あああ、もう水曜日。
次の勉強会の日になってしまったあああ。
先週の記録をしていなかったので、大慌てで記録しよう。

前回の発表は酒井君。
ちかく独立をするので、彼自身、多くの不安を抱えている様子。
何を発表すればいいのかわからないんですよ、という彼に
その独立の不安や将来設計で思うことを話してみたらいいのでは、
と言ったところ、彼が選んできた本がこれ。

松下一郎 鈴木康央 著 『夢で終わらせない農業起業』:1000万円稼ぐ人、失敗して借金作る人

成功事例と農業の理想像ばかりがもてはやされ
書きたてられる傾向にある昨今の農業本だが、
この本は、ちょっと違う。

農業の厳しい面にしっかりと向き合って
農業で起業しようという者に、
その覚悟を求めているようにも見える。

酒井君のプレゼンでは
規模拡大をしたが価格低迷で倒産に追いやられた農業法人や
大量発注による詐欺などの
第4章の失敗事例を中心に説明してくれた。

これから農業で独立してやっていこうと思っている彼は
いろんな不安があるのだろう。
ハウス施設を建てる借金は
ちょっとかっこいい車を買うとは
比べものにならないくらいの額なのだ。
家のローンと変わりない額じゃないか、と思うかもしれないが
家のローンのように30年もの長期で
払うわけでもない。
10年そこそこの短期で、返さないといけない。
そのプレッシャーが大きいのだろう。

失敗する人と1000万稼ぐ人の間に
何の違いがあるのだろうか?
僕はこの本を読んでないが、
議論では、大西君が
「適切な規模と適切な人材と配置じゃないですか」と
答えてくれた。
でも、その適切がわからない。
そのさじ加減がわかるやつが成功するやつってことか。
まぁ、そんなもんなのだろう。

大西君が、
「どういった農業をしたいのか?」と酒井君に問うたが
酒井君は、
「とりあえず、借金が返せるような堅実な経営」と
やや守りに入ったような答え方だった。
その答えに対して、
こういうことをしたいから、農業という職業を選ぶんじゃないですか?
と大西君は問うたが、
それはそれで正当な問いなんだろう。

そしてその問いは、僕にも突きつけられている。
借金がその人間の思考を狭くしてしまい
やりたいことよりも、その負債を返す方向に思考のベクトルが
持って行かれてしまうという事実。
本末転倒といわれかねない状況の中で
それでも自分のやりたいことに突き進んでいけるのは
よほどのさじ加減を知っているか、
それとも奇人変人なのか。

農業は、重労働の低収入。
天候に大きく左右されるし、
市場もなにか特別なことをしないと
うまく儲けが出ない。

体がすこぶる丈夫で、
自然科学の知識があり、
経営センスと
市場感覚を持ち合わせ
多額の投資にひるまない根性と
少々の貧乏でも楽しめる楽観的な性格、
そして、これがやりたいという情熱が
ある人は、たぶんだけど、
これからの「農業」に向いている。

と、最近、僕はよく思う。

酒井君、頑張れ。
僕には、君にそれらのすべてが
備わっているかどうかは
わからないところもあるけど
たぶん、君なら大丈夫だよ。



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最近、JAの直売所(きねや&愛菜館)で
あまるうちの野菜がある。
それはピリ辛とうがらし。

しっかーっし!!!
この美味さがわからないなんて、
みんな!グルメじゃないぞぉ~!

豚肉とニンニクとただ一緒に痛めただけなのに、
チョー美味い!
そして、このビール。

P1010359.jpg

知る人ぞ知る、
インドの青鬼。
このにが~いホップの味と
なんと農園たやのピリ辛とうがらしが
絶妙なマリアージュ、だと今日発見した。
ぜひ、だまされたと思って試してほしい!

本当に騙されたと思った人は
ごめんチャイ。

では、おやすみ~(酔っ払い)。

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研修2年生のタタン。
バニラを作ると言っていたが、それだけでは飽き足らず
今度は、ヤシの実も作ると言っている。
毎月のレポートで、自己課題を設定し、
その成果を発表してもらっているのだが、
今月のレポートに、そのヤシ栽培の背景を
いろいろと調べ上げて発表してくれた。

ヤシ栽培の魅力は何と言っても
粗放栽培!
植えてから収穫までは4年近くかかるが、
それまでの間、ほとんど管理らしい管理が無い。
苗が小さなうちは、こまめな草刈りが必要だが
驚くほど伸びるヤシは、他の果樹よりも
その手間はすくないらしい。

そして、魅力その2が
市場!
水がわりに飲むくらいポピュラーなヤシの実は
市場が簡単に見つかる。
屋台でもレストランでもたくさん消費されているのだ。
タタンの村に出入りしている買い取り商人も
ヤシを大量に買ってくれるのだとか。
通常1個3000ルピアで、買い取り商人に売るらしい。

そんなヤシの実。
実際、どのくらいの期間で元が取れる計算なのだろうか?
それを彼らに尋ねると、その計算はしていなかった。
粗くても良いのだが、その計算もなしに
こういう野菜や果樹を育てたい、と思うのも
僕からするとなんだか不思議な感覚。
ある程度計算して、ペイするかどうか
その見極めも肝心じゃないの?

ということで、すっごーく粗く計算を
シミュレーション形式でみんなでしてみた。
用意する土地は10a(基本的な単位です。特に意味なし)。
土地はみんなあまり持っていないから、買うことにしよう。
10a買うと、タタンの地域では約3000万ルピア。
結構安いね。
そこにヤシの苗を植えるとして、ヤシは5m間隔で植えるので
10aに40本植えることになる。
苗は1本30,000ルピアなので、苗代で120万ルピア必要。
耕起や整地にかかる費用もあるだろうから
トラクター耕耘を頼んで、オペレーターに1日やってもらえば
土地の条件にもよるけど
たぶん15万ルピア以内だろうか。
これで燃料代も入っていれば良心的???

ということで、元手は3135万ルピア必要ってわけね。
まぁ、これくらいなら、彼らの貯金と
僕らが運営している「耕志の会」で出資できないお金じゃない。
ちなみに肥料はうちで勉強したのだから
当然堆肥を自分で作るということで、省こう。

ヤシは、1本の木から1か月に10個以上取れる(品種によっては30個ほど)。
ということで、4年後には
40本×10個の実×売値3000ルピア×12か月で
年間1440万ルピアの売り上げだって。
本当!????
ちょっと儲かりすぎじゃない???
まぁ、収穫人への手間賃の支払いや管理費など
もう少しかかるけど、植え付けの7年後からは
元手も回収できて、さらに利益を生み出し続ける
金の卵になるわけね。
ちなみにヤシの木は20年以上収穫可能。
ただ高くなりすぎて、収穫の手間賃が高くつくので
ある程度高くなると植え替える。

仕事の手間を考えると
結構おいしい仕事じゃなかろうか。
ただ、そんなにうまくいかないのがインドネシアだけどね。

10aもの大量のヤシの実をどうさばくかも課題。
たとえ水の代わりに飲むと言っても、
消費にも限度がある。
どう売りぬくかを考えておかないと、ちょっと辛い数字かも。
タタンは、
「たくさん作りません」と相変わらず謙虚に話していたけど、
どうせなら、上手いこと売れるような方策を考えようじゃないか。
みんなで議論していて、いろんな案が出た。
「ヤシの実のジュースを売る移動販売押し車(kaki lima)の胴元になる」
「自分でレストランをやって売る」
などが主な案としてでた。
胴元になる、は簡単にはいかないだろうけど
(それにちょっとその商売はあこぎ)
レストラン経営も、ちょっと大変そうかな。
ただ、みんな曰く、大量にヤシの実があるのなら、
そのレストランは、水の代わりにタダでヤシの実をつけたら
お客がたくさん来るのでは?という案もあった。
確かに。
ランチセットに、ヤシの実のジュースをタダでつけたら
みんな来るかもね。
実際タダで提供するかどうかは別として
割増感のない形でお客さんに提供できると
それはそれで面白いかもね。
しかも、自社農場直送っていう戦略もいけてるし。

夢物語みたいだけど、
そんな議論をまじめにやるのが楽しい。
その中で、何か一つ、真になるんじゃないかって
感じる瞬間もみんなで共有している。
だから、彼らの夢は尽きない。

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先週の水曜日のゼミの記録を忘れていた!
覚えているうちに記録、記録。

今回の発表は、林君。
農外分野から、農業に飛び込んできた一人で、
今年の4月から独立して農業をやっている彼。
まだまだ大変だろうけど、
僕が期待をする一人でもある。
何に?
それは内緒。

さて、彼が選んだ本はこれ。
山本マコト著 『「バカ売れ」POPが面白いほど書ける本』

林君は、今、地元JAが運営している直売所に出荷をしている。
彼の農産物のほとんどが、
それら直売所でさばいていると言っても良いだろう。
4月から始めたので、直売所ではまだまだ知名度もなく、
生産物も安定していないだろうと想像する。
そんな中で、ちょっとでも自分の野菜を知ってもらう、
もしくは選んでもらうツールとして
彼はPOPに目をつけているようだ。

彼のプレゼンでは、
この本の、POPを作る10か条が面白かった。
①書き写す
②ストーリーで落とす
③トレンドキーワードで落とす
④数字で落とす
⑤生の声で落とす
⑥うんちくで落とす
⑦商品に自ら語らせる
⑧用途から発想する
⑨ネガティブな言葉を使いこなす
⑩見慣れない文章で落とす

林君は実際にこの10か条を利用して
直売所に置くPOP(緑ナス用)を実際に作ってきてくれた。
食べた人の感想や、ネガティブな言葉などが盛り込まれていて
以前に彼が作っていたPOPとは明らかに違っていて
面白かった。

彼曰く、
お客さんは多種多様な商品を目の前に、
困ってしまっている。
だから、売る側はお客さんに商品を選んでもらう理由を
きちんと提供しないといけない。
それ以上に、お客さんに代わって商品を選んであげないといけない。
とのことだ。
なかなか面白い考え方ではある。

勉強会が終わった後、
参加メンバーの一人である大西君が
こんなことを話してくれたのが印象的だった。
「林さんの緑ナスのPOPは面白いけど、あれじゃ緑ナスの普及には役に立つけど、林さんの緑ナスを買う動機付けにはならないですよね」。
確かに。
緑ナスのレシピや美味しさを強調しても
それは緑ナスを普及するのには役に立つけど、
他の農家が緑ナスを作っている場合、
自分のナスを手に取ってもらう動機にはならないわけね。

ということで、彼の緑ナスの横に
僕の緑ナスを置こうかしら。
POPを作る手間、省けたね。

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Facebookをやっていると
インドネシアの大学院時代の友人からチャットが入る。
しばらくたどたどしくなってしまったインドネシア語で
彼と話していると、
どうも変だ。
なんだか僕がおぼえている彼とは違う人間のようなのだ。

そのことを書くと、
その「彼」は、何年も前から音信不通になっていた、
別の友人であることが分かった。
僕の友人である彼の家に、遊びに来ていて、
そして偶然に僕を見つけ、彼のパソコンを借りて
僕に話しかけてきたらしい。
音信不通になっていた友人(仮にマンクとしよう)は
海外に留学していたという。

え?マンクが??と驚く僕に彼は説明してくれた。
ボゴール農科大学大学院を出て、
マンクはすぐにドイツの大学院で
学ぶ準備をした。
彼は英語がほとんどできないので
英語の学校にも、ボゴール農科大学大学院時代から
通っていたようである。
それでも語学力が足りなかったので
入学はなんとかできても
今年まで卒業できなかったらしい。
5年以上という歳月をかけ、彼はドイツの大学院で
博士号を取得した。

僕が知っているマンクは、年下のやや背伸びしたがりの
負けず嫌いのジャワ人だった。
何冊かインドネシアでは本を出版している、
ちょっとした有名人ではあったが、
論理的展開に無理があり、僕はあまり認めていなかった。
成績もよくなかった。
英語ができず、課題の英語論文をスキャナーで取り込み
それをインドネシア語に訳すソフトにかけ
めちゃくちゃな訳文をそのままペーパーに張り付けて
先生から苦言を呈されることもしばしばだった。

そんな彼が、いつの間にか
5年の時間をかけてドイツで博士号を取るまでになっていた。
まったく、人の成長には驚きだ。

そして、この5年。
彼の並々ならぬ努力の間に
僕は何をしてきたのだろうか。
惰眠をむさぼったつもりはないが、
僕もまだまだ加速がたりない。

僕は、
本当に良い学友(ライバル)に恵まれたようだ。
こうして距離や時間を超えて
僕を今でも刺激してくれるのだから。

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うちで出荷しているルッコラとベビーリーフが
今、ちょっと辛い。
こんなことを書くと、売れなくなりそうなのだが
尋常じゃないくらい辛い時もある。
有機肥料をたっぷりの土の土耕栽培の場合、
暑い夏は、どうしてもアブラナ科の野菜は
辛みが増す。
今までも、業者や消費者から、毎年夏になると
「辛いです!」と
クレームが来るのだが、
マイルドになるように努力しても
なかなか報われないままであった。

先日も、ある直売所で、一般消費者のおばちゃんから
「ベビーリーフ、辛くて食べられないよ~」と
クレームをつけられた。
ベビーリーフに入れる葉っぱの種類を変えたり
栽培法を少しずつ変えたりしているのだが、
やはり辛さはなかなか抜けない。

そして今日、
ちょっとしたきっかけで食事することになったサレポアで
その辛くて食べられない僕の野菜が
サラダとして僕の目の前に出てきたのである。

みどりのトマトのソースとチーズがかかった、
ベビーリーフとルッコラのサラダ。
葉っぱだけを食べてみると、当然だが辛いし苦い。
結構なパンチ力。
でも、甘い緑のトマトソースと
塩気のやや強いチーズとを合わせて口に入れると
不思議なことに、その苦味がアクセントになって
実に美味いのである。

甘いソースの味が先に舌の上に来て、
次に塩気のチーズの味と
肉厚なルッコラのしっかりとした歯ごたえがくる。
そしてそれらがのどを通ろうかという瞬間に
ルッコラが苦みと辛みを舌先と鼻に残して去っていく。
そこにワインが入る。
もう、言うことなし。

あああ、そうか、「ハーモニー(調和)」ってこうゆうことなんだ、と
妻と納得してしまった。
料理、音楽、数学、天文、分子生物学、農の営みetc.
この世界のすべての営みは、調和を目指してせめぎ合い、助け合う
という命題を感じずにはいられない。

普段から
価値についていろいろと考えるが
キャッチーではない価値の奥に
秘められた可能性を見せられると
もうそれだけで感動してしまう。

だからといって、辛くて食べられないという声に
調理法がよくないです、センスが無いです、とは
さすがに答えられないな。
食べる側がセンスを活かして、素晴らしいものを創り上げる姿勢があるなら
僕も自分の力量で、少しでも素晴らしいものを創り上げる努力をしたい。
だから、僕ももう少し創意工夫と自在を活かして
この辛みに挑戦してみようと思う。
たとえ、もう少し辛みを抑えてたとしても、
サレポアさんで食べたサラダは
その美味しさと個性を失うものじゃないから。

万人受けは難しいけど、
僕の野菜を食べてくれる人々と
こうしたコラボは続けたいと思う。


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農業を志す若手の勉強会。
今回の発表は僕。
特別参加として、農村ステイの体験でやってきた
早稲田の学生と先生(各1名ずつ)も参加。

プレゼンした本はこれ。
佐藤寛 編著 『フェアトレードを学ぶ人のために』 世界思想社
この本では、
フェアトレードについて、
さまざまな分野の専門家が解説している。
これからフェアトレードを学んでいこうという初学者に
丁度いい一冊。

とくにWTOとフェアトレードのお互いの言う
「フェア」の違いについても良く解説されている。

たまに、TPPの議論などでフェアトレードの話を持ち出すと
そもそも自由貿易は「フェア」を目指している、と
指摘されるのだが、その目指しているフェアが
誰にとってフェアなのかを考えると
やはり条件が揃わない(もしくは揃えることが困難)途上国の農民には
とてもフェアとは思えない実情も
この本でそれなりにはっきりしてくるだろう。

さて、この本を取り上げた理由は
TPPの議論もさることながら、
普段の僕らの農産物の販売戦略(もしくは交換関係)とも
よく似ているからである。

フェアトレードがどういうものなのかは
ここで詳しくは説明しない。
ただ、ポイントは
「最低保証価格」
「前払い金の支払い」
「ソーシャルプレミアム(社会開発目的の割増金)」
なのであろうか。
最低価格保証とは、乱高下する市場価格の中で
生産に見合った最低額を保証し
生産者の生活を成り立たせるという意図がある。
前払い金の支払いは、これはJAの米の場合と同じで
出荷前仮払金のようなものなのか。
これも生産中に資金が底につきやすい小農を
助ける制度ともいえるだろう。
そして、これが一番ユニーク。
ソーシャルプレミアム。
価格の一部に、その社会の開発目的の資金が組み込まれていること。
奨学金に使われたり、労働環境の改善に使われたり、
その社会の発展に関係する活動につかわれたりする資金。
これらの3つの要素を眺めていると
そこには、買うことでその社会を支えようという
意思を強く感じる。

この本の主題は、たぶんフェアトレードの主題と同じで
この貿易システムが、貧困削減につながるかどうか、なのであろうが
僕がこの本を読んで感じたことは、
当然、そのことにも思考を巡らせはしたが
それ以上に、その販売戦略と交換関係の在り方である。
ラベル認証においては、有機認証制度と同じような問題を
これから抱えることになるであろうし、
既存の交換関係のオルタナティブとしての存在自体は
流通の中抜きと同じ問題を抱えることになるのかもしれない(もしくはすでに抱えている)。
ただ、そこにあるコアな部分では、
やはりストーリー(物語り)をどう買い手に伝えていくか
どう、価値を共有していくか、という
僕らと同じ悩みを抱えているようにも見えたことが興味深い。

システマティックで合理的かつ効率性の高く
大量に物を交換できる現代のシステムは
時として、そこに付帯する僕らの想いや買い手の価値を無視している。
その中で、僕らが知らず知らずのうちに
搾取する側にされてしまっていることが
このフェアトレードの登場ともいえるのだろう。
同じようなプロセスとしてかつては有機農産物もあったが
それ自体が、すでに認証制度化され、自在に思考を逡巡できない状況にある。
フェアトレードが、貿易の主となる場合も
その周縁性を失い、制度化され、批判する力と思考の逡巡を失い
鉄の檻の中で自由に選択できる権利を得るであろうが
自在さは失われていくのかもしれないのは、まぁ余談。

生産者サイドで言えば
僕がやっている農業研修事業の卒業生が、本当に農業で食っていく場合
それを僕がどう支えられるかという面で、
このフェアトレードという考え方は面白い。
また買い手との交換関係から言えば、
流通の中抜きだと言われたとしても、
この読めない巨大流通の中で
自分たちのこだわりを伝えたり、
買い手の価値に敏感になって自分たちが変化しながら泳ぎ切るには
この手法はとても面白いと思える。

また、早稲田の先生が
そもそもそのフェアトレードを必要としている消費者はいるのかという
質問をしてくれたのだが、
それはどこかに存在しているのじゃなく、
僕らとの関係の中で、創り上げるものなのだろうと思う。

農外分野から、農業にかかわってくる人たちの中で
僕ら農民が想像もしなったやり方で、様々なものをつなげ
成功していく人たちがいる。
それはもともとそこに需要があったからではない。
もしかしたらマッチングでもないのかもしれない。
そこにあるのは、提案力。
もともとニーズがあるのなら、僕ら農民だって困らない。
でもニーズがあやふやだけど、既存のモノに飽きているのが
現代の消費者なんだろうと感じることも多い。
その中で、悩む僕らを横目に
様々な提案力で、次から次へと新しい交換関係を成り立たせていく
若者が、最近、周りに多くなってきた。
だから、フェアトレードも
そのニーズがどうとかいう議論はすでに
問題じゃないのかもしれないと思うこともある。
新しい交換関係のを創り上げていく一つに、
僕はこのツールを使っていきたいと
本気で考えている。


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P1010190.jpg

特に甘くもない、このミニトマト。
僕が好き好んで、自家消費用だけに栽培をしている。
酸味と甘さのバランスから言えば、
露地で作っているので、雨が降れば、やや酸味が強くなる。
ミニトマトで、皮が薄目なので
これまた雨が降れば、実が割れる。
色も、ご覧のとおり、
黄色いトマトの色が悪い感じ。
たぶん、売れないトマト。

でも、このトマトはその色が最大の特徴。
皮をむくと、きれいな黄緑色なのだ。
マスカットのようなきれいな緑。

P1010192.jpg



妻が、その色と味を活かして
トマトの冷製パスタを作ってくれた。

P1010201.jpg

味もさることながら、色合いが特に美しい。
とり立てのバジルと一緒に盛り付けると
もうそれだけで、暑さが吹っ飛ぶようなパスタ。
舌と目で、十分楽しみました。


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人は、急激に成長する時期がある。
それは研修3年生のイルファン。
ここ最近、彼の学力・実技ともに急成長を見せている。

研修3年生は、卒業研究を行うことになっており、
イルファンは、ハダニの天敵防除をテーマに選んでいた。
薬物に頼らない、環境に配慮した防除で、
かつ抵抗性が生まれにくく、リサージェンスを起こしにくい、
そんな防除法を彼は模索している。
試験栽培では、パプリカを使用し、
そこにつくハダニを、
薬剤防除・天敵防除・無処理の3区に分けて
比較検討するというもの。
5月から栽培が開始され、ぼつぼつとだが
試験栽培のパプリカも収穫され始めた。
それはもう立派なパプリカ。
どの試験区のパプリカも大きくて美味しそうで、
近年、まれにみる出来で、
栽培は大成功といっても良いだろう。
だが、彼が目的としている防除の試験としてしては
そう、今のところ、上手くいっていない。

なぜかって?
そりゃぁ、ハダニが発生しないし、そのほかの病気や害虫も出ない。
害虫が出なきゃ、防除することもないので
薬剤処理区・天敵処理区・無処理区の意味もない。
当初から懸念があったと言えば、あったのだが、
ここ数年、露地パプリカは病害虫の宝庫だったので
今年もたぶん大丈夫だろうと思っていたのだが、
イルファンの世話が良いからなのか、
今年はハダニが出ない。

どうしようかと頭を悩ませていたのだが、
偶然、僕が管理しているフルーツホオズキに
ハダニが着いた。
今年、フルーツホオズキは
薬剤処理をせず、天敵による防除を試みていたので、
それをイルファンに伝えると
彼は、渡りに船とばかりに、さっそく観察を始めた。

初め、彼は大量に発生しているハダニすら
観察できなかった。
どの食害の痕がハダニなのかも知らなかった。
僕は忙しすぎて、いちいちこの食害がハダニだとか
この昆虫がハダニだとか、は教えている暇がない。
ただ考えたり探したりする種は準備してある。
害虫と天敵の図鑑を彼らに渡してあるし、
インターネットで検索すれば、
ある程度わかることも、授業の宿題を通して訓練済みだ。

それから彼は、自己学習を進め
観察を続けた。
僕から特にアドバイスはしなかった。
そして先日、月間レポートの中で、卒業研究の進捗について
報告してくれた。
何とその中で彼は、ハダニの天敵であるチリカブリダニが
ハダニの一種を捕食するところを動画に収めることに成功したことを
発表してくれた。
それは、
天敵と害虫の基礎学力をしっかりとつけた上で
顕微鏡機能付きのカメラを購入し、
我慢強く観察を続けないとできないことなのだ。
その動画は、僕らが運営する研修生を支援する団体の
Facebookページで紹介しているので、興味のある方はどうぞ。

さらに今後の展望として、
チリカブリダニが圃場内で増えるような仕掛けについて
調べるために、チリカブリダニの生態について
研究すると発表してくれた。
日本語の文献で、少し言葉が難しいのだが、
良い資料があり、以前に彼にそれを渡していたものがあったのだが、
すでにその資料を読み始めていて、お盆明けの金曜日に
その一部のプレゼンをしてくれることになった。

僕は何か彼に教えた記憶はほとんどない。
そもそも僕自身の中に、彼らに教えられるモノなんて
ほとんどないのだ。
ただ、彼らが興味をおぼえるものに
ほんの少し手助けをすることはできる。
しかし、その手法自体が、彼らにとってハードルが高いせいもあるのか、
なかなかぐっと伸びるところを見せてはくれないのだが、
イルファンはここにきて
一気に加速しているように見える。

こういうことがあるから
僕は、どんなに仕事が忙しくても
彼らと一緒に考えようって思えてくる。


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忘れないうちに記録しよう。
水曜日の勉強会。
今回の発表は、近くで農業に燃える小西くん。

『この地区でいちばん若い農家』というタイトルを
ここ10年近く保持してきたのだが、
彼のおかげで、ようやくそのタイトルともおさらば。
でも『この地区でいちばん偉そうな若い農家』は
まだ維持中。というのは冗談。

さて、彼の選んだ本はこれ。
水野敬也 著 『夢をかなえるゾウ』。
結構有名な本らしい。
知っている人は知っているだろうけど、
主人公が海外旅行先でお土産として買って帰った
ゾウの置物(ガネーシャ?)が
毎日1回課題を与えてくれ、
それに答えているうちに、成功していくという話。

こういった自己啓発本は、
まったく読んだ経験が無いので、
彼のプレゼンはとても新鮮で面白かった。

いくつかそのゾウが出す課題があったのだが、
その中で、彼の関心をいちばん引いたものが、
『やらずに後悔していること』だった。
やらずに後悔していることを今からやれ、と、ゾウが言うらしい。
思っていることを行動に移す、という
もっとも単純で、それでいて、
この癖がついていない場合は
最も難しい行為。

20代前半のころ、
そういえば、自分もそういうことで
悶々と過ごした経験があるので
とても身近に感じた。
ちょっと驚いたことに、
この勉強会にオブザーバーとして参加している
インドネシア研修生のイルファン君が
このやり取りをしっかりと理解していて、
別の研修の授業で、
自分が思い描いたことを行動していく大切さを
後輩に諭していた。
日本語での議論だからついてこられないだろうなぁ、
と勝手に思っていたのだが、
議論の肝はしっかりと理解して、
そしてそこから彼なりにいろんなものを得ているようだった。

自己啓発本もたまには良いね。
ゾウが関西弁なのが、ちょっと不思議な感じだけど。

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P1010121.jpg


直売所や野菜おまかせ便にも入れている白ナス。
その色にインパクトがあるので、
なかなかの人気。

でもその色以上に、味も良し。

ちょっと前のことだが、
妻が、ベトナム風の焼きナスにしてくれた。
実のしまりも良く、チリソースの味をしっかりと受け止め
ジューシーで食欲も倍増!
まさに夏に食べたい一品。

レシピは僕ではよく分からないので、
そこは妻に任せよう。
妻よ、レシピの補足よろしくです。
僕はビールを飲みながら、
これを美味しく食べる役に徹します!

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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