水曜日の有志の勉強会。
今回は、三国のクラトモ君の発表だった。
彼が選んだ本はこれ。
福岡正信 著「わら一本の革命」。
おおおお!自然農の王道書。

クラトモ君は、この哲学的な部分をとても気に入っているようで、
農本主義的な立場から、近代化や資本主義の行き過ぎに
批判的な意見を話してくれた。
機械文明の発達は生命文明の衰退とし、
やや反資本主義てきな雰囲気の中で
エコロジカルで共生的な社会を資本主義と折り合いをつけながら
実現させていってはどうかという
ちょっと壮大なプレゼンをしてくれた。

こういう議論をふっかけてくる輩が
これまでこの勉強会の中にいなかったので
とても刺激になって、良いのではないだろうか。
ただ、聞き手も勉強不足もあって、
なかなか議論が深まらない、というジレンマもある。

さて、この出されたとんでもない素材を、どう料理しようか。
僕の手にも余ってしまうのだが、
少しだけ意見を書いてみよう。
まず自然農。
不耕起・無除草・無農薬・無肥料が原則。
福岡さんはすでに亡くなってしまったし
この本もずいぶん前に書かれたものなので、
これ自体を批判していっても
自然農との対話にはならないのだろうけど、
僕はこの4つの原則が、どうしても受け入れられない。
それぞれの主義主張の立場から
この原則を眺めるから、可笑しなことにもなるのだろうけど、
僕がこれまで東南アジアの農村で見てきた、
とくに自然と調和しているような暮らしをしている農民たちの
実際とは、この4つの原則がほとんど当てはまらない。
そこで僕自身が感じたことは、
適度に自然をかく乱することで、
多様性が育まれること。
そして、その営み自体が
悠久の時の流れの中で、
すでに自然の一部に溶け込んでしまっている事。
自然を一部壊し、そして蘇生し、
その蘇生する力を借りて農を営む。
そんな暮らしの連続をまじかに見てきた。
ただそこにほんの少しだけの欲が生まれれば、
そのシステムがおかしくなっていくのも見た。
でも、そのほんの少しの欲は
僕らの持っている欲の何万分の一にもすぎないこともある。
ただ、明日の生活を良くしたい、という
小さな願いにすぎない場合もある。

その欲を僕は資本主義だなんて呼べないし、
それを僕がおかしいと指摘することもできない。
サイクルが狂ってきていることを
指摘しながらも、僕らが「より良い明日」を願うのは
肯定し続けていきたい。
そして、その「より良い明日」は、
性別や年齢や人種や民族で差別があってはならない。
近代化を機械主義的だとみてしまうと
なんだかわからなくなってくるけど、
モダニティは、すべてを平準化していくプロセスだと
僕は理解しているので、いろんな思想に越境し
スタンダードを押し付けてくるこのプロセスに恐怖を感じつつも、
僕らでは太刀打ちできない権威と偏った価値をぶち壊していく
その力に、実は希望も持っている。
ブラックボックス化を許さず、大家や権威を作らず、
すべてを真っ平らにしていってしまうこのプロセスに
今はとても尋常じゃないけど、僕らがまっとうに暮らせる
思想の種があるんじゃないかと思う時もある。

クラトモ君には、ぜひ次回もこういう議論をしてほしい。
ギデンズなんかを読んでくれると嬉しいんだけど。


関連記事
Comment
Trackback













管理者にだけ表示を許可する

Comment form

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

プロフィール
10 ≪│2017/11│≫ 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
カレンダー(月別)
カテゴリ
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ