資源のリサイクルの話。
ただ、そのリサイクルの仕方が、
これまでのそれとは随分とちがう。
別次元の発想と言って良いだろう。

まず、森林資源がこの世界でどのようなサイクルを
本来するべきかをこの本では検証している。
樹木は、
炭酸ガスなどを光合成で取り入れ、分子構造を作る。
それが積み重なり、僕らの目に見えるような樹木になる。
これを山岸君のプレゼンでのサイクルに合わせて表現すると、
気体レベル→分子レベル→可視レベルという流れになる。
こうした循環の段階を踏んで
僕らの目の前にある樹木たちは、林業を通して伐倒され、
僕らの生活の一部になる(柱材など)。
そして、そのリサイクルは、
多くが焼却などによる発電等に回され、
一気に可視レベルから気体レベルへと戻されてしまう。
ここに船岡氏は本来のリサイクルの流れではないと
批判している。
リサイクルの循環も
可視レベル→分子レベル→気体レベルであるべきだと。

では、具体的にはどう循環させるのだろうか。
使用された木材(廃材)から高分子構造体を取り出し、
通常、僕らが使っているプラスチック製品のように
加工して使用するべきだというのが本書の要。
分子レベルをすっとばさなければ、
その分だけ、僕らの世界に樹木を構成する原子の循環が
早まるという考え方だろうか。
リグニンといった分子構造体を使って、
これまで石油に頼っていた石油製品を
樹木由来の素材で作り出す。
それらの製品も使用限度が過ぎれば、
最終的には気体レベルに還元され、炭酸ガス等になり
再び樹木の光合成代謝に利用される。

実際に研究は進んでいるようで、
プラントも存在するらしい。
これまで循環と言えば、せいぜいバイオマス発電や
堆肥化だったり、バイオエタノールくらいだったのだが、
高分子化合物として、石油から得られる素材に
取って代わろうというかなり野心的な取り組みと言えるだろう。
僕らの持つリサイクルに対するスキームを
根本から変えてしまうような発想で、
とても刺激的だった。

ただ、この技術が順当にリサイクルとして
使用されるのであれば問題はないが、
この社会ではよくあることだが、
海外の熱帯地域などに巨大な高分子生成プラントが作られ
伐採を促進してしまったりはしないだろうかと
やや危惧はある。
最適を目指さず、社会の根本が最大を目指す世の中では、
良かれと思う技術もかならずその思想の元に
捻じ曲げられてしまうのも事実だろう。

そういう視点までも僕らは共有できた意味でも、
今回の山岸君のプレゼンは、今年の勉強会の中でも
最高レベルのプレゼンだったように思う。
徹底して本を読み込んだ山岸君のプレゼンを
僕も見習わないといけない。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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