周回遅れを取り戻すために、勉強会の記録。
先週の発表してくれたのは小西くん。
読んだ本はこれ。

浅川 芳裕 著 『日本は世界5位の農業大国』:大嘘だらけの食料自給率

この本は実は以前も
勉強会で扱ったことがあったのだが(2011年3月下旬)、
記録を残して置かなかったせいか、
その事実すら忘れてしまっていた。
反省・・・。

さて、小西くんは、
この本で、
食料自給率がカロリーベースと言うことを知り、
著者の言う生産額ベースでの自給率にすれば、
自給率が上がることに驚いたようだ。
農水省関連や他の農業団体が、活動資金を得るために
食料自給率の低さを前面に押し出して話をしているとも指摘。
国からの補助金を目当てにせず、
自分のやりたい強い農業を見つけていきたい、と
締めくくってくれた。

確かに、カロリーベースの自給率だと
飼料を海外に頼っている畜産は、自給率から外れる。
さらに野菜などはカロリーが高くないので、
(こんにゃくなんてゼロにひとしい)
100%時給できている品目があっても、
カロリーが低ければ貢献はできない。

では、生産額ベースはどうか。
一見納得できそうだが、
途上国から買ってくる農産物はどうしても安し、
国内産はどうしてもコスト高が響いて
価格も高くなる。
そうなると、量は海外の安い農産物が多いのに、
価格が高い国産が少しあるだけで、
生産額のシェアが国産が多くなるような逆転現象もありうる。
なので、浅川氏の提案は、あまりぱっとしない。

そもそも自給率なんてどうして出しているのか、
僕にはそれ自体が理解できない。
品目ごとの国産のシェア率ならばわかるが、
皆が食べている物を画一的に計算して、
どこまでが国産なんて出す意味があるのか???
小麦はそもそも日本での栽培にあまり向かないし、
僕にとって、無いと落ち着かなくなるくらい
飲みすぎているコーヒーも栽培は無理。
僕が毎昼食べるバナナも無理。
サラダで重宝するアボガドも出来ない。
お気に入りの紅茶は海外産だし、
我が家の食卓を豊かにしてくれている
香辛料のほとんども海外産。

野菜の種だって、
日本メーカーだとしても、
ほとんどが海外の農場で生産されている。

世界の分業は思いっきり進んでいて、
世界との関係なしに、僕らの生活は成り立たない。
そもそも他分野の自給率なんて聞いたことが無いよ。
車の自給率なんて聞いたことが無いし、
農業と同じくらい人が生きていくうえで大切な
医療分野の自給率も聞いたことが無い。
国産の薬のシェア率が高くないと危機だ!なんて
聞いたことが無いぞ!
なんで農業だけ、
そんな変な指標を使うんだろうか?

それに、自給率がのさばっているときは影を潜めているが、
国内廃棄の食料は毎年2000万トンもあり、
海外への食糧援助の10倍もあるのだ。
先進国は、潤沢な資金で食べ物や資源を買い漁り、
そして無駄にしているだけ。
世界の食糧危機が起きるならば、それは、
貧困層といった資源にアクセスできない人たちの悲劇に他ならない。
食料自給率というロジックは、
いろんなものから目をそらさせるだけの
まやかしの数字に過ぎない。

僕らは、悔い(食い)改めなければならない。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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