研修2年生のタタン。
バニラを作ると言っていたが、それだけでは飽き足らず
今度は、ヤシの実も作ると言っている。
毎月のレポートで、自己課題を設定し、
その成果を発表してもらっているのだが、
今月のレポートに、そのヤシ栽培の背景を
いろいろと調べ上げて発表してくれた。

ヤシ栽培の魅力は何と言っても
粗放栽培!
植えてから収穫までは4年近くかかるが、
それまでの間、ほとんど管理らしい管理が無い。
苗が小さなうちは、こまめな草刈りが必要だが
驚くほど伸びるヤシは、他の果樹よりも
その手間はすくないらしい。

そして、魅力その2が
市場!
水がわりに飲むくらいポピュラーなヤシの実は
市場が簡単に見つかる。
屋台でもレストランでもたくさん消費されているのだ。
タタンの村に出入りしている買い取り商人も
ヤシを大量に買ってくれるのだとか。
通常1個3000ルピアで、買い取り商人に売るらしい。

そんなヤシの実。
実際、どのくらいの期間で元が取れる計算なのだろうか?
それを彼らに尋ねると、その計算はしていなかった。
粗くても良いのだが、その計算もなしに
こういう野菜や果樹を育てたい、と思うのも
僕からするとなんだか不思議な感覚。
ある程度計算して、ペイするかどうか
その見極めも肝心じゃないの?

ということで、すっごーく粗く計算を
シミュレーション形式でみんなでしてみた。
用意する土地は10a(基本的な単位です。特に意味なし)。
土地はみんなあまり持っていないから、買うことにしよう。
10a買うと、タタンの地域では約3000万ルピア。
結構安いね。
そこにヤシの苗を植えるとして、ヤシは5m間隔で植えるので
10aに40本植えることになる。
苗は1本30,000ルピアなので、苗代で120万ルピア必要。
耕起や整地にかかる費用もあるだろうから
トラクター耕耘を頼んで、オペレーターに1日やってもらえば
土地の条件にもよるけど
たぶん15万ルピア以内だろうか。
これで燃料代も入っていれば良心的???

ということで、元手は3135万ルピア必要ってわけね。
まぁ、これくらいなら、彼らの貯金と
僕らが運営している「耕志の会」で出資できないお金じゃない。
ちなみに肥料はうちで勉強したのだから
当然堆肥を自分で作るということで、省こう。

ヤシは、1本の木から1か月に10個以上取れる(品種によっては30個ほど)。
ということで、4年後には
40本×10個の実×売値3000ルピア×12か月で
年間1440万ルピアの売り上げだって。
本当!????
ちょっと儲かりすぎじゃない???
まぁ、収穫人への手間賃の支払いや管理費など
もう少しかかるけど、植え付けの7年後からは
元手も回収できて、さらに利益を生み出し続ける
金の卵になるわけね。
ちなみにヤシの木は20年以上収穫可能。
ただ高くなりすぎて、収穫の手間賃が高くつくので
ある程度高くなると植え替える。

仕事の手間を考えると
結構おいしい仕事じゃなかろうか。
ただ、そんなにうまくいかないのがインドネシアだけどね。

10aもの大量のヤシの実をどうさばくかも課題。
たとえ水の代わりに飲むと言っても、
消費にも限度がある。
どう売りぬくかを考えておかないと、ちょっと辛い数字かも。
タタンは、
「たくさん作りません」と相変わらず謙虚に話していたけど、
どうせなら、上手いこと売れるような方策を考えようじゃないか。
みんなで議論していて、いろんな案が出た。
「ヤシの実のジュースを売る移動販売押し車(kaki lima)の胴元になる」
「自分でレストランをやって売る」
などが主な案としてでた。
胴元になる、は簡単にはいかないだろうけど
(それにちょっとその商売はあこぎ)
レストラン経営も、ちょっと大変そうかな。
ただ、みんな曰く、大量にヤシの実があるのなら、
そのレストランは、水の代わりにタダでヤシの実をつけたら
お客がたくさん来るのでは?という案もあった。
確かに。
ランチセットに、ヤシの実のジュースをタダでつけたら
みんな来るかもね。
実際タダで提供するかどうかは別として
割増感のない形でお客さんに提供できると
それはそれで面白いかもね。
しかも、自社農場直送っていう戦略もいけてるし。

夢物語みたいだけど、
そんな議論をまじめにやるのが楽しい。
その中で、何か一つ、真になるんじゃないかって
感じる瞬間もみんなで共有している。
だから、彼らの夢は尽きない。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

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