04 28
2006

ゴールデンウィークに向けて、日々忙しくなる我が農園。当然ながら、休みなし。

この時期に栽培しているものは、昨日も書いたが、『野菜の苗』である。今日も朝から夕方までお客さんが直接、農園のハウスに来て苗を買っていった。家庭菜園の人もいれば、農家の人もいる。

さて、そのお客さん。皆一様にうちの苗をこう評する。
『かたい苗』と。
かたい苗とは、べつに物理的にかたいわけではない。このあたりでは良く使う方言の意味でもあるかもしれないが(かたい=元気)、それも僕はちょっと違うと思っている。では『かたい』とは?

一言で言えば、『反応の遅い苗』。
反応の遅い苗とは、少々天候が悪くてもその害を受け難い反面、天候が良くてもすこぶる生長するわけでもない苗のこと。

いつの時代からか、野菜の苗は、4月下旬から5月上旬に多く植えられるようになってきている。この時期は、まだまだ夜寒くなることも多く、天候も不安定。天候を考えれば、この時期は野菜の苗など露地に植えるべきではない(福井では)。でも、田植えも昔に比べたら(戦前)ずいぶんと早くなってきている昨今、野菜の苗も早く植えたいという人が多いのも事実。そういうなかで、うちの『かたい』苗は良く売れる。

以前、母校の大学の先生にこういうことを言われた。『かたい苗なんて今の時代にそぐわない』と。今の時代がどうなのかは、僕には良くわからないが、大規模で野菜を栽培している農家には、事実この『かたい』苗はそぐわない。かれらかのじょらは自然が持つ予測不可能な事をできるだけ排除し、予測された収量を予測された時期に収穫することに、現代の農学を駆使して栽培を行う。そのため環境が管理された場所(ハウス等)で栽培を行うので、生長の遅いかたい苗ではこまるのである。整えられた最適な環境にすばやく反応してくれる苗でなければならないのである。その視点から見れば、うちの苗は、だめな苗ということになる。

さて、かたい苗を良い苗というかだめな苗というかを境にして、同じ農業でもずいぶんと違う風景が広がっていることに気がつく。リスクを回避することに主眼をおいた農業と最大の収量を予想された時期に収穫することを目的とした農業。

どちらがどうとは何も言う気はしないが、さて僕はどちらを志向する農民なのだろうか。忙しい最中、苗を箱詰めしながら、今日はそんなことを考えていた。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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