野菜をスーパーなどで買われている方は、
野菜の価格が高いなぁ、と
思っているのではないだろうか。

3月と4月上旬は
全国的に雨が多く、
野菜に病気が出たり傷みが出たりして、
この時期豊富にあるはずの
品目が品薄になり価格が高騰しているというのが
その理由だが、
市場には結構野菜が増え始めていて、
農協を通じて卸売に出荷している野菜については
そんなに高値になってはいない。
でもスーパーの野菜の値段は下がらない。
なぜか?

それは先週まで市場価格が
本当に高い時期に
(店頭価格も高かったんだけど)
仲卸やスーパーが損を出す形で(もしくは薄利で)
野菜を店頭に並べていて、
その分、損が出た分を回収しているのが
今週というわけ。
しかも、ゴールデンウィークに入るから、
否が応でも食材への需要は高まるから
この店頭での高値は維持されたままだろうね。

そんでもって、
GW明けはお金を使い果たした市民が
買え控えをするのもわかっていて、
そこで生産量を回復させた野菜が
市場でだぶつき、
価格暴落も目に見えている。
そこでの損も計算に入れての価格なんじゃないかな。

だから、僕らも
今、この時期は逃さず
たとえ手持ちの野菜をすべて出荷してでも
気合を入れて野菜を出荷するノデアリマス。

昔、見学に行った広島の篤農家さんは、
「野菜やろうっちゅうなら、動く時に動ける奴だけが成功する」
と言っていた意味は、
こういう時に感じるね。
だから、僕らの営農は
明日がどんなに忙しいかはわからなくて、
その日の朝に、どっと入ってくる注文で
その日その日が決まっていく。
これが野菜専科でこなしている農家の日常なんだ。

さぁ、今朝は、携帯の電話が鳴りやまないので、
ものすごく忙しくなりそうだ。
世の中の動きがそのままダイレクトで
自分たちの営農にリンクさせているから、
ま、そうなるよな。

今日も頑張ろう!



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TPP交渉がとりあえず合意には至らなかったが、
確実に前に進んでいる。

アメリカ連邦議会に
オバマ大統領のTPP交渉権限を強化する法案が
議会に提出された。
オバマ大統領への交渉承認が強化されるのと
歩みを同じにしながら
閣僚会議でも合意には至らない部分もあるものの
一定の前進があった、と新聞等で報道があった。

それを睨みながら
今年の米価が揺らぎながら
徐々に決まっていく。
昨年が底値と言われているが、
その一方で、米の民間在庫が200万トン以下に
ならなければ価格上昇は見込めない
なんて話がそこかしこで話されている。
ちなみに今年6月時点での民間在庫予想は
230万トンで、昨年よりも米価がさらに落ちても
不思議ではない水準だという人もいる。

なんとかこの30万トンの米余りを
何とかしないと米セクターの農業は
崩壊してしまう。
15ヘクタール以上の
それなりの規模の米作農家で
経費が10アール当たり10万円ほど
という試算がある。
10アール当たりコシヒカリ8俵を収穫したとして
米価が1俵11,000円程度だと、
・・・・そう、儲けが出ない。
自分で仕事をしているのだから
自分の人件費を犠牲にすれば、とか
農機の更新を遅らせて内部留保を取り崩せば、
なんてことを言わないと
経営を続けていくことができない状況で、
こんなことが何年も続けば
当然、倒産ということになる。
米価を上げるには
倉庫で余っている30万トンを
何とか消費しないといけない。

だのに、TPPでは20万トンをさらに買えと
アメリカは言う。
その数字だけが報道されていたけど
そんなことを聞いてもいったいどれくらいの人が
危機感を感じてくれるのだろうか?
20万トンって多いのか少ないのかも
きっとわからないと思う。

こんな話をインドネシアの研修生にもした。
これが先進国日本の農業だよって。
インドネシアから見ると
この国の農業もすごく先進的に見えるらしいけど
計算はすでに手詰まりに近いところに来ていて、
どうこの後の展開があるのかも
実は誰にもわかっちゃいないのさ。
インドネシアの子たちは、
「だったら、余った米を家畜に食べさせるか、海に捨てればいい」
とアドバイスをくれた。
家畜に食べさせる方は、
すでに政策として打ち出されているよ。
結構な数の農家がこれを実践しているけど
それが妥当かどうかは歴史という流れの中で
証明されるのだろうね。
海に捨てるっていうのは、
けっこう前衛的だねぇ。
環境破壊になるからできないねぇ~。

単純な計算で米価が上がるってわかっているのに
なんでアメリカから
余っている米をさらに買うことになりそうなの?
という素朴なインドネシアの子たちの疑問は
僕が大人ぶって
その方が「国益になるからだよ」なんて答えられない。
そんなふざけた道理が
まかり通るようなことは、
あってはならない。

なんてことを僕がここで書いても、
どうにもならないのだろうけど、
少なくとも20万トンという
TPP交渉で出てきた数字の意味は
(正確には21万5千トンか)
その重大さに
みんなが気付いてほしいと願う。




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この時期、野菜ってあまりないんだよね。
冬から夏への切り替わりの野菜で、
あああ!それそれ!って
思いつくものがあるだろうか?

山菜や折り菜、タケノコが旬だけど
そのどれも春の芽吹きだけど、
栽培する野菜としては
あまりありがたくない現象だったりする。
葉菜類だと花蕾が出てくるのだから
その葉菜類自体は
市場価値が低下することを意味している。

で、あれこれ何か無いかと
探していたら
友人から「葉にんにく」なる野菜を
教えてもらった。
それはもう5年以上前のことだけど、
教えてもらった時に
まだ塊茎が膨らんでいないニンニクを
引っこ抜いてその茎・葉を食してみた。

感想は「固い」の一言。
それから試行錯誤して
若いうちに取ったり、品種を変えてみたりして
なんとか柔らかくて食べやすい葉にんにくを
今年から出荷している。

で、これを食べてくれる人たちと直接つながっている
農園の販売チャンネル
「おまかせ便」に入れてみたところ、
意外な反応が続いている。

高知出身の方やニンニクの産地出身の方から
「なつかし~!」と連絡が入ってくるのだ。
その中には、
すき焼きに葉にんにくが入っていないと
それはすき焼きと言わない、という方まで。

ということで、我が家も
葉にんにくのすき焼きに挑戦した。
ネギのような甘さと
ニンニクほど香りが強くないのだが
それでも食欲をそそるガーリックの風味が
口いっぱいに広がって、とても美味しい!
娘と僕とで取り合いになりながら完食。

レシピは高知県園芸連のサイトを参照。
関西風だけど関東風でも美味しいと思う。

材料4人分

葉にんにく 2束
牛肉 400g
豆腐 1丁(400g)
糸こんにゃく 200g
春菊 100g
椎茸 50g
にんじん 適宜
牛脂 少々
しょうゆ・酒 各1/3カップ
砂糖 大さじ3

作り方
1.葉にんにくは4㎝長さに切り、椎茸は石づきをおとす。にんじんは細切りにし、春菊・糸こんにゃくは食べやすい長さに切る。豆腐も食べやすい大きさに切る。
2.鍋に牛脂を溶かす。牛肉の表面を焼き砂糖をまぶし、しょうゆ、酒を加えて煮る。
3.2.に肉以外の材料を入れて煮る。

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こんな本もたまには読む。

鶴野充茂 著 『エライ人の失敗と人気の動画で学ぶ頭のいい伝え方』.2014.日経BP社.

この本は、ネット上のさまざまな動画をネタに、それを制作した側の意図がどう伝わらなかったのか、そしてどうすれば伝わるのかをあれこれと解説している本。何かを伝えたいという場合の指南書として見るのが妥当か。

この本で出てくる動画は、FacebookなどのSNSでも多くの人がシェアしている有名動画ばかりで、多くの人が動画を見なくてわかるだろうが、たとえその動画を見ていない人でも分かるような概要の解説がついているので、動画を見なくても話の議論の内容は分かるのも特徴だろう。本書では、動画による伝え方なのかと思っていたが、ここで出てくる話は特段動画に特徴付けられるものではなく、何かを伝えたいと思った場合に工夫するべき点と注意するべき点がまとめられているので、どんな形であれ情報を発信したい人間には有意かと思われる。

いくつかの点で農園での情報発信でも役に立ちそうな点があったので、ここにメモを残そう。自分たちの会社をアピールする場合、著者は、トップではなく社員が語れ、と言う。経営者自らがアピールする動画が多いが、トップは嘘をつくという社会的な印象があり、社員による真摯な説明が一番視聴者に響くというのだ。また数字を出して、全国平均や他の事業体と比べて自分たちはマシだ、という答えも良くないらしい。それを見ている人、もしくはその問いを投げかけた人の多くは、他に比べてマシかどうかを聞いているわけじゃないのだから。そういえば、JA福井市の総代会の質問でも、経営側が経営状況を全国平均と比べて話をしていたが、僕らから見れば、なんだか煙に巻かれた感じがしたのは、そういうことだったのかと改めて思った。数字は分かりやすいかもしれないが、それが常にその答えになるわけではない。

歩きスマホや酒気帯び運転などに対する啓発メッセージなどの解説も、僕らにも有効な気がした。なんでも危険性を連呼したり反対するのではなく、3つのポイントが含まれていることが大事だと著者は言う。①興味を引いて、②問題の深刻さを理解させ、③どうすればいいかメッセージを伝える、と書かれていたが、これだけ読むと当たり前すぎて響かないという意味では、著者も文章としては同じ過ちをしているようにも思うが、動画という世界ではそれらをどう見せていくかが制作側の力量に係わるのだろう。この場合、①の興味を引くというのがとても重要だと思う。たとえばTPP反対においても、農協改革反対においても、全然一般市民の興味を引き付けていないというのが問題だった。動画でそういう社会のシュミレーションを効果的に作ってもよかったと思うし、反対していた団体もそれだけの資金も力も持っていたいのだから、その反対運動はやっぱり戦略的に間違っていたんだと思う。ちなみに日本共産党の原発反対のキャンペーンも失敗していると僕は思う。

この本を読んで、通底していることは、楽しいと思わせる何かがその動画に組み込まれていないと意味がないということだろうか。テレビのようにだらだら流れるコンテンツではなく、それは自らの意志でクリックしないと観てもらえないものなのだ。だから作ればいいというのではなのだろう。楽しそう、とか、意外性、そんなものを秘めていないと、人々には支持されない。それが動画なんだろう。出し方一つで炎上もするし、人づてに驚くほど多くの人々に影響を与えたりもする。それが行き過ぎるとTBSラジオのデイ・キャッチで塚越健司氏が言っていたようなSNSでパブ記事をシームレス的に無判断で見続け、自己判断ができない人間になっていくこともあるのだろうけど、それはまた別で議論をしたい。

農園に来ている大学生や若い従業員は、テレビなんて見ずにネットの動画をみて過ごすことが多いという。そしてその動画は、これまでの広告媒体のような感覚では、誰も見てくれないどころか、反対に炎上してしまうという、かなり偏りを持った双方向のメディアだということ。平均年齢が66.7歳で、若者がほとんど入り込まない農業界は、これからこの分野でかなり遅れをとることが予想されるだけに、僕を含め周囲でもネット動画にもっと積極的に取り組まなければならない。そう思わせてくれる本だった。




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そろそろこの子の紹介をしようか。
今年、インドネシアからやってきた
技能実習生のイマン・タウフィック。

その彼が
うちの農園が独自に行っている
インドネシア農業研修プログラム第8期生
というわけ。
このプログラムも今年で8年目かぁ~。

さて、
そのイマンだが、
これまでの研修生と同じように
タンジュンサリ農業高校の卒業生で、
今年22歳。
高校時代には生徒会長も務めていて、
6期生のジャジャンや7期生のレンディから言わせると
「高校の時から活発で目立っていた」子だったらしい。
生徒会長は5期生のイラと同じで
二人目ということになる。

彼自身の意識やポテンシャルは
まだまだ僕も話し込んでいないので
わからないことだらけだが、
彼の環境はかなり農業で成功するだけの
ポテンシャルを秘めていると言えるだろう。

彼の故郷は
3期生のタタンの故郷の近くで、
西ジャワ州の大都市バンドゥンから
西へ車で4時間ほど行ったところにある。
まだそこまで行った事がないが、
僕の大学院時代の親友でジュンベル大学で教鞭をとっている
アニ女史の送ってきた農村調査報告書によると
なだらかな棚田が山間に広がる
静かな農村とのことだった。

この辺りは他の研修生と同じなのだが、
大きく違い点が一点。
それはイマンの両親の経営規模だ。
水田だけで1haほど所有しており、
他にも畑や森林も持っている。
家族の農業収入は、
それだけで十分生活していけるレベルで、
ちょっとした公務員並みだった。

農業の規模からいえば
これまでここに来た研修生の中では
7期生のレンディについで
2番目に規模が大きい。
レンディのところは人口が密集した地域でもなく、
水田ではなくお茶畑の広がる高原地帯で
国策で住民に開放された山々の土地が
多く広がることもあり、規模は自然と大きくなるのだが、
イマンは普通の西ジャワの山間の農村で
人口も多く、農地をたくさん確保するのも
けっこう難しい地域なので
そこで水田を1ha持っているだけでも
ちょっとした驚きがあった。

アニ女史のインタビューでは
イマンの両親の話がとても興味深い。
彼の父も母のどちらも
もともとそれほど大きくない農家の子弟で、
教育を満足に受けさせてもらえなかった。
同級生は中学校に通う子も多かったらしいが
彼らは小学校で教育の機会を失ってしまった。
イマンの父は、両親の離婚や
実母が若くして亡くなったことなど
不幸が重なり、経済的にも厳しかったことがうかがえる。
イマンの母も生活は楽ではなく、
13歳でイマンの父と結婚している。
その二人に共通している意識は、
自分たちの子供にはしっかりとした教育を受けさせたい、
ということだった。
だから子供の数は二人だけにしようと
夫婦でも話し合ったそうだ。
ほとんど土地を持たない中で
若い夫婦は農業のスタートを切ったが、
余剰のお金ができれば、銀行に預けることや
他へ投資することなく
愚直に農地購入に精を出した。
イマンの父がアニ女史のインタビューに答えているが、
他の財産を手に入れるよりも農地が一番だ、
という意識は彼らの営農の根本になっているのだろう。
たぶんイマンの両親は
とても働き者だったに違いない。
贅沢をせず、
農地と子供たちの教育にだけお金を使った。
それがイマンの姉とイマンを
高校まで教育を受けさせる機会を与え、
そして今、イマンが営農に志向した時に
それを支えるだけの十分な農地を彼に残している。
だからイマンは
ジャジャンやレンディが言うように
「高校の時から活発で目立っていた」のだろう。
育った環境が
彼のモティベーションを高めたんだと思う。

さてその彼、
ここを卒業して帰国した後には、
飼料用のトウモロコシの栽培をして
魚の養殖用のエサを作って販売したい、という
ビジネスプランを持っている。
彼の地域には今、水力発電のための
巨大ダムの建設が進んでおり(中国資本)、
完成後にはそのダムの貯水池で
大規模な淡水魚の養殖が始まると言われている。
そのニーズにこたえようというのが
彼のプランだ。
ま、それが妥当なのかどうかは
僕には判断がつかないけれど、
彼がそれをやりたいというのなら
淡水魚のエサなんかも僕らは調べてみてもいいかもね。
農業が部門別に固定化されている日本と違い、
なんて彼らの発想は自由で
そして荒々しくて、力に満ち溢れているのだろうか。
イマンとのこれから始まる3年間の交流を通じて、
僕らもまた彼から
いろんなエネルギーを吸収したいな。


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JAの新任役員研修会に参加。
今年、JA福井市の青壮年部の部長になり、
組織代表としてJAの役員にも名を連ねた。
全国的にも珍しいのだが、
福井の農協は結構先進的で、
青壮年部や女性部の部長が
役員として枠をいただいている。
JA福井市は経営管理委員制度をとっているので、
僕もその一員としてこの4月から
JAの経営判断などをする立場にいる。

さて、
僕自身、小さな農園を経営しているが
その経営内容とJAとでは規模も業務内容も全く違うので
僕の経験なんて役に立たない。
新役員さんの中には大きな会社経営者もおられるだろうが
僕のように経営には素人の方もおられるのだろう。
だから、こうして新役員のための
研修会が二日間行われた。

その研修会は5つの座学から構成されていた。
まずは県大の北川先生による
「JAの存在価値を考える」。
協同組合とは何かを歴史的な事例を基に解説し、
農協の設立やその後の経緯を社会変容に合わせて
解説してくれた。
組織の理念や構想などもその時々で
やや付け足し感はあるが
社会問題に応答する形で
発表されてきたのはとても興味深い。
その果てが、農協批判と農協改革につながる経緯については
もっと解説してほしかった。
ただ解説してもらったこの大きな流れは
政府や社会に対しての全国的なまとまりの話であって、
実際に日々の組合員さんの暮らしとは
至極かけ離れてしまっているようにも思える。
政治的に向かいすぎたというのも批判や改革に
つながったということなんだろうね。
地域はそれぞれ多様なカタチなのに
農協という名前だけが同じというだけで
それが全国的にも力をどう持つのか
今一度考える必要があるようにも思う。
が、それは新任役員研修の範疇外かな。
他のエントリーでも書いた通り、
地区の青壮年部と福井市の青壮年部、
そして県青協で感じる温度差と意識の差は
その縮図のようにも思う。
そしてまた論点を変えると
先生が言うように新自由主義との対決であれば、
なぜ農協は中道左派的な思想活動を展開できないのか。
やはり官製ではないにせよ、
自民党と近くなりすぎた協同組合ということなのだろうか。
この辺りは骨格となる理論構築が欲しいところだが、
北川先生に期待しよう。

講座の2つは中央会からの説明だった。
農協法や役員(理事・経営管理委員)の責任について
けっこう重い話もあった。
経営責任を追及された場合
その案件に会議で賛成した役員さんは
記録されているので責任回避はできない
とのことだった。
さらに、自分が退任した後も
自らの賛成への責任はついて回り、
自分がたとえなくなった後にその責任問題になった場合、
自分の財産を相続した人にその賠償が及ぶとの
説明もあった。
ふ~ん、結構その判断は重いのね。
だからこそ、慎重に、しかも勉強をして
判断しないといけないし、
一旦判断したことは、
とても重みのある判断になるというわけだ。
この説明を聞いていた会場は
けっこうざわついていた。
この説明には、会場からも質問が相次ぎ、
「経営責任を取りたくないから、私はこれからどんな案件だろうと全部反対する」
とその心情は分かるが
理事・経営管理委員としての資質が問われるようなことを
いいだす方もおられた。

福井は先進的な地域で
青壮年部や女性部の組織代表も
理事・経営管理委員の枠があり
経営に参画している。
で、僕らとは別の福井のJAで
若者を増やす必要があるということで
青壮年部の枠を増やそうという話し合いもあったようだが、
結局、青壮年部内から誰も出る人がいないということで
話は流れたらしい。
農協改革の中にも
若手や女性、経営のプロや大規模農業者などが、
経営に参画することが望ましいとなっているが、
その方々に明確な利益や利点が無い限り
こういう条件では
まるで火中の栗を拾うようなものだと
会場の方と雑談した。
そういえば、国政でも県政でも市制でもいいのだが
議員さんってそういう責任って
問われるのだろうか?

とはいえ、一応、
経営責任を追及された場合の保険もあるので、
そこはある程度は大丈夫とのことだった。

残りの講座は
顧客満足度を上げましょうと言うビジネス講座と
労務管理の講座だった。
これらは経営管理委員としてよりも
自分の経営を見直す意味でとても勉強になった。

会場で愚考したことは
自分が経営を判断するにしては
農協があまりにも組織として大きいこと、
経緯と歴史と法律から見て
それをどう捉えるべきか、ということ。
ちょっと手に負えない感じだが
これはこれでとても考察しがいのある
課題をいただいたようで久しぶりに
脳みその良い刺激になった。
とても面白い題材をいただいたような気がするし
それを内側から考えられるという
とても幸せな(?)立場をいただいたと思う。
農協は地域の中でもそのウエイトが大きいしね。

特に農協に頼らなくても自ら進んでいけるような
新しい農業形態の方々が参画し始める農協の経営の変容、
そして農村がすでに農業とは切り離された形で
存在するコミュニティという中で
世代間でギャップのある意識の変容が
どう農協という組織に影響をするのか、
また農業を起点とした農村の復興が重要なのか、
それともそれはそれとして農協組織としての存続が重要なのか、
両立しない問題はすでに僕らの目の前にあると思う。

ま、ゆっくり考えていこうと思う。
そういう意味では新人研修は
とても面白かった。
まとまってはいなかったけどね。
あっ、それは中央会が
そういう風に単協をみているんだっていう意味では
良くわかったかな。


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不定期だが、ある一定の期間が過ぎると
浮かび上がってくる疑問がある。
それはインドネシア研修生たちの賃金に対する疑問。

農園で独自研修を受けている&働いている
インドネシア人の技能実習生たちには
国の労働者としての規定通りに
賃金を支払っているが
その中身について疑問が生まれることがある。
残業代の扱いや日本人労働者に比べての賃金格差など
“同じ仕事をしている”という意識から
彼らなりにそういう疑問は生まれてくる。
それ自体は至極真っ当なことで
それを社内の会議などで
彼らから話してもらえることは
僕にとっても幸せなことだ。

先日の社内の会議でも説明したが
それは日本語だったので
(スタッフのほとんどがイ語を解さないため)
昨日、時間を作ってイ語にて説明をした。
農園のスタッフ(正社員)の給与形態や
業務内容の違いなどの説明をした後
彼らの思っていることを聞いた。
スタッフと同等の評価が欲しい、
という直接的な声はなかったが
それに近い頑張りもあることは認めるべきだろうね。
ただ、それにしては専門知識にも
言語レベルも足りないというのは、はっきりと伝えた。
体力的や精神的には
たぶん日本人以上のポテンシャルを持っているのだろうが、
これからの農業はそういう要素は
もっと重要度を減らしていくべきだと思っている。
だから体力に自信があるだけでは駄目なのさ。
そうじゃない言説を作っていかないと
農業はまっとうな産業として独り立ちもできないだろう。

とはいえ、そのままにもできないので
昨年の実績を見ながら
実習生の言い分も考慮し、双方が納得できる
妥当な昇給ラインを話し合って決めた。
今年も昇給となった。
春闘みたいで、なんか良いね。

さて、実習生個人は
給与も上がって、研修や勉強もできる環境が揃っていて
なかなかない状況なんだろうと思うけど、
経営者としてはなかなか辛いところもある。
それは実習生の全体的にかかる経費だ。
中間搾取のようにも思えてしまう、
海外技能実習生を派遣する
国内外の組合への監理費や渡航費なども
すべて合わせて計算すると
技能実習生にかかる経費(給与も含めて)は
1人に付き毎月18万円を軽く超える。
これが高いか安いかは議論をしないといけないが
農業分野では
けっこうな賃金水準になる。
求人しても人が来ないから、
実習生をお願いするという農園もあるが
うちの場合は事情が少し違う。
僕の趣味で始めたいわゆる道楽であって、
それもちょっと高い道楽になりつつある気もするが
その道楽が良いと言って集まってくれるスタッフと
その道楽から作られる野菜が美味しい!
といってくれるお客さんの支持が
知らぬ間にたくさん寄せられるようになって
僕も本気で死ぬ気でこの道楽を
続けていくつもりでやっている。

でも、
時々、18万の賃金を払うのなら
日本語が話せなくて
致命的なミスはまだないが、
細かくミスを繰り返す、
そしてどんなに育てても3年で帰国する、
そしてこちらの期待通りにはなかなか
本国でも成果を出せないでいる実習生を受け入れるよりも
日本人のスタッフと楽しく可笑しく
農業をするのも良いかもな~と、そんな考えが
正直よぎらないこともない。

ま、とはいえ、
僕がインドネシアと関わり続けようという
意思がある限り、
そしてこのやり方が楽しい、と思ってくれる人たちが
日本人もインドネシア人も他の国の方も含めて
僕の周りにいる限り
僕の気まぐれで辞めることはないよ。

利益なんて考えずに始めた
もっと純粋だった初めの頃のあのモティベーションは
あれからもっといろんな社会の汚いモノに
汚されてはきたけど
僕なりにその真中は汚さないで持ち続けているつもりだ。
今回も彼らとの話し合いでは
すべての数字と僕の想いとそして
たぶん少し(かなり?)遠慮しているのだろうけど
それでも彼らの直の声とを合わせて
今年の賃金を見直すことができたことを
幸せに思いたい。
さぁ、新年度さ。
今年も研修の新学期が始まる。
それぞれにわだかまりはあるかもしれないが
僕らは前進をやめない。



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娘が好きな歌手。
それは、きゃりーぱみゅぱみゅ。
今夜もその歌を口遊む。

おっしゃれっつ、おっしゃれっつ、
せか~いせいふくだ
だんだんだだん、人偏だ!

え?人偏?
そこはインベーダーでは??


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今年から野菜の苗の販売をやめた。
農園では、これまで、
たぶん祖父母の代から
野菜の苗をこの春先に栽培し販売してきた。
父の代には、
苗販売の最盛期には
農園の販売額の1/3を占めるほどの
大きな収入源になっていたこともあった。
福井市だけでなく、鯖江や敦賀まで
野菜の苗を運ぶトラックに
僕も一緒に乗っていった記憶があるし、
昨年まで僕もその配達をしていた。
だが、それを今年からやめた。

ホームセンターで苗を購入する人が増えたことや
そこへ卸すルートを農園が確保してこなかったこと、
またスーパーなどに入っている園芸店が
そことの競争に負けたことや
そもそもそのスーパーも大型店に淘汰されたなどの
時代の変化を大きく受けて
農園の苗販売の規模は縮小の一途をたどった。
苗販売の最盛期には
花壇用の花苗も多く栽培し
父も母もガーデニングやハンギングの資格を取って
そっちの方向でやっていこうという
時代もあった。

時代の変化で野菜苗の市場を徐々に失い、
そして僕がその野菜苗の栽培・販売に
全くといっていいほど
興味を持っていなかったこともあり、
僕らの営農のベクトルは
年を追うごとに
こだわりの野菜に特化した農園に様変わりしていった。
明確なビジョンが僕にあったわけじゃないが
苗の販売の方法や
その見せ方やそれを支える環境が
『時代』に乗り切れなかったのかもしれない。
だが、農園の野菜苗の栽培・販売が
実は僕らの多品種栽培の技を
育ててくれた。
品種に敏感になったのも
この経験が大きいようにも思うし
それだけの野菜の品種をそろえることができたのも
自前の育苗技術がしっかりとしているからとも
言えるだろう
(あっでも、昨年は吉川ナス、今年はズッキーニで失敗しているけど)。

そして今年。
その野菜苗の一般販売をやめることにした。
これまで野菜苗が占有していたハウスは、
僕らの多様な野菜栽培に向けられ
増産体制は一層強化された。
たぶん、この方向性も
このまま永続的に
繰り返されることもないのかもしれないが、
僕らはしばらく
この方向で特化し、尖っていこうと思う。

農園の野菜苗をこれまで購入つづけてくれた
お客さんには
『とても残念』と声をかけてもらうことも多く
その意味では大変申し訳ありません。
時代のニーズに合わせて僕らの営農も
生き残るために大きく変化していこうとしています。
その流れの中での苗販売の終了ということで
ご理解いただければ幸いです。



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4月1日。
エープリルフールだけど、
このエントリーは嘘じゃないよ。
4月1日は新年度。

農園の経営的には
1月からすでに今年の経営がスタートしているので
行政的な新年度はあまり関係がないのだけど、
今年はこの新年度が
大きく関係する年なのさ。
それは新卒採用のスタッフが
農園で仕事を開始するから。

これまでも農園では
いろんな方を採用してきたが、
新卒の子は初めて。

定年帰農も良いし
地域への愛着で帰農するのも良いし
Iターン、Uターンも良いと思う。
で、それと同じくらい
新卒の子たちが農業に入ってくるもの大事だと
僕は思う。
農業という産業が力を失っている現状は
そういう新しい考え方や視点を持った人材が
流入してくる流れが昭和の時代に滞ってしまった
ことにも原因があるように感じているからだ。
もちろん、転職して農業界に来る方や
定年帰農の方も新しい考えや視点を有しているが、
だが、それは時代的・世代的には新しくないのさ。
新卒は、もうそれだけで
時代的に世代的に僕らが得ることができない
視点を有していることになる。
そんなものに価値なんてあまりないと
僕は若いころは思っていたけど
年がいったのか、最近はそういうことが
とても農業の分野では大事なように感じる。
社会と同時代的に
同じ視点を持つ若者を農業界にも呼び込むことが
とても大事なのさ。

ということで、
新卒の子が農園に入社。
インドネシアに留学経験もあるので、
僕には見えない世代の目で
捉えたインドネシアがここで展開されたら
面白いだろうな~。




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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

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