水曜日の勉強会。
今回の発表はクラトモ君。
取り上げてくれた本は、
田中 優 著 「地宝論」。

この本を読んでクラトモ君のプレゼンの焦点は3つ。
一つ目は、ネオニコニノイド系農薬の問題、
二つ目は、牛乳の脂肪成分と酪農技術の問題、
三つ目は、金融のグローバル化による間接的な問題。
このなかでも、一番議論になったのが
一つ目のネオニコチノイド系農薬の問題だった。
ミツバチの失踪の原因となり、
人間の神経細胞に影響を及ぼし、
現代のうつ病の一因にもなっている、と
この田中優さんは言っているらしい。

よく似た本が、他にもある(リンク参照のこと)。

僕自身、この本をしっかりと精査したわけじゃないので
あまり強気には書けないが、
彼のプレゼンとその本の記述箇所を見た限り
科学的なデータによる裏付けがなく、
その出典すらも明記されていない。
できれば、そのデータを公表し、
(実験の方法論までもしっかりと公表すること)
関心がある人間に、
そのデータの信ぴょう性を精査できるようにしてもらいたい。

僕は食を預かる立場上、
農薬の安全性を誰よりもしっかりとした科学的論理と見識で
理解しなければいけないと考えている。
ただ、「○○が危ない」などと煽る本の多くは
煽るだけ煽って、その論のもとになるデータを
公表してくれないことが多い。
また公表していても、実験手法や方法論までを
しっかりと公表しているものは少ない、と感じている。

僕らの意識はとても曖昧で、
このような論が出版物として形づけられると、
それだけで、それを信じてしまうこともある。
またその人の経歴や権威などから
その人の論の中身を精査できずに
信頼してしまうことがある。
それは社会心理学の信頼で言う
『周辺ルートによる処理』(中谷内一也著 「リスクのモノサシ」より)に
あたるのだろう。
論の本当の中身が、個人的な能力や関心の薄さから精査できない場合
その論を支持している人を信頼するかどうかで
その論を支持するかどうか、という僕らの信頼の判断基準が
まさにこの場合、当てはまるのではないだろうか。

分業化され、システマティックになった現代において
短時間に大量の情報を処理することが命題化され
その中で生きる僕らは、
関心が高くても、一つ一つの問題を
中心のデータまであたって、精査する時間や余裕は少ない。
その場合、それを言っている人間の
信頼度が、そのデータの信ぴょう性を創り上げていく。

田中優さん、あなたが信じている
ネオニコチノイド系の農薬の弊害、
どうか、データを出してください。
僕は、その農薬を使うか使わないかを
しっかりと自分で判断する責任があるのです。
データなしで、煽るだけでは、何事も進みません。
批判は、より良い明日を創るためにあるのだと
僕は信じたいし、
それは、
あなたの本で、あなた自身が他章で述べていることでも
ありませんか?

あなたの本において、
ネオニコチノイド系農薬に対する論理性と正当性、
そしてそれらに対するあなたの態度は、
周辺ルート処理をもってしても、僕は信頼できない。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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