全く更新できていなかったインドネシア研修生の座学。
少しまとめて更新しよう。

今期の2年生の授業に
「地域開発論」がある。
日本やインドネシアの事例を紐解き、
成功のカギを探るというもの。

徳島県上勝町のいろどりや
秋川牧園の事例が漫画で読めるようになっているので
それをテキストとして活用している。

いろどりの事例については何度も
この項目で議論を尽くしているのだが、
毎回、キーワードになるのが
「ニーズ」であろう。
つまものに対するニーズは、横石氏が取り組みを始めた当初は
顕在化されておらず、
いわゆる潜在的なニーズだったと言えよう。
その潜在的なものを市場化し、その成功が
いろどりの特徴ではないだろうか。

ビジネス講座などで、耳にタコができるくらい聞いた
「顧客のニーズを把握せよ」という言葉は、
時として、あまりあてにならないと感じることがある。
それは、その顧客自身、潜在的なニーズに対して
まったく無意識だからだ。

僕が手掛けている
ベビーリーフは、中身はすべてもともと栽培されていた
アブラナ科の葉菜類ばかり。
それを幼葉のうちに摘み取ってミックスするというだけのもの。
僕は、北陸でも早い時期にこの野菜の販売に取り組んだのだが、
それは、なにも消費者の要望があったからじゃない。
確かに、レストランなどの業務筋からは要望があったが
スーパーでは高単価として、どこもあまり乗り気じゃなかった。
しかし、実際に販売してみれば、
あれから10年経つが、今でも販売額は伸びているほどの
優良野菜の一つになっている。

何がほしいのか、顧客の要望がわかれば
それほどたやすいものはないが、大抵の場合、
要望自体がぼやけていて、当の本人ですら
何が希望しているものなのかもわからない場合も多い。
いろどりの成功は、
市場が無かった分野の市場化であり、
それを必要としていたかいないかは別として
その商品を手に取らせるほどの説得力が
その商品にあるということだろう。

秋川牧園の場合は、その逆とも言えようか。
安全志向の要望は、昔から消費者の中に根強い。
それを徹底して行うことで、その要望に応えようというのが
この事例のパターンだろうか。
抗生剤、遺伝子組換え、化学薬品などを
徹底的に排除して、それでもなおかつ
高品質の生産を行う技術が
その背景にあるからこそ、成功していると言えよう。
ニーズに対して、いっさい手を抜かず
一貫性を持って取り組むことが、
この場合の成功の鍵なんだろうか。

いろどりの場合は、
ニーズのないところにニーズを生み出すアイディアと
それを買わせる説得力であり、
秋川牧園の場合は、
ニーズに徹底的に答えていく努力と技術力なんだろう。

研修生たちが、帰国後に始めていくであろう
農業ビジネスは、これらの事例から何を学んで
何を実践していってくれるのか、とても楽しみである。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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メールは
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