インドネシア研修生の話。
前期の最終試験の真っ最中で、今回は3年生のイルファン。

彼の立てたビジネスプランは、タタンの地域。
タタンの地域は、それなりに街までのアクセスが良く、
果樹栽培がとても盛ん。
イルファンはそこに目をつけ、
加工後に廃材になっているヤシの実で
工芸細工の生産をしてはどうかというビジネスプランを立ててきた。

ヤシの実の工芸品は、バリやジョグジャの観光地、
または大都市のショッピングモールなどで簡単に手に入る。
しかし、それらの多くは、
お土産用もしくは金持ち層がターゲットで、
一般市民の間では、まだまだ使用頻度は少ない。
イルファンの計画では、
一般の市民や普通のレストランなどがターゲットとなっていた。

タタンの地域では、
タタン自身がヤシの実栽培を帰国後の計画として
挙げてきているように、ヤシの実の栽培が盛んである。
ヤシの実を加工した後に出るヤシがらは、
そのまま廃棄されることが多い。
昔は(タタンやクスワントの祖父時代)、そのヤシの実の殻を
お椀に加工して一般の家で使われていたという。
しかし、時代が近代化し、そういった食器は古臭いものとして
使用されなくなっていった。

イルファンはそれを復活させ、
再び市民権を与えようという試みだった。
ただ復活させるのではなく、デザインに凝り、
アートとしても十分通用するような工芸品にしたいとのことだった。

この工芸品の製作所を
タタンの地域を横断する、
街と街を結ぶ幹線道路沿いに建て、
体験でヤシ工芸品を作れるような施設にしたいという。
また、そこで直売もし、制作現場を見ながら
買い物も楽しめるようにしたいらしい。
併設で地元野菜の直売所もいいかも、と言っていた。

製作所で働くのは、
正規のスタッフ以外にも、
近くの住民グループ、というのがイルファンの案。
女性グループや若者グループがいくつかあり、
時間のある時に製作所で工芸品を作成するというもの。
また指導に当たる工芸芸術家も同時に募集し、
その地域にあった統一的なデザインも確立したいとか。

いやはや、
最近のイルファンには、驚かされる。
プレゼン時間も10分と言い渡してあるのだが、
イルファンだけがこの時間通りにプレゼンしてくれた。
彼は、ここ1年ほどで驚くほどに
学力を伸ばしてきている。
本当に楽しみな子だ。

試験後、みんなで今回の試験について話し合った。
自分以外の地域のビジネスプランを立てる方が、
みんな自由度が高く、面白いものが出来ていた。
さらに、その他人の立てたビジネスプランによって、
自分の地域のポテンシャルに新たに気が付いたという意見もあった。
とても小さな取り組みだが、
こうしてこちらが学んでほしいと思うことを
着実に身に着けていってくれている姿を見ると、
とてもうれしくなる。
忙しい中、時間を作ってやっている意味を
自分なりに再確認できた。

11月からは後期の授業が始まる。
まだまだ詰め込まないといけないことが多い。
タフな日々はまだまだ続きそうだ。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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メールは
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