DSCF1253.jpg

先日、こせがれネットワークの宮治氏が来園。
とある講演&意見交換会のプログラムの一つとして、
うちの農園に見学に来た。
30分程度という短い時間であり、
さらには、僕のどういう部分に
関心があるのか皆目見当もつかない状況なので、
こういう場合は、無難に今やっていることのみを
淡々と説明した。

見学後、『ファームビレッジさんさん』にて意見交換会があり、
それにも参加した。
今、もっとも注目されている農業界の寵児は、
一体、何を語るのか、そこに関心があった。

彼がどうやってネットワークを形成していったのは、
あまり話題にはならなかったが、
緩やかな連携の中で、それぞれがその中で勝手に動いていくような、
ネットワークが必要だと話していた。

確かに都会にいるであろう、農家の子せがれ達は、
帰農しようと思っても、その相談先は限られているだろう。
それぞれが持つ悩みなどもシェアすることで、
突破口も見えてくることもあるだろう。
その点に何の異論もない。
大いに賛同する。

販売では、技術2割・パーソナリティが8割と言っていた。
この話を聞いた時に、
僕は昔の自分を思い出した。
確かに、僕もよくそんなことを言っていたような気がする。
今でも『売れる野菜って何ですか?』と聞かれれば、
『売れた野菜がそうだよ』と答えるだろう。
何かが売れるんじゃない。
売れるようにしているから売れるんだ、と僕は思う。
売れるような工夫は、それぞれのパーソナリティだし、
アイディアだし、その見せ方だろうと思う。
僕は、その方面があまり上手ではないので、
あんまり偉そうなことは言えないのだが。。。

ただ、変わった野菜なんてみんな作るようになったし、
売り方だってまねるする人がたくさん増えてきた。
僕自身も誰かの真似から始めているんだから、
それはしょうがない。
オリジナリティを味に求めても、
そんな微妙な味なんて、どっかの評論家しか解らない。
僕らが相手にしている人たちは、
僕を含め、普通の味覚の人たちなんだから。
美味しくないのは論外だが、
ある程度美味しければ、
後は、そのパーソナリティなり、見せ方なり、が左右するという、
宮治氏の話も、その通りだと思う。

だが、ここからが少し違和感があった。
六本木のマルシェの話を
若手の農家が食らいついていたが、
六本木で売ることが、どうしてマーケティングに
つながるのだろうか、ということだ。
僕らが相手にしている人たちが、
お金持ちの人たちならば、
日本で最も金持ちが居る場所でマーケティングするのは、
納得がいく。
だが、そんなことはないのだ。

勉強になるよ、と宮治氏は言うが、
六本木のマルシェで販売することが、
近所の直売所で売り子をするよりも、
いったい何倍勉強になるというのだろうか。

僕は、どうしても『中心-辺境』の構造を
目の前に出されると、生理的に受け入れられなくなる。
東京や六本木への憧れは、
僕らが地方で農業をしていこういうモティベーションに
一体どれくらい寄与するのだろうか。
地方での頑張りをネットワークを通して、
それぞれが中央に集まり、シェアし合って、
それをまたそれぞれの地方に持ち帰って実践する。
僕が理解するネットワークとは、
そういうものだ。
だが、こせがれのネットワークは、話を聞く限り、
中央に大きく肥大して、
そこに横たわっているように見える。

今一度チャンスがあるのなら宮治氏に聞きたい。
やる気になって地方に帰っていったこせがれ達は、
地方で困っていないのだろうか、と。
その困難を地方と、
一緒にシェアしていこうとしているのだとは思うのだが、
少なくともそのチャンスだった意見交換会では、
そのような意見交換は無かった。
それどころか、中央と辺境の構造を見せつければ、
僕のように偏屈な人間からは、
自分たちの優位性の説明のようにも聞こえてしまう。

自己紹介で、
それぞれの福井の若者が、
『普段、話し相手があまりいなくて 』と言っていたのが
とても印象的だった。
それが、今、地方や農業が抱えている問題の一端なのだ。
中央に憧れを作るようなネットワークの在り方を
根本から見直さないといけない。
僕ら『辺境』こそが、自分たちの世界を創るべきなんだ。
久しぶりに、そんなことを考えながら、
若者が熱中する宮治氏の話を聞いていた。



関連記事
Comment
Trackback













管理者にだけ表示を許可する

Comment form

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

プロフィール
08 ≪│2017/09│≫ 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カレンダー(月別)
カテゴリ
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ