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さて、今回の10月出張の生計調査の成果を
記録していこうか。

まずはヘンドラ。
前回の調査が2014年とずいぶんと日が経ってしまった。
この間もヘンドラとは何度も面談して
営農状況は確認していたが
詳しい調査は2014年以来になる。
少なくとも毎年は行いたいが
とても今の短期出張の現状と
1人での調査では無理があるなぁ。

さて、
まず一点だけ修正をしておこう。
2014年時にヘンドラは集落長になっていたと記したが
それは把握違いで、
実際にはその時はRW長だった。
RWとは町内会のようなもので、ヘンドラの住むコミュニティの長といった感じ。
では集落長とは何か。
そのRWが複数集まった単位で、人口は多いと2000人規模になる。
ヘンドラは、現在その集落長に就任していた。
2016年12月に選挙に立候補し、当選して集落長を務めている。

さて彼の営農は2014年から大きく様変わりしていた。
トウガラシがメインの営農から
キュウリの周年栽培に切り替わっていた。
理由は安くても価格が安定していることと
毎日収穫できて、日銭が稼げること
取引している中間商人のキュウリ取扱量が多い事、
などが挙げられる。
そのためヘンドラは3か所の畑で
途切れなく収穫できるように
キュウリのローテーション栽培を作り上げ
実践していた。
それを毎日出荷し、毎日売り上げを現金で貰っている。
これらの畑は2014年時は無く
2015年と2017年にそれぞれ購入している。
日本からの資金が2014年で尽きたと話していたが
その後の営農で稼いだお金で、次の投資を実現させてもいた。

さらにトウガラシなどを作っていた畑
(ほとんどが日本にいる時や帰国後数年で購入した畑)では
現在コーヒー栽培と丁子を実践している。
こちらの収穫はまだ先になる見込み。
ただコーヒーは集落のメンバーを募って
来年中に20,000本を定植する予定で
それらが収穫できるようになると
かなり大きな収入源になるだろう。
コーヒーの選別や一次加工に機械が必要で
それをおこなえば価格は5倍にあがるのだが、
機械の投資額が大きいため、
行政の援助があれば導入したいと考えている。

彼の考えとして面白いのは
毎日の収入をキュウリで、そして
月収を集落長の給与で、
さらに1年に1回の収入としてコーヒーや丁子という具合に
収入の頻度やそのボリュームを分けて考えている事だった。
集落長の給与とキュウリの収入だけで
十分暮らしていけるそうなのだが
ここにコーヒーが加われば
その収入はさらなる投資にまわせるのだろう。
コーヒーは雨が多いと収穫ゼロの年も
めずらしくないらしいが
生計はすでにキュウリと集落長の給与で
成り立っているので
リスク回避も十分しているといえる。

彼が素晴らしいのは
その他の集落のメンバーに対してのインパクトだろう。
コーヒー栽培のグループも彼のリーダーシップのもとに
結成され
活動も活発に行っているように見えた。
少なくとも今回のJICA基金から資金を得て
行われたセミナーでは
出席者も多く、かなり熱い議論が交わされていた。
農業普及員との繋がりも強く
これからも地域をけん引していく
大事な人材といえよう。
そんな地域を引っ張る若きリーダーの姿は
とても眩しかった。

彼の年収は現時点で
日本円で25万円程度。
今後コーヒーでどこまで収入を伸ばせるかが鍵だろう。
また2014年のインタビューでは
丁子の収穫が2019年より始まる言っていたが
その収穫による収入もどれくらい増えるのか
今後が楽しみである。
かなりの条件不利地(幹線道路から取り残されて、開発も遅れた地域)
であるヘンドラが年間50万円への道は
まだまだであろうが
少なくとも彼は
出稼ぎによる日本での労働には
全く関心が無い様子だった。

ちなみに年収25万円は
公務員初任給程度で、
当初の農園での目標額はクリアーしている。
条件不利地の彼としては
かなりの大健闘といえるだろう。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

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メールは
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