ここ最近、勉強会が面白い。
先週になるが10月31日の記録をしよう。
酒井君の発表で、本はこれ。
日本雑草学発行 「ちょっと知りたい雑草学」。

農家にとって一番頭の痛いことは何ですか?
と聞かれれば、まちがいなく「雑草」は
上位に入る。
酒井君もうちで研修後に、自分で農業を始めたが、
他と同じようなことで頭を悩ましているようだ。

さて、この本では雑草と呼ばれる植物の生態や特徴、
そして歴史などが解説されている。
その中でも酒井君の関心はやはりコントロール。
どうすれば雑草をコントロールできるのか。
そこが僕ら農家にも肝心だ。

まったくの原生自然の中では
(というものが、あるんだろうかと疑問だが、あると仮定すると)、
僕らが慣れ親しんでいる(あるいは、戦い疲れている)
いわゆる「雑草」と呼ばれている植物は、
それほど見られない。
場合によっては探し出すのも困難だったりする。
逆に、人の手があまり入っていない国定公園などに
ひっそりと生えているような野草は、
畑の周りで見かけることは、ほとんどない。
ここには、人の手が加わることで、
進化を遂げてきた雑草の姿を見ることができる。
人による自然の攪乱に合わせて
生態を変化させ進化し、侵入性を獲得したものが
雑草という進化形になった。
人間による攪乱に合わせて、それらは生きているのだ。
そう思うと、なんとも感慨深い。
だからといって、除草する手は止まらないけど。

本書では、除草のエースはやはり除草剤となっていた。
除草剤は、その発祥がベトナム戦争の枯葉剤なので、
ベトちゃんドクちゃんのように胎児への影響を
目の当たりにした僕らやそれより上の世代の方々に、
やはり感覚的に根強い不信感はある。
科学の進歩で、あれとはそもそも別のモノだと
言っても、どこかやはりチープな感じの反論ではあるが、
現在使われている除草剤は(一部を除き)、
僕はおおむね安全を確保できているように思う。
除草剤として、枯草菌などのバクテリアや菌の利用も
今後拡大していくだろう。

労力の軽減という意味では、
除草剤の存在はあまりにも大きい。
ベトナム戦争時のアメリカ軍ほどの財力もない小農は、
自分の田畑に少量の除草剤をまくので精いっぱいだが、
それでも迫りくる雑草との戦いは楽ではない。
僕が3年の青春を埋めた
インドネシアのスラウェシ島の山奥では、
農業とは雑草との戦いだ、と学んだほど、
ひどく過酷な営農スタイルだった。
本書でも、除草剤による労力軽減は、
日本だけで1兆2700億円にも上るらしい。

除草剤以外にも除草の方法はある。
生えてくる雑草の種類を見分け、その生長点によっては、
草払い機の使用方法で、ある程度抑えられるときもある。
また雑草同士のアレロパシーを利用して、
夏草と冬草の植生の違いで抑える方法もある。
トラクターや鍬で耕起するのも一つの方法だ。
もちろん、手除草もある。
マルチ麦やヘアリーベッチの利用も有効だろう。
これらと除草剤を合わせた、
その場その場での複合的で戦略的な利用が
農業の現場では行われている。
やはり、農とは草との戦いだ。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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