水曜日は勉強会。
農業を志す有志と、
うちの農園で研修&働いている若手が集まっての勉強会。
何も僕が講師をするわけじゃない。
みんなそれぞれが先生となる。
毎週、持ち回りでゼミ形式で
自分の農業の関心ごとや興味のあることについて
本や記事を読んでプレゼンしてもらうのだ。
準備はなかなか大変だろうけど、
こんな機会もなければ、
読み捨てにしてしまう知識ばかりで
身にならないのも事実。
それどころか、本すらも読まなくなってしまう。
どんどん頭が石になってしまい、
変化の多きこの世の中なのに
ただでさえ乗り越えていくのが大変な農業業界で
取り残されてしまうだろう。
ちょっと前置きが長くなったが、本題に入ろう。

今回の発表は大西君。
彼はちょっと変わっていて、
飛び込みでこの勉強会に参加してきた人。
こういう人が入ってくることで、
この勉強会も幅が出ると思っている。
ちなみに、紆余曲折あり、彼はうちのスタッフとして
今月から働く予定になっている。

さて、彼が選んだ本はこれ。
青山浩子 著 「強い農業をつくる」。

実はこの本は、以前、勉強会に参加するメンバーが
今ほど多くなかったころにみんなで輪読をしたことがある。
そのころのエントリーはこちら。
ナレッジマネジメント
農をブランド化せよ
農の仕組みを変えよ

本の詳しい内容は、以前書いたエントリーに譲るとして
ここでは議論の内容について記そう。
彼のプレゼンはよくまとまっていた。

まず、農業ビジネスについてだが、
様々な課題に奮起する農家の事例を読み込むことで
彼自身、農業への将来性を感じたようだ。
ただ同時に、何か特別なことをしなければ生き残れない分野なのかと
不安も感じたようだ。

次に、農のブランド化について。
田舎の農村風景から感じる美味しさや安心安全などの
「イメージ訴求」を彼は想像していたようだが、
この本で紹介されている事例は、
徹底した合理化や科学手法を用いてのおいしさと安全の証明によって
ブランド化を追求しているのである。
そしてそれを如何に食べる側に伝えていくかという
不断の努力が記されている。

最後に、マーケット。
団体や卸などへの委託販売ではなく、
供給過多になっている国内市場で、勝ち残るには、
オーダーメイドの農産物生産と流通の方向へ
シフトしていく必要がある。
そのため、生産時の原価算出は必要、と彼は言っていた。

なるほどね。

まず、1つ目の農業ビジネスについてだが、
確かに何か新しいこと・特別なことを始めなければ、
生き残っていけないのかもしれない。

そしてそれは、2つ目のブランド化にもつながることだが、
そのこだわりが、食べてくれる側に伝わらなければ
まったく意味がないということだ。
すべての消費者を対象にしても良いが
一部のコアなファン層を作るのも大切なんだろう。
オーダーメイドにシフトしていくのであれば、
きちんとした原価算出は絶対だが、
さらにコアな客層をしっかりと掴む必要性はある。

この本の議論を始める時に
僕は彼にこんな質問をした。
「強い農業というタイトルだけど、大西君はこの本を読んで、『強い』ってなんだと思いましたか?」
彼は、
「地域の中でぶれない、その地域の特色を生かしていることだと思います」
と答えてくれた。
だとしたら、僕らの目指す道はおのずと見えてくる。
何か新しい事は、売り方や伝え方に必要なのであって、
これまで長くにわたって繰り返してきたここの農業の営みは
さらにそれを加速させていけばいい。
有機にこだわった土づくりと
多種多様な品目を作りまわす農業。
僕はこの中に皆と共有できる・共感できる『強さ』を見出したい。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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