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コーヒーのセミナーは
1期生のヘンドラと7期生のレンディの
グループで行われたものに参加した。
どちらも集落長に就任していて
ヘンドラは2016年からで、レンディは今年2018年から
集落長を務めている。
どちらも若くにして集落長になっていて、
頼もしいかぎり。

今回のセミナーでは
4期生のクスワントも含めて3会場で行われ
それぞれのリーダーがそれぞれの地域や
人材、必要技術などを鑑みて、
自由にアレンジして開催された。
開催時期や場所もそれぞれのリーダーに一任されている。
クスワントのセミナーはすでに9月に行われており
お祈り後の夜7時半から行われたため、
僕や現地の立崎はネット回線で参加している。
この辺りの事情は、彼らへの社会生計調査で
明らかになっているので、また別のエントリーに譲りたい。

それぞれにアレンジされてはいるが
セミナー自体の内容は大体、
栽培技術や収穫後の調整の仕方などに特化していた。
特に剪定方法や種苗選び、施肥、
コーヒー豆の一次加工のクオリティ(グリーンビーンズ)などが
その講義の中心だった。
細かい技術的な話は
ここでは省きたい。

さてセミナー開催はそれぞれ
ヘンドラは10/19(金)の午後からで、
レンディは10/20(土)の午後からだった。

参加者は、
ヘンドラが25名を想定していた中29名
レンディは35~40名の想定で、その半分くらいだった。

開催場所は
ヘンドラが自宅だったのに対し
レンディは村役場の会議室だった。

人が集まったのはヘンドラの方だった。
それで彼に求心力があるというわけではないだろうが
人が集まりやすい日時を選んだということだろう。
金曜日はイスラムのお祈りの日で
昼前にみなモスクへ行ってお祈りをする。
そのお祈り後は、比較的ゆっくり過ごすのが慣習で
今はちがうだろうけど
僕が協力隊の時は(今から20年前)
公務員は金曜のお祈りに行ったら、
事務所に戻ってくることはなかったのは余談。
ただ村ではその流れがまだあるらしく
お祈りの後の午後は自宅でゆっくりすごすことも多いらしい。
ヘンドラはお祈りで集まってくる人たちに
この後セミナーがあることをリマインドし、
その思惑通りたくさんの人が参加してくれた。

レンディはややかわいそうだった。
彼がこの日程を選んだのは彼自身が決めたのだが
それは僕の来イの日程に合わせてくれたのが
その理由の大きなところだった。
だから本当は、僕が行くと言わなければ、
きっと彼も夜や金曜日の午後に開いていたに違いない。
それにその土曜日は彼の集落の近くで
金持ちの割礼のお祝いがあり
出し物や屋台が集まってにぎやかにやっていたのも
思ったほどの参加者にならなかった理由だろうか。

ヘンドラのセミナーは自分たちの先進地視察の画像を
スライド的に見せて端的にプレゼンをし
その後、
スメダン県の農業事務所の職員によるレクチャーが行われた。
県職員にとっても農家主催のセミナーに参加することは
ほとんど初めてだったようで
そのことをしきりに取り上げて話をしていた。

レンディのセミナーもアイディアはすこぶる良かった。
彼の地域:パガレガンでは、2014年に台湾で行われた
コーヒーの国際品評会でグランプリに輝いた団体がある。
今回はそこの責任者とスタッフ3名が講師役を務めてくれ、
世界一になったコーヒーをその場でふるまってくれるなど
とても興味深い内容だった。
その団体の責任者が
「パガレガンを世界一の産地にしたい」と
熱く語っていたのが印象的だった。

それぞれの地域に即した
またはそれぞれのリーダーが見据える
未来の在り方に合わせて
開かれたセミナーは
その違いも含めとても面白かった。
そしてそれ以上に、
卒業生の彼らが実際に地元でリーダーになっている
その姿に感動した。
既存の形ではない、新しいリーダーを
農村が変わっていく中で
農村が主体性をもってその変化へ進んでいくためには
必要としていることを強く感じて20年。
その模索として、技能実習生を受け入れて10年。
絵に描いた餅だと卑下もしたが
それでも彼らと語り合った10年。
本当にリーダーになるんだ、と
たぶん自分が一番驚いていた。
彼らの晴れ舞台を
共有できたのが今回の大きな収穫だったろう。



関連記事
夏の大量発注がひと段落し
さつまいもも掘り終え
セロリや大根の間引きも順調にこなし
すこし気分的にも余裕が出てくる昨今。
とはいえまだまだ農繁期。
年末の大量需要に向けて
農園は大量に播種をしている真っ最中。
それにもかかわらず、
今回、10/17~10/24までインドネシアへ出張をした。
これはその記録。

まずは今回の出張に協力的だった
社員みんなにお礼を言いたい。
すばらしい社員のおかげで
憂いなく出張をし、
ミッションを達成することができたからだ。

さて、
今回の出張は
いくつかの目的があった。
一つ目は、技能実習卒業生たちの活動だ。
農園で受け入れていた技能実習生の
卒業生たちが今年もグループで活動をしており
その活動がJICA基金の採択事業となったのは
以前紹介した通りだ。

そのエントリーはこちら

彼らは今、小規模コーヒー栽培のプロジェクトを行っている。
プロジェクト内容は
グループのリーダー格が
先進地2か所を訪問し
そこで得た知見を
グループや周辺住民へシェアするために
セミナーを開催。
そしてその技術や知見に沿って
生産を開始するという3段階のプロジェクト。
この2段目のセミナー2か所に参加することが
僕の一つ目のミッション。

二つ目はこれ。
今年は農園で技能実習生を受け入れて
10年目の節目の年である。
ある程度卒業生も現地で根を張り
そこそこの地位に就く人もいる。
これまでも巡回指導と称して
年に一回程度は
みんなの話を聞いてきたが
社会調査としてのインタビューまではしてこなかった。
そこで今回を節目に
詳しい調査を行う事ことを決めていた。
ただ、9人も卒業生が居て
全員を調査することは無理なので
今回はコーヒー事業を行う4名だけに焦点を当てて
調査をしてきた。
これにかなり時間がかかった。
一旦質的インタビューをするとなると
どうしても一人半日は必要になるし
その一件のノート起こしだけでも数時間を要する。
さらに卒業生は比較的近い地域にいるとは言っても
往復で7時間ほどは車移動が必要で
移動するだけも一苦労の中での調査。
おかげで体調を悪くして病院に駆け込むことになるのだけどね。

三つ目はタンジュンサリ農業高校との会談。
実は、前回の訪問から今回の訪問の間に
校長先生が新しく変わっている。
しかも
今回は学内から校長に昇格したのではなく
まったくの畑違いの教育省つながりの
他校の校長先生がスライドして
タンジュンサリ農業高校の校長になっていた。
僕たちが今まで培ってきた関係性など
まったく知らない人が
校長になっていたので
この方にしっかりとこれまでのプロセスを理解してもらう。
それが三つ目の目的だった。
ただこれはもう少し先の目的も含まれている。
現在農園のスタッフを同校へ
青年海外協力隊として派遣中だが
そのスタッフの次も僕らの農園から
派遣したいという申し出というか
ま、ズバリ言うのなら
農園とタンジュンサリ農業高校とJICAで
民間連携の案件として
派遣契約を結ぶことに同意してほしいという
ところまで突っ込んで了承を得るというのが
三つ目の最大の目的でもある。

四つ目は
その三つ目の約束事を確実にするために
JICAジャカルタ事務所に訪問して
僕らの想いを伝えると共に
事務的な日程や手続きの確認等を
担当者と行うことだった。

五つ目は
派遣したスタッフ・立崎の活動を見学すること。
ま、これは報告書を定期的にもらっているので
それほど心配はしていないのだけど
せっかく行くのだから見たいなぁって。
ただ、あまりの日程の詰まり具合に
さすがにこの五つ目のミッションだけは
全うできなかった、というのだけは
ここに記しておこう。
次回は、彼女の活動を見学したいね。

と、まぁ、
これが今回の出張の目的である。

成果については、次回に譲ろう。




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デデの試験結果について記録しよう。
この試験は、自分たちの未来のビジネスを
構造的に分析して、その妥当性をプレゼンするというもので
まぁ、大抵は肯定的にしか分析できず
弱点や先のリスクに気が付くことはほとんどない。
構造的分析ができれば
本当はそこが見えてくるはずなのだが
僕の教え方が悪いのか
これまでほとんど出来たためしがない。

しかし、今回デデは
僕の意図にずいぶんと肉薄したプレゼンをした。

彼は自分の地域の自然要因の高地気候と
政策要因のアグロフォレストリー政策から
国有地の農地転換を利用してコーヒーやお茶栽培を
基軸としたビジネスを考えている。
現在西ジャワ州はコーヒー栽培を州政府あげて進めているが
彼はそこには手を出さない。
それはキャッシュフローがお茶の方が早いからだという。
コーヒーは補助も多いが
年に1回しか収穫できず、1回の収穫期に失敗するとリスクも高い。
お茶はあまりお金にはならないが
回転が速く、年に何度も収穫ができ
雇用の維持の視点から言えば、お茶が断然有利と見ている。
金融要因のキャッシュフローを考えている点で、
彼くらいの若さを考えれば秀逸だし
実際の経営的センスからいえば、僕も断然お茶だな。

その中で、
これまでもその地域で栽培されてきた
トウガラシやジャガイモ、キャベツも栽培品目にあげていた。
これはそれだけ取引商人も多く、市場が豊富にあり
自分たちの販路に困らないからだという。
市場的要因もよく踏まえている。

ただそれではまだ発展的とは彼は見ていない。
従来の農法や農業経営の枠から出ておらず
価格的にはうま味が少なく
これだと規模の競争に陥るだけなのだ。
そこで最近、栽培が都市周辺から
高地などの遠隔地に移りつつある
アブラナ科の葉菜類野菜に目を付けている。
この辺りはダニとも一緒だが
デデは、
「この葉菜類野菜は、まだ取り扱う中間商人が居ないのがポイントです。自分がその商人になりたいと思っています」
とのことだった。
ブローカーたちは縄張りがある。
取扱品目や地域や取引農家や、
そういう縄張りがあって
それを越境して取引する連中は
よく暴力も含めて排除される。
だが、そもそもその品目を取り扱う商人が居ないのなら
そこはブルーオーシャンだ。

ただその品目を扱うにしても
資金や運送力が肝心になる。
そして肝心な生産扱い量が少なければ
卸の商人からは、そっぽむかれてしまうだろう。
彼は運送力は、ダニと一緒に車両を買うことで解決し
資金は自分の貯めたお金やお茶の上がりを当てることにしている。
彼は日本にいながらしてすでにお茶農園の投資をしていて
かなりの成功を収めつつあり
資金は大きくないが、まわしていけるだけの体力がある。

そして
生産物の扱い量だが、
彼は
「自分でもハウスを建てて、生産量を増やして自分の農産物を中心とした買い取り農家をしたいです」
とのノタマフ。
農園でハウスのマネジメントを直に見ている彼は
とにかく何回転できるかが勝負と言うのを
説明していなくても肌で感じ取っていたようで
現地での簡易ハウス建設費と
葉菜類の回転数と収穫量を計算して
自分の葉菜類の生産量を中心として
周りの農家を衛星的な位置づけとして
ひとつの大きなビジネスを作り上げようとしていた。
それは夢物語かもしれないが
多くの日本の成功事例の発端が
同じような生産農家が販売力を活かして
衛星的な農家を集め
販売業者(卸)的な役割を持つことで
大きく前進した事実を見れば、
彼の若さで、独自にそこに到達したその感覚は
すばらしい、というどころか恐怖すらあった。
実際に彼のプレゼンを聞いていて鳥肌が立った。

彼は、よく人の面倒も見る。
彼が3年生になってから
実習生たちのまとまりもよく
一緒に出かけることも増えている。
不平を言うよりも
現状をどうすればよくなるかを考え行動する彼は
いつも全体の中心に座ることのできる
雰囲気をもっている。
そんな彼が
真剣に考えて作ったビジネスプランは
きっと大きな影響をその地域に与えるだろう。

彼と一緒に仕事をする農家は幸せだろうな。
これまでにない満足感を
僕は彼のプレゼンを聞いて味わったのだった。


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今日は村祭りの日。
が、しかし、台風で中止。
木曜日の夜には中止が決まった。

でもね。
その時から天気予報では
この日曜日には
台風が過ぎ去ってしまっている予報だったじゃないの。
だから、中止にするほどじゃなかったと思う。
実際に、周りの集落では
にぎやかにお祭りがおこなわれているようで
祭囃子が聞こえてきたり。
うちだけなんにもないのは
やはりさみしい。

村祭りはもう昔のような意味合いは、
確かにここには無いけど
これのおかげで集落が集落として
維持できていることに
もっと目を向けるべきじゃないかと思う。
お祭りでもなければ
とっくの昔に離農して
普段は寝に帰るだけの集落になってしまっている人たちが
顔を直に会わせて酒を飲む機会でもあるのだ。

どういうプロセスで決まったのかは
問わないが
安易に中止としてしまったことが
悔しい。
暴風吹き荒れる中では
お祭りをするのは危険だけど
こんな小さなコミュニティなんだから
他の集落のように
ぎりぎりまで様子を見てもよかったじゃないのって。
杓子行儀で
スケールの違いを考慮せずに
リスク管理をするのは
やはりどこか間違っている気もするが
責任という言葉が
全体ではなく個人を攻撃するように
使われる昨今、
それくらいならやめちまおう、というその魂胆が
自治会や青年会や子供会の会長の
肝がちいせいぞ!と罵りたくはなるが
しょうがないという空気もあるのも
問題なんだろうなぁ。

加点式ではなく減点式の社会って
生きにくくなるよね。やっぱり。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

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