09 30
2017

こんな日がいつかくるといいな、と思ってた。
それは俳句の話。

テレビで有名な夏井いつきという俳人がいる。
僕は、あまりテレビを見ないから
プレバトの存在は知っていたけど
あんまりその俳人のことは知らなかった。
NHK俳句の選者を昨年から務め、
それで僕の知るところとなったのだが
この方、かなり面白い。
喋り口調もそうだが、それ以上に
情熱のある語りと俳人らしいフレーズの切り方
その辺りに強く惹かれ
いつの間にやら、夏井いつきが主宰している雑誌や
出演しているラジオや
ネット句会まで参加するようになっていた。
俳句集団いつき組を主宰しているので
彼女の事をみな「組長!」と呼ぶ。

組長が出演している一句一遊というラジオ番組、
最近組長人気で投句数がやたらと増えているらしく
僕もどうやらその一因なのだが、
昨年の10月から欠かさず毎回投句している。
月から金曜日の放送で
日を追うごとに秀句になるというシステム(木曜日はお便り)。
金曜日がいわゆる入選句で、
その中で一つ特選として天が選ばれる。
ひとつの兼題に対し
何千という(たぶんだけど)俳句が投句され、
その中から1つだけ
栄誉ある天を受けることができるのである。
金曜日の入選は10句だけなので
金曜日に残るだけでもすごいことなのだ。
実際この1年で僕は2回だけ金曜日に残ったが
あとはほぼほぼ水曜日。
というか没の方が多いという状況だった。

それが
「宗太鰹」の兼題の週で
なんと、僕の句が天に入ったのである!
以下、組長のコメント。
文面は聞き書き隊の方々のものを転用。
聞き書き隊の皆さまいつもありがとうございます。

「今日はこの人に譲ってやってください。福井から参加しております。ラジコプレミアムでずっと聞いております、テツコの一句です。

『天』  二番競りの目当ての宗太鰹かな  福井・テツコ

これ「二番競り」ってのがどういう意味かっていうとですね、近海で獲れた地場の魚を二番めに競るわけですね。その二番めの競りってときにたまに宗太鰹が揚ってたりして、あっこれ刺身で食べれる、もうやったー・・みたいな感じになるわけですよね。宗太鰹ほかの魚でもいいんじゃないかみたいな句もたくさんあったんですが、これ「二番競り」を目当てに宗太鰹を目当てに魚市場に足を運ぶというそこのところに、テツコの工夫があったんじゃないかなとそこんところを褒めたいと思います。」

1年で夢のような天。
あああ、俳句とはどうしてこんなに面白いのだろう。




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これも記録しておこうか。
今年もJICAキャンパスを受け入れを行った。
JICA北陸の企画で
5回(?)くらいにわたり国際協力を知る講座。
このひとつを僕の農園で受け入れている。
今年も10名の学生が農園に来てくれた。

今回のテーマは
国際協力・農業・インドネシア。
農園を見学し、農作業を体験しつつ、
学生の持つそれらテーマの言葉の中身と
僕らの実践との差異に気が付いてもらおうという企画。
もちろん、その差異が明らかになる過程で
僕らにも学びが生まれてくる。

二班に分かれて午前は見学をして
サツマイモ掘りの体験をした。
正直、体験のための準備は
それを主としていない農園ではかなり準備と
運営に労力がかかるのだが、
今回もなんとか農業体験も入れることができた。
農業のちょこっとを齧って
農業の全体を知るなんて無理だし
体験も収穫体験と言うそれだけでは
農業でも非日常のイベント化されたものなので
正直、農業体験としてどうなんだろうかと
疑問を持つことも多いが
あまりゴリゴリと農作業をすると
誰も体験したくなるというジレンマから
今回も無難な芋ほりをもって体験とした。
この辺りのもやもやが
もう少しなくなるような体験を作れたらいいのだけど
それは本業でもないので
それほどアイディアも沸かないな。

あっちなみに作業自体は大事で
アクションを行いつついろいろと話をするのが
一番自然に話になるのだけど
今回の学生は1年生が多かったこともあるし
事前の準備と言う意味では
僕らにほとんどその時間も猶予もなかったので
みんな本当に純粋に芋ほりを楽しんでいた。
反省。

さて、午後からは
ディスカッション。
3つのグループに分かれて
農業・インドネシア・国際協力の話をした。
農業はスタッフの佐藤と坂本に任せたので
どんなディスカッションになったかは不明だが、
事前の打ち合わせでは
農業の持つイメージ(3K)を超えた
農業の魅力について話してもらう予定だった。
とくに地域づくりや国際協力にまで
踏み込んでいく農園のスタイルを
話してもらえれば
通常の農業の現場へのイメージとの違いに
気が付いてもらえたかもね。

国際協力も同じ。
これは立崎が担当。
学生さんはいわゆる一般的な
JICAや国際NGOなどが行っている国際協力は
良く勉強しているだろう。
でもそんな大きな団体でなくても
また国際協力を主の仕事としていない組織でも
農園のような小さな小さな
一見すると全く関係のない業種体でも
国際協力は出来るという事例を知ってもらいたかった。
大きいから出来ると思あるだろうけど
僕らの農園だから出来る国際協力もあるわけで
それがなんなのかを
知ってもらえたら、きっと目からうろこのはずさ。

インドネシアのグループは
技能実習生が担当。
3年生のイマンが日本語能力試験のN3を
もっているので、彼のリードでディスかっしょをした。
あと僕もここを主にサポート。
技能実習生が日本に来る社会的文脈と格差を
みんなで共有し
ここで勉強した小農が
どうすれば地域で活躍できるのかをディスカッション。
学生のほとんどが農業の技術的問題だと
考えていたようで、そういう意味では
強烈な差異を感じてもらえただろう。
栽培技術なんて小さな問題でしかない。
搾取される構造、マージナルに置かれる文脈、
貧富の差を生み出す慣習や制度、
そんな中で地域リーダーが行うべき
中央と地方をつなげる「翻訳」の大切さ。
そして構造の変革を生み出す仕組み。
それはただ小農が集まってトラックを
買うことかもしれないが、
それが生み出す社会変革と新しい関係性が
小農の新しい未来の地平となる。
そんな話をイマンを含め技能実習生たちが
たとたどしい日本語で伝えてくれた。
これはとてもインパクトが強かったようで
「農業技術だけを教えればいいと思っていたけど、それでは解決できない問題が多いんですね」
と感心しきりの学生もいた。

最後は
一人ずつ成果発表。
国際協力や農業やインドネシアの
それぞれが持っていたイメージは
壊されていったようで、その過程を
僕はひとりほくそえんで楽しんだ。
スタッフもみんなに話をすることで
自分のやるべきことを確認できたんじゃないかな。
とくにインドネシアの技能実習生は
自分たちのミッションを強く意識したようで
とても意味のあるワークショップになったと思う。
準備大変だけど
また来年も機会があればやりたいね。


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俳句が
自分の中心に座って、1年半。
あんまり上達せず
一向に下手くそ。
句会の先生から誘われて入った
「雪解」の俳句誌に投句する俳句を
先週先生に送って添削をお願いしたら、
「解せない」「意味不明」「不自然」などなど
久しぶりに辛口コメントをいただき
ずいぶんと落ち込んだ。
ま、その程度の実力なんだろうけど
最近
どうしてもこういう風に詠みたい、
という欲というか自我が表れてきて
それが解りやすく詠むことや
ただ写生をすることを拒んでいて困る。
夏井いつき組長の主宰する
「いつき組」にも参加しているが
そこも大抵が並選で
良くても佳作の域を出ず。
挙句の果てに、
図書館で見かけた辻桃子氏の
「あなたの俳句はなぜ佳作どまりなのか」を
借りて熟読する始末・・・。
ちょっと迷いがひどくなってきている。

それを打開するためと言うわけではないが
もう一つ門を叩くことにした。
今井聖さんの主宰する「街」にも入会することに。
そちらにも投句し、
自分の詠みたい俳句とは何かを
そこから見える心の景色と
じっくりと向かい合いたいと思う。
NHK俳句でダンスをいきなり披露する
今井さんやそのお仲間の句風に触れて
もう少し考えてみたい。


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P9063096.jpg

来客あり。
インドネシア領事館から
8月下旬ごろからいろいろと電話で調整があり
9月6日来園が実現した。
お客さんは、
元インドネシア共和国チェコ大使。
退職されてから、
故郷であるスマトラのトバ湖の近くで
農園を経営しているのだとか。
ただ住んでいる場所はジャカルタ。
いわゆるあちらスタイルの
ブルジョワ農民ってやつね。

その彼。
新しく梅やイチゴに取り組みたいと
日本にその勉強に来たらしい。
残念ながら農園では
そのどちらも栽培品目に入っていないけど
農業経営について意見交換したいので
ということで
わざわざインドネシアから
やって来られた。
頭の良い方で
少し話せばすぐにその肝の分かる人だった。
こういう人と話をするのは楽しい。
2時間ほどのアテンドだったが
あっという間に時間は過ぎてしまった。

インドネシアの農民の貧困を
その作物の構造に着眼している辺りや
全部の問題を教育で解決できると言わないところが
気に入った。
あと盲目的な有機農業信奉者でない
自称有機農家の
インドネシアのブルジョワ農民には
初めて会ったかも。
バランス感覚も良いね。

さてその彼。
販売は海外を考えているようで
てことはやはり日本か?と聞くと
呆れた顔で彼は言う。
「おいおい、日本?まさか。インドだよ、インド。日本なんてどんどん小さくなるし、いろいろと難しいこと言うから駄目だよ。中国にもつながりはあるけど、インドへ販路を広げていく予定だ」
だって。
日本がどんどん小さくなることや
ゆっくりと落ち目になっていることは
僕らは嫌と言うほど感じるし
そうなっていくだろうという予測もしている。
でも、それをインドネシアの方から
指摘されると、かなり複雑。
もう、ここはあこがれの地でも
先進的な地でもないのだろう。
すくなくともエリート層の間では。

ここまで短時間で
本音で話せた人は少ない。
それはそれだけ彼が聡明で
適当な想いでここまで来たわけじゃないからだろうね。
ちょっとやくざの親分みたいな
そんなやんちゃなところも
気に入った。

最後には
孫からFacebookでメッセージが来て
ステゴサウルスのロボットのおねだりがあり、
後半はそれがどこにあるのかを
みんなでネット検索して終わったけど、
それはそれでインドネシアらしくていい。

こういう人と
仕事がしたいな。
最後にはあっけなく裏切られるんだろうけどね。
それも解っているけど
こういう人は僕はすごく好きだ。
どこかアレジャンの亡父や
パラッカのノールに似ているからかもしれない。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

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