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ワインの飲み方に、「垂直」という言葉がある。
一つの産地、一つの地域、一つのワイナリーを
年代ごとに飲むというのが、この「垂直」。
ちなみに、これに対して、「平行」という言葉もある。
特定の年代を選び、その年代の様々なワインを飲むというもの。

僕は、この「垂直」という言葉が至極気に入っている。
特定の作り手のワインを年代ごとに飲む。
当然、良い年もあれば、悪い年もある。
それを併せ呑む。
良い年だけとか、出来の良かった産地だけ、ではなく、
気に入ったワイナリーや作り手を選び、
その地域と一緒に、出来不出来を一緒に飲むというスタイル。
良い年は、そのうまさに驚き、
悪い年は、生産者の苦労が香りや味のはざまにうかがえる。

僕ら農業界の生産者は、
自然の気ままで全く安定しない変化に、
しっかり向き合いながら、
食べてくれる側にモノを提供し続けている。
そして、そのモノの質は良い時もあれば、
当然、悪い時もある。
自然が人間の事情にそっぽを向くときなどは、
生半可な管理では、とても生産できない。
そんな悪い時でも、悪いなりに良いものを作る努力は、
僕たちは怠らない。
でも、良い時に比べたら、
どうしても見劣りはする。

それらを併せ呑もうというのが、
ワインの垂直。
それを解りながら、消費するという行為で
僕ら作り手に寄り添ってくれるのが、
「垂直」。

この「垂直」が、僕のそばにもあったらいいな。
そんな想いがここ数年あった。
そして今年の5月、あるきっかけで知人女性から
「野菜を送ってください」と連絡を受け、
僕にも、その「垂直」が始まった。

現在、毎週、野菜の詰め合わせセットを全国に発送している。
その発送の時に、美味しそうな野菜を、
旬で味がのってきた野菜を、
詰め合わせて送る。
当然、この先、悪い時もあるだろう。
でも、そんな時でも、
この自然に寄り添いながら生活している僕らに、
寄り添いながら消費してくれる人たちが、
傍にいてくれるという、その存在感が、
僕らをまっとうな農業に向かわせ、
そして、まっとうな取引関係を作っていけるような気がする。

良い時は、とても美味しく、
悪い時でも、悪いなりに、
僕は自然を食べながら楽しんでいく仲間の輪を
広げていきたいと思っている。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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