総合防除のUAS(学期末試験)。
お題は、自分が研修後に育てたい作物を決め、
それの総合防除の計画を立てること。

この試験、わかる人にはわかると思うが、
「そんな無茶なぁ」と言いたくなるような難しさ。
とにかく調べないといけない項目が多すぎて
その道の専門家でなければ、
かなり困難な作業。

試験では、当然その計画の論理性や技術の正確さもみるが
それ以上に、ただただ化学合成農薬の散布を繰り返す
慣行栽培に違和感を持ってもらうための作業でもある。

さて、3人の研修生。
ヘンドラはすでに帰国したが、
帰国前に彼はこの課題をやってもらっていた。
彼のプレゼンでは、パプリカが栽培品目になっていたが
その中で、アブラムシに特化した総合防除だったため
他の研修生から、
「実バエの防除は?」
「ハダニはどう防ぐ?」
などと突っ込まれて、たじたじになり、失格。

イルファンには、ヘンドラと同じ轍を踏むな、と
指導したのだが、
その1週間あとの彼のプレゼンでは、
ジャガイモのアブラムシ防除に偏っており、
これまた失格。

タタンは、その二人の失敗を目にしてはいたが
大豆(彼が選んだ作物)の害虫を
探し切れず、授業で教えた防除技術のみで
ごまかしたプレゼンをしたので、
僕に大目玉をくらってしまった。
当然、彼も失格。

総合防除という考え方は、インドネシアでもある。
そう新しい技術でもない。
70年代から言われており、今ではそれなりに技術も確立している。
だが、イルファンに言わせると
「高校や大学の授業で、また普及員の指導で、『総合防除』はよく耳にします。でも、僕が把握している総合防除は農薬の散布の繰り返しでした」
なのだそうだ。
彼の理解の問題なのか、
それともその業界全体の把握の問題なのか
よくわからないが、
そういう下地があって、
僕の総合防除の授業を聞いているので
どうしても理解が、偏ってしまうようである。

ネットでググってみても
インドネシアの総合防除は
有機農業と勘違いしているものが多く、
薬剤散布なんて以ての外!という論調が見受けられる。
そういえば留学時代、
別のコースで総合防除の研究をしていたインドネシア人と
総合防除と有機農業の違いで
口論(やや喧嘩ぎみ)になったのを思い出したのは余談。

明日、研修の新入生が来る。
なので、いよいよ新学期。
総合防除の授業は、全員が失格という
なんとも情けない結果になったが
次回の開講までに、
彼らの理解をしっかりとインタビューしたうえで
カリキュラムを組みなおすとしよう。
とりあえず、今期のこの授業は
これでおしまいとする。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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