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もうすぐ11月。
農家組合も町内会も
いよいよ下期の盛(町内会費&農家組合費)の時期が来る。
その下期の盛を前にして、
ちょっとした問題が表面化してきている。
それは、村盛(町内会費)をどの世帯までかけるかということ。

近年、村では新築の家が多くみられるようになった。
そしてその多くが、親の家の敷地内に、
若夫婦だけの家を建てるケースが増えている。
田舎の家は敷地がやたらと広い。
手入れもあまりしていない庭や
婆さんの家庭菜園をつぶせば、
家の一軒や二軒は建ってしまう。
現に、そうやって若夫婦が家を建てることが多くなってきた。
むらにとっても、その家にとっても
若い夫婦が村に住んでくれることは、
とても良いことだ。
ただ、問題も出てきている。
それは親夫婦と同じ敷地内にいる若夫婦は
同じ世帯だといって、村盛を払わないのだ。

これまでこの問題はあまり表面化してこなかった。
実際には、敷地は法規上分筆されているので、
同じ敷地ともいえないし、法律上は別世帯なのだが
見た目に、一つの敷地内に家族が住んでいるので
同じ世帯だと言われれば、そう見えないこともない。
税金は当然別々に払っているだろうが、
村盛はこれまで眼をつむってきた。

だが、ある家が建った時、その問題が表面化することになった。
その家とは、何を隠そう、僕の家。

僕の家は、親の敷地のすぐそばに建っている。
だが、道一本隔てており、見た目にも同じ敷地とは言えない。
しかし、同じ世帯だといって、これまで村盛を払っていない。
払うことに抵抗は全くないのだが、
僕の家は長男の家であり、分家住宅ではないので、
ほかの敷地内にある長男の家と同じように
村盛を払っていなかった。
しかし、下期の盛が近くなってきて、
ある村の役員から、僕の家は村盛を払うべきだと
役員間の酒の席で指摘を受けた。

その人は、
「会議でいえば、角が立つ。こういうざっくばらんな席やから言わせてもらうけど、徹ちゃん(むらではそう呼ばれている)の家はぁ、村盛払わんといかんざ。あの位置やったら、同じ世帯とは言えんやろ?」と言う。
たしかに、同じ世帯かどうかは、見た目にも怪しい。
というか、完全に別世帯と言っていいだろう。
だが分家じゃない。
そう言うと、村の中でも長男が別の敷地に家を建てた人がおり
その人は村盛を払っているという。
村盛は、屋根にかかるもんや、とその人は言う。
だから、それぞれの「イエ」(親族という意味ではなく、この場合わかりやすいのが祭祀権を持つ系統)ではなく、
建ちもんの家にかかるというのである。
だから、僕は長男であっても
村盛を払うべきとなっている。

だとしたら、同じ敷地内だからといって
これまで村盛を勘弁してきた
若夫婦の家々はどうなるのだろうか。
酒の席で、その話題が盛り上がった。
論理上、すべての家にかけるべきではないか、という意見もあった。
見た目に同じかどうかで判断すべきなのか
それとも法規上の判断と同じにすべきなのか
その基準をつくらないといかん、という意見もあった。

そんな話をしていたら、ある村役から、
こんな意見があった。
「なんでぇ、そんな話をせなあかんの?若い人らが、せっかく村に戻ってきてくれるんやから、一軒一軒に目くじら立てて村盛とらんでもええんちゃうかな。分家ならとればええけど、いずれは一つの世帯になるかもしれんのやったら、そのままでええと思う。村の収入がそれで減るわけやないし。逆に、若い人らが戻ってきてくれるんやから、喜ばなあかんのちゃうの?役所みたいに基準と規定を決めて、それを持って細かく村盛とるのは、嫌やなぁ。そんなことは、村のすることやないと思う」。
ちなみにこの人は役所勤め。

この人のこの発言で、村盛をとるかどうかの議論は白み、
うやむやのまま終わってしまった。
ただ、解決したわけじゃないから
またいずれこの問題は表面化してくるだろう。
これまでむらが
こういった議論を散発的に繰り返して
いろんな問題を時間をかけて、どこかに落ち着けてきたように。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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