水曜日の勉強会の記録をしよう。
今回の発表は、ジェラート屋のカルナの店長である、大和。
彼の選んだ本はこれ。
船瀬俊介 著 『早く肉をやめないか?』 三五館

船瀬氏の本は、かなり曲者である。
僕も数冊付き合わされた経験がある。
彼はいわゆる、扇動家なのだ。
社会が抱えている不安を煽り、そこに火をつける。
その煽り方は、なかなかずるくて、
その対象に少し知識がある程度では
見破れないような論理展開をする人。
本当と嘘を上手に織り交ぜるため、
どこまでが嘘で、どこまでが本当かを
素人では判断し難いことも多い。
彼は、
社会心理学のいわゆる「信頼」の構造を
良く知っている確信犯なのだろう。

大和が取り上げたこの本は、BSEについてだった。
BSEが問題になった年に発行された本で、
当時の知識でこれを読めば、
肉は食えなくなるかもしれないような書きぶり。
大和のプレゼンでは、全10章ある内、
1~4章は権威ある有名なBSEの著作を丁寧に解りやすく解説してあり、
そこだけは読む価値ありとのこと。
ただ、それ以降になると自分の論理展開に有利な引用を繰り返し、
最後には意味不明な宗教的な価値まで織り交ぜながら
肉食の危険を煽りまくっているとのことだった。
前半部分で、良書を解りやすく解説しているため、
読者は船瀬ワールドに知らず知らずのうちに
はまってしまうのかもしれない。

こういう本との付き合い方は非常に難しい。
論理展開や引用の仕方、固有名詞が作為的にすり替わっていないか、
などなどをチェックしながら読まないと
どこで著者の罠にはまってしまうかわからない。
批判的に読む癖をつけないと、
読書は危ない。


さて、
本書とは別に、大和が帰農するきっかけが
BSEだったという話は、興味深かった。
農業番組の制作に携わっていた彼が、
BSEの取材を通して、自分の酪農への想いを強くして言った話は
僕の心にもしみるように伝わった。
だから、今、いろいろと悩むのだろう。
自分の想いと、今やっていることと、
その楽しみも知りつつもそれらが一致していく道が
一体どこにあるのかを模索しているのだろう。

僕も同じだ。
やっていることと、やりたいことが
少しずつズレていく。
それが僕だけの問題じゃなく、
僕の周囲の環境の変化もあって、
その中で喘いでいる。
(もちろん、僕の読みの甘さが問題の大方の原因だろうけど)。

だからこそ、原点に戻ろうと思うのだろうけど、
なんだか最近は、原点なんてそもそも幻想だったのかもしれない、
と思うことの方が多くなった。
ズレを抱えたまま、
僕らはその先を走りながら考える、しかないのかもしれない。
ねぇ、大和君よ。


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ズレた軌道…。

自分を変えたくない、変わりたくないと言う意思と、変えなきゃ!変わらなきゃ!と言う欲望の狭間で、自分らしさとは自分を作ってきた環境なんだと気付いた時、子どものころからの環境(肉用牛肥育・繁殖一貫経営)を維持できなくなるのは自分を維持できなくなるという事に恐怖を感じていました。

しかし、勉強会に参加して冷静になって行くうちに社会・経済が変化していく中で各農家の経営形態の変化を受け入れられないところが淘汰されていくのを実感しております。

うだうだ考えずに不安と闘いながらも一生懸命生きれば良いか!?と言うのが正解なんだと思うけど、先を考えるまでまだ知恵も経験も知識も足りない。

今後ともご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします。

No title

うんうん、その恐怖感良く分かるよ。
変わることは痛みと苦労がかかるので、できればそんなことは無い方がいいのだけど、うちは、いろんな意味で変わりすぎてきてしまったので、今は変化を生み出さない方が、ある意味恐怖になりつつあるようになってきてしまってもいる。

これから先をどう見据えればいいのか、答えなんてわからないけど、それをみんなで考えられる場として勉強会があればと思っています。

指導&鞭撻なんてなんにもできないけど、大和が参加してくれるので、実体験からくる意見が増えてこっちはうれしいよ。これからもよろしくね。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
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