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ある新聞社から取材を受ける。
ちょっとしたきっかけで、ある文章を書いて、
それに対して
ある賞をいただくことになった。
だが、その賞自体は、ちょっと本意ではないところもあるのだが
それはまた今度書こう。
今回は、それに関係してのインタビューを受けた話。

ある文章とは、どうして就農して、
どうして今のような研修事業を行い、
どうして今のような農業をしているかを
自分なりにまとめたもの。
なのでインタビューでは、これまでの自分の歩みについて
いろいろと聞かれた。

さて、そのインタビューで一番答えに困ったことは
「田谷さんはこれからどういう農業を目指しているのですか?」
という質問。
こうずばっと聞かれると、僕も悩む。
僕は一体何をやろうとしているのだろうかと。
研修事業では、インドネシアの農業と地域開発に
自らもかかわっていきたいという姿勢で臨んでいる。
新規就農者を受け入れるのは、地域の農業発展と
僕の農園の経営的な改善を目指して受け入れている。
多品目をつくるのにこだわっているのは
施設園芸であっても輪作を基本とした
土の肥沃化を目指した永続的な農業の可能性と
経営的には、多品目のイメージをつけることで
うちの独自ブランドを作り上げようという意図がある。
(その割には、販売は場当たり的なのだが・・・)。

一つ一つには僕なりに理由もあり、
意図もはっきりしているつもりだが、
でも、それらをひっくるめて、僕の目指す農業とは?と
聞かれると、言葉に窮する。
それぞれがゆるやかに関係はしているが
何か一つの共通した目的とゴールを持っているわけではない。

経営的に言えば、
多品目自体、あまりハウスの利用効率も良くない。
人を雇用する立場からも、経営的な計算がややこしく
儲からない作物まで作っていることを考えると、
合理的でもない。
経営にこだわるのであれば、
雇用や研修生を受け入れている立場から言えば
少品目を大量に作ることで
作業のマニュアル化が可能となり
品質の向上も図れるはずなのだ。
先日、普及員の見学を受け入れた時も
いろんな普及員から、その指摘を受けた。
たぶん、その指摘は経営学的には正しい。
雇用でやっていくのなら、絶対、その方がいい。

だのに、僕はそれをしない。
非効率で、僕ばかりが忙しくなるようなやり方で
多品目と複雑な作業に毎日追われている。

雇用の形態もよくない。
研修生ばかりで、長く一緒にやってくれる仲間が少ない。
本当であれば、長く一緒にやってくれる仲間が居て、
+αで、研修生がいるのが普通ではないだろうか。
だからいろいろと作業を教えても、
その人は勉強になるだろうけれども
僕の農園の経営としては安定しない。

それぞれの部分が、それぞれに自己矛盾をはらんでいる。
だからインタビューを受けていて、
その記者さんから
「農業の生産現場というよりも、なんだか学校みたいですね」と
言われるのだろう。
そう、ここは今、なんだか学校のような観もあるのだ。
それは僕の本意でもあるので、それはそれでいいのだが
その反面、
僕の経営面で、矛盾が表面化しているのも事実。

走りながら考えています。
そう僕は答えるようにしているが、
一見かっこいい答え方のような気もするが
その実、あまり先を考えず、とにかく場当たり的にやっているとも
言えるだろう。

僕は、トータルで一体何を目指しているのだろう。
僕もわからない。
それぞれの活動ややり方が、それぞれを批判し
お互いに矛盾し始めているのはわかっている。
だから、トータルで僕が目指すものは何かを
僕自身が見つけないといけないのだろうけど、
なんだか、ぼやけてそれはまだ見えない。
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目指しているのは「○○の農業」ではなく

たぶんだけど。
「どんな農業を目指すのか?」という問いに答えがないのは、
そもそも、目指しているのが「農業」というカテゴリーの範疇におさまるものではないから、ではないのかな。

今やっていることも、「農業」に集約されることではないのではないかな。
やりたいことの中に、農村や、農業があって、
それらを中心に動いているというか。

農業は目的でもあるかもしれないけれど、手段でもある、そんな感じにみえる。
だから、「目指す先」を「農業」だけで語らせようと問われると、戸惑う。そんな感じじゃないかな。

だからみていて面白いし、「農業」をやっていない人間にとっても学ぶところが一杯あるんだと思うよ。

問う側がそこに気づけたら、面白いインタビューになると思うけどねえ(笑)。

Re: 目指しているのは「○○の農業」ではなく

農業は素人です、さん

コメントありがとございます。
なるほど、そういわれるとそうかなぁと思いました。
農業にかかわる何かをやっているだけで、
それらすべてが農業の枠に押し込めておけるようなものではない
ということに気づかされました。

それぞれの活動や関心にある程度のゴールというか
こうなったら良いのかなぁ~程度のものは、
それぞれに自分なりに持ってはいますが
それが目指すべき農業という形で、語れるものでもないですね。
それに自己完結型の活動でもなく、
それぞれにかかわる人たちの中で、僕が面白いと思うことをやっているわけなので
僕自身に何かゴールがあるのも、また変な話かもしれません。

そういえば、常に何か目標(ゴール)を設定して、それを向かって進み
それを阻害する問題を解決するという近代的思考方法を批判し
それに陥らないように自らも戒めていたのに。
人は忘れてしまう生き物なんですねぇ。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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