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コロナ禍で
インドネシアの高校では
授業はオンライン化している。
タンジュンサリ農業高校でもそれは例外ではなく
必要な実習を除いては
学生は通学せず自宅等で学習をする毎日のようだ。
オンライン化といっても
授業をリアルタイム配信しているわけではない。
先生それぞれが授業をYouTubeにアップして
それを学生が視聴する方式。
というのも、ネット環境がまだまだ安定しない同地において
リアルタイム配信では
みられる人とそうじゃない人に分かれてしまうからでもある。
雨の日や時間帯によっては
ネット通信できないこともある。
同地の新聞には
ネットの電波を探して木の上に登ったり
屋根に上って怪我をする学生が増えている
という記事もあるくらいだ。

さて、
そのYouTube授業に
農園たやのスタッフと技能実習生の有志4名が
(アンギ・シティ・立崎・森田)
協力している。
タンジュンサリ農業高校には今年度から
日本語授業が正式に採用された。
それは農園の立崎がJICA協力隊として同地に
農業の先生として派遣していたことがきっかけでもある。
彼女が昨年帰国し、それに合わせて正式に日本授業を
学校が採用した形である。
それに対して何か協力できないかと考えていたが
たまたまコロナ禍になり授業がYouTube配信になったことで
日本からの協力もしやすくなったという事情もある。
こういう場合はコロナも怪我の功名といったところだろうか。

さて、
現在2回分がアップされている。
そのリンクは、以下の通り。

1回目:https://www.youtube.com/watch?v=ws7NI75t0Pg&list=PLv-YLV1LLdwQRWlIrWe8QgafPK--0k8i4&index=2

2回目:https://www.youtube.com/watch?v=7hc98fl2cbM&list=PLv-YLV1LLdwQRWlIrWe8QgafPK--0k8i4&index=1&fbclid=IwAR24sQou5inq00NLFlczsBigKUax4A2zCOMsKGNpQO-HbdpV7UzVnhe56eY

日本語を簡単に覚えながら
日本の農業事情も学ぶ授業である。
ちょうどこの制作を行っていた時に
あるドキュメンタリー番組のクルーが撮影に来ていたのだが
そのディレクターの質問に立崎が
「協力隊で派遣されたからこそ、たくさんの人と知り合えて、知り合いが増えた中でこうした活動や仕事ができています。オンライン授業をしようというアイディアは前からありましたが、あまり現実味がなかったのですが、今は向こうの先生との関係の中でこうした活動ができるようになりました」
と語っていた。
そう。そうなんだよね。
アイディアだけなら
誰でもこういうのは思いつく。
これが実現するのは、それぞれの関係性の中でだ。
自分個人の能力がのびるかどうかも
仕事の幅が広がることなんだけど
それよりもダイナミックなのは
人との関係の中で広がっていくことなのだ。
言葉では簡単でも
これを海を越えたインドネシアの高校との関係は
誰でもが築けるものではない。

この関係の中で
僕らはまだまだ発展していきたいね。




関連記事
JICAがお金を出して
一般社団法人ザ・グローバル・アライアンス・フォー・サステイナブル・サプライチェーン(ASSC)が
事務局を担当して、
外国人を受け入れている企業を募って
「責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム」を
本日設立した。

このプラットフォームが
何を目指しているかの詳細はそれぞれWeb等で確認してほしい。
が、その趣旨の根本は「選ばれる日本」ということだろう。
人手不足は日本だけではない。
韓国や台湾などの近隣諸国も
外国人労働者受け入れに力を入れていて
その競争は年々激化しつつある。
そんな中で、日本を選んでもらえる国にするという
メッセージがその設立趣旨の中心だった。

基調講演に池上彰と
ベトナム送り出し機関の社長(ベトナムの女性)という
とても興味深い組み合わせだったが、
池上彰は、外国人受け入れのすでに周知されている
問題(人口減、労働環境等)の枠以外に
何か新しいことを提示はできなかった。
ベトナムの社長さんの話は、
ベトナム人の視点からの語りが少しあり
外国人に無関心な日本人を問題視していたくだりが
秀逸だった。
ただ日本よりに話しているというか
エリートの視点が強すぎて
ベトナムの技能実習生から見える日本は
彼女のプレゼンからは見えてこなかったのは残念。
法外な値段を請求するブローカーも問題視していたが
彼女の立場なら自国のブローカーが
どのように派生しているかは
当然知っているとは思うので
そういう赤裸々な話が聞きたかった。
そこにはもちろん多くの日本人もかかわっていることも。

ま、ブローカーというのであれば
僕もそのひとりかもしれないけどな。
方向性は180°違うけど、そんなことはどうでもいいか。

さて、ある意味凄かったのは
パネルディスカッション。
トヨタやミキハウスの大手企業や
外国人を多く抱えている自治体である
群馬県太田市の市長、
そして外国人研究者の毛受さん。
サプライチェーンの中で
大企業が中小のサプライヤーの
外国人労働者受け入れと
その待遇をどう考えているのかが
とても興味があったが
どちらの企業も確固たる方針はなく
ただサプライヤーとの調整をして
正しい外国人労働者受け入れを
目指すという話に終始したのは
ちょっと残念だった。
とくにトヨタは、日本では多くのブラジル人労働者が
働いている環境でもあり
また海外の工場の現状からも
どのようなクリーンなモノづくりをしているのかを
語ってほしかったのだが
なぜか語られなかった。というかもしかして
特筆するほどのことがないのだろうか?
そんなことはないと思いたいが。

ミキハウスは自社のサプライヤーの工場で
不適切な外国人労働者環境だったということで
慌てて社内の方針を作った話をしてくれた。
その経緯は面白く
同様にあまり関心を払ってこなかった
企業にとっては参考になるかもしれない。
が、それは特に「選ばれる日本」像ではない。

太田市長はもうぶっ飛んでいたとしか言えない。
ブラジル人街ができるほどの外国人を受け入れ
多文化共生を謳っているにもかかわらず
「仕事にバスで運ばれてバスで帰っていく。どこでどうしているのか実態は全く掴めない」や
「お金は全く使わずに母国へ持って帰る。イベントに参加してもらうのも難しい」
などという発言を繰り返し、
それらの視点がどう多文化共生になっているのか
まったく理解できなかった。
基調講演のベトナムの社長さんの
「外国人に無関心な日本人」の代表のような語りが印象的だった。

法令順守、受け入れ待遇改善、交流、
そんな言葉が飛び交っていて
それがどう「選ばれる日本」につながっているのか
道筋は全く見えない。
活動基本計画では2030年までの
大きな目標はあったが
議論の方向性に
全くと言っていいほど
外国人労働者の視点がなかったのが大きな違和だった。
一緒に説明を聞いていたスタッフの立崎が
「どうしてここに技能実習生などの労働者の代表がいないんでしょうね」
と、ぽつりと語ったのがとても印象的で
僕らの活動とこの総会での議論との断絶の深さに
ただただ呆然とするだけだった。

ただ希望もある。
僕らのやってきたことやこれからやろうということには
僕らが思っている以上に意味があるということが
手前味噌で悪いけど
強く感じた。

選ばれる日本の主体は
「日本」だけではない。
日本を選ぶ海外の若者たちもその主体である。
彼ら彼女らが何を想い
どういう境遇の中にどういう選択をして
そして何を夢見てここにきているのか。
ここにきて何を見て何を感じ何を考え何を夢想し
そして帰って行って何に行動したのか。
そんな主体が抜け落ちてしまっている議論は
とてもまっとうではない。

僕らはこれからも
海外の若者の肩越しに
彼ら彼女らが見るであろう景色を一緒に見ながら
その先を一緒に考えていく。
外国人労働者の受け入れが
その企業やその地域と彼ら彼女らの地域を
成長させる出会いの場として機能するまで。

少しだけ追記:
総会の基調講演からパネルディスカッションを通じて
企業からは、行政による規制や指導強化の必要性を訴え、
行政からは、企業による努力を促していた。
両方が必要なのはわかるが
どうそれらがクロスするのか
そしてそれが「選ばれる日本」にどうつながっていくのか
これからだとは思うが
設立のシンポジウムとしては
あまりに方向性の見えない感じが少し気になった。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
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