ある知人から、
「田谷さん!野菜送ってください!」と
ご連絡を受けてから、その素敵な時間は始まった。

僕の野菜は、市場流通が多い。
なので、個別に配送することはほとんどなく、
福井の方なら、近くのスーパーで手に入るかもしれないが、
県外の方は、無理なのが現状。

また、市場のチャンネルもあれこれとあるので、
珍しい野菜やシェフから絶賛されている野菜は、
近くのスーパーには並ばないことも。

昔、個別に宅配をしようと考えていた時もあったが、
その手間があまりに煩雑で、あきらめていた。
が、その知人に荷物を送ってみると、
煩雑さは、全く昔と変わらないのだが、
昔は感じなったある楽しみを強く感じるようになっていた。

それは、食べてくれる人との何気ないメールのやり取り。

「この野菜はどう食べるのですか?」
という質問に、美味しく食べる調理をやり取りする、
そんな他愛もない会話の連続。
でも、それが楽しい。
どう食べたらおいしいのか、その家族がどんな構成なのか、
そんなことを考えながら内容物を考えたり、
食べ方や作り手のこだわりをメールでやり取りするのが
とても楽しい。
こんな風に食べました、と聞かされると、
こちらまで刺激を受けてしまって、
いろんな食べ方を研究したり。

市場を通すと、どうしても抜けてしまうことが多い。
その分、合理的に販売は可能で、
煩雑さは少ない。
だが、そこで抜け落ちるものの中に
僕らが忘れちゃいけないものも多いことに
改めて気付かされた。

人数はあまり増やせないとおもますが、
もし、個別で野菜を送ってほしいという方は
メールにご連絡をください。

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お正月にブランデーに漬け込んだ干し柿
おいしそうに出来上がったので、さっそくパンにのせて
とろけるチーズと自家製のピーナッツと一緒に焼いて食べた。

ブランデー漬けの干し柿は、
アルコール臭さも飛び、
独特の甘さと香りで、ワインにぴったり。
ちなみにパンは、ハード系の木の実いっぱいのパン。

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そのパンを使って、
生ハムとズッキーニとチーズもトッピングして焼いて食べた。
こちらも美味。

ブランデー漬けの干し柿は、
バニラアイスにのせて食べるだけでも
ごちそうになりそう。
暑い季節の楽しいアイスライフになりそう。
楽しみ楽しみ。


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水曜日は、田谷ゼミ。
今回は、同じ集落の若手も若手、コニシくんが初参加。
いろんな人がポツリポツリとだけど
参加してくれるので、刺激になって良い。

さて、酒井君のプレゼンは
福井県立大学学長だった祖田先生の本。
その中の第7章と第8章をとりあげてプレゼンをしてくれた。

「中小都市と農村の結合」と「作業教育食農教育の思想から」の
2章を取り上げて話してくれた。

「中小都市と農村の結合」では、
一極集中を批判し、ヨーロッパの田園都市論を展開。
32,000人の都市に対し(面積は1,000エーカー)、
5000エーカーの農地が広がる規模の都市を最適としている。
数字の根拠はわからなかったし、
そもそもその「最適」は、自給率での意味なのか、
それとも景観論の中での意味なのか、
いまいち不明。
都市計画と農村開発の混同じゃなかろうか、と
僕はやや批判的に聞いていた。

都市計画の一環で、こうした田園都市論のようなものが
あることは以前から知っていたが、
農地の効率利用の方面での話では、
やや同調できるのだが、
農村開発の分野においては、
やはり都市が中心となって
農村を結んでいくという従来のモデルから
脱却できていないように感じる。
以前、開発学会で聞いた「農村計画」のほうが
僕には刺激的だったし、
これからの農村と都市の開発は
その方向で、もっと進んでほしいと思っている。

さて、議論の中心となったのは
「作業教育職能教育の思想から」の方だった。
本の詳しい内容は不明だが、
酒井君は、体験を通じて農業の素晴らしさを
広めていきたいとしていた。

だが、そこには2つの問題点がある。
一つは、経営の主眼をどこに置くのか、と
もう一つは、農業のテーマパーク化の必要是非、であろう。

僕らが日々行っている生産活動は、
とても子供たちにとって面白いと思えることではない。
事実、僕は幼少の頃から、家の生業である農業の手伝いを
かなりさせられてきたのだが、
それを楽しい記憶として持ってはいない。
多くの農家の子弟が、記憶しているのと同じく
それは辛く、やや屈辱的な部分を持っていたりもする。
その作業自体に、人間形成という意味で
僕は多くを学んだが、
だからといって、今ちまたで言われているような
軽い感じでの食農教育とは合致しない。

持続可能や生物多様性などのキーワードは
僕らの幼少の頃には、それほどメジャーではなかった。
それよりも、目の前にある農作物を
できるだけ早く、できるだけ正確に収穫することを
求められていたし、今も、それは変わっていない。
その厳しさの中で、多くを学ぶことは知っていても
それは家族という関係の中や
仕事として農園に、農業に、帰属意識を持ちながら行う中で
得られるものであり、
体験としては、多分、多くの人間が戸惑うのではないだろうか。

収穫体験といったイベントは、
多くの人は喜んでくれる。
でも中長期で研修に来る人たちの多くは、
うちの農園では、とても悩んで、そして戸惑っているように見える。
それを超えた先に、
さらなる農業のダイナミズムを感じられるのだが、
数日や数週間の実習では、なかなかそこまでは得られない。

言葉による説明で、なんとなく解った気にもなれるかもしれないが、
僕ら自身、言葉で理解しているというより
体と感覚で理解していることが多いので、
それを説明する力も不足しているし
それらを表現する力も不足している。

実は、これが次の問題である
農業のテーマパーク化の必要是非につながってくる。

それらの労働の意味を知るよりも
農業という表面の楽しみをテーマパーク化してしまうという
考え方もあろう。
事実、観光農園等では、客の満足度をアップさせるために
さまざまな仕掛けをしている。
それらの多くは、実際の農業の現場では
ありえないような形であっても。

知り合いの沖縄の農家は
完全にテーマパーク化して、田植えやサトウキビ植えなどを
1日体験で植えてもらう事業を行っている。
だが、圃場の管理はぜず、
帰った後に、その圃場は、次の体験のために
きれいに整理してしまうのだとか。
表面的ではあるが、体験という場を大切にして
そこでの満足感を上げる努力は惜しまない感じだった。

前回の勉強会でも、
農業のことを考えすぎているのは農家で
そのこだわりは、消費者にとっては、
案外、どうでも良い事が多い、と
ヤマトが指摘した通り、
体験という場での満足度は高くなければならないが
その場から離れてしまうと、案外
淡白な関係しか得られないのかもしれない。

最近の事例の中では、
観光農園でも作業自体を体験できるものも多いらしいのだが、
どこまで実際農作業として体験できるのかは不明。
やはりそれらもテーマパーク化していかないことには
やっていけなのだろうか。
それとも、参加する消費者の方が
農家に寄り添う形で、つらい作業の中に
労働と農業の素晴らしさに、短期間で触れることを
可能にしているところもあるのだろうか。

昨年きた早稲田の学生は、
そういう意味で少し変わっていた。
僕らの日々の農作業を面白いと言って、
体験の2日間が終わってからも
1週間アルバイトとして働いていった。
決して時給は高くなかったし、
夏の一番暑い時期だったので、とてもつらかっただろうに。

その学生の受け入れは、
4年前からやっているのだが、
去年来た学生以外は皆、とてもつらそうに体験をし
帰って行った。
それが普通なんだろう。
体験のテーマパーク化していない、
実際の労働の中で受け入れるのだから。

だからこそ、体験でやりたいという酒井君は、
経営の主眼をどこに置くのか、それ自体を問われることになる。

たしかに、僕の農園でも収穫体験はやっている。
それ用に圃場を作ったりもする。
それはある意味でこちらの気分転換だったり、
狡い感じで言えば、広告だったりもする。
当然、子供たちや食べてくれる人たちに何かメッセージをと思って
やっているのだが、でも本当の労働の喜びはそっちのけで、
最近はやりのキーワードを並べ立てて
伝えているようで伝えていない自分に
ときどき嫌になることも事実。

食農教育とはなんなんだろうか?
僕にはよく分からない。
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天気が良かったので、にんにくを収穫。
今年は、にんにくの当たり年のようで
誰からも、昨年以上に大きく立派と聞かされていた。

さて、うちのにんにくも
その御多分にもれず、こぶし大ほどもある大きさだった。
品種はホワイト6片。
天日で乾かしたら、近くの直売所にて
販売予定ですので、お楽しみに。

個人で野菜購入を申し込まれている方にも
もう少ししたら、荷物にいれますよー。


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巨大ズッキーニ

5月から収穫しているズッキーニの畑を
早々に整理した。
先週から、ズッキーニの畑は別の場所のものを出荷中。
8月上旬まで出荷は続くので、
これでおしまいというわけじゃない。

さて、その1回目の畑を整理していたら、
取り忘れたズッキーニが、巨大化して発見された。
こうなってくると食べても美味しくないのだが、
飾りにはちょうど良い。
たまにレストランから、飾りにするから
巨大なズッキーニを作って、と注文を受けることもあるのは余談。

こんなに大きくなるズッキーニ。
本当に、植物って不思議だ。

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丸ズッキーニ

5月の終わりから、丸いズッキーニも収穫中。
これまで全然売れなかった。
レストランや市場の業者に無理やり販売したこともあったが
ことごとく、はね返されてきた。
それが、今年はどういうわけかよく売れる。

味は、普通のズッキーニと同じ。
でもこの丸いのがかわいくていい。
そして何よりも、この形だからこそ、
料理の創作意欲もわく。


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先日、妻が餃子を作った。
そのタネが余ったので、
丸ズッキーニをくりぬいて、詰めて蒸した。
点心のようで、これが実に美味。

餃子のタネの肉汁を
丸ズッキーニがしっかりと受け止め、
柔らかくなったその実とスープの
ハーモニーが最高!
あつあつでほおばったら、
あとはちめたーいビールで胃へ流し込もう!

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吉川ナス、いよいよ出荷開始!
福井の伝統野菜で、
一時は作り手が1人にまで減少してしまったこのナス。

その方が癌を患い、次の作り手がいないということで
業者から頼まれて、僕が作り出したのが2008年のこと。

遺伝的にかなり古い品種で、
京都の賀茂ナスの親品種になるのだとか。
日本の丸ナスの源流の一つだろう。

身のしまりがよく、煮ても煮崩れしないのが特徴。
ナスなんてどれも一緒と思われている方は、
一度、このナスを試してほしい。

今は業務向け&宅配向けに出荷予定だが、
7月中旬ごろからは
近くの直売所で販売予定なので、お楽しみに。

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タタン君の帰国後の目標は、バニラ栽培。
良質のバニラを栽培したいと彼は常々話してくれている。
自己学習も進んでいるようで、
月間レポートにも、バニラの苗づくりについて
詳しく記述をしてくれた。

今月は、バニラの味の違いをジェラート屋のカルナで
見学&体験させてもらった。
とてもいい刺激になったようで、
短く揃ったものがどうして高価なのか、
そういう新たな疑問を得ることができた。
その疑問に僕自身が答えることはできないが
寄り添うことはできる。
一緒に彼の見るバニラの夢に
付き合っていこうと思っている。

さて、月間レポートでは、今月の目標に
「バニラの食べる以外の利用法の研究」とあった。
彼曰く、日本ではあらゆるところに
バニラのにおいのするものがあるという。
香水だったり、リラクゼーションに使う香料だったり。
僕がある起業家とお付き合いがあるのも
どうやらきっかけになっている様子。
その起業家は、塩にハーブを混ぜて
入浴用やエステ用の塩を作っている。
そしてそのハーブを僕が生産を請け負っているのだが、
どうもタタンもその道でのバニラの使い道に
少し気が付いたようだ。

さて、今月の彼の研究はどこまで進むのだろうか。
来月に提出される月間レポートが楽しみである。

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農業に関心のある人たちで行っている勉強会。
これまでは日曜日に行ってきたのだが、
これからは水曜日にすることにした。
時間はお昼の12.45から13.30の45分間。
参加者全員が順番で読んできた本や出版物のプレゼンを
簡単に行い、議論する形式。
誰か先生がいるわけでもなく、みんなで学ぼう、という趣旨。
ぜひ参加したいという方は、ぜひぜひご連絡ください。

さて、今日。
新たに2名の有志を迎えた。
1人は、オオニシ君。
県大の生物資源学部卒業で、
現在は別の分野の仕事をしているが
農業の分野にも関心があり、参加を希望してくれた。
とても忙しいだろうに、参加してくれて感謝。

もう1人は、三国のジェラート屋カルナの店長であるヤマト。
実は、彼が参加したいというから、
日曜日の勉強会を水曜日にずらしたのである。
彼もまた、すこぶる忙しいにも関わらず、
勉強会に参加してくれて感謝。

さて、今回のプレゼンの順番は僕。
読んだのはこの本。

中西順子 著 『食のリスク学』:氾濫する「安全・安心」をよみとく視点

勉強会で取り上げるのは、はじめてだけど、
僕自身、中西さんの本は、これで3冊目だろうか。
環境リスク学が専門で、そちらの方で2冊ばかり読んだ記憶がある。
理路整然としている方で、論理がぶれず、解りやすい。

さて、本の中身だが、
彼女の視点は、徹底して安全を統計学的に分析することで
その安全性を提示し、そのうえで安心を得ようというもの。
またリスクの重篤度を考慮して、頻発するけど軽いリスクと
ほとんど起こらないが、起こると大変なことになるリスクとを
考慮する計算式を提示してくれている。
その中で、あるリスクを軽減すれば、
別のリスクが発生することも、事例を用いて解説している。
リスクは、ゼロリスクにはならず、
どんなリスクも軽減に迎えるが、その場合の重篤度と
そのリスクを軽減した場合に起こりうる別のリスクとの比較を
解りやすく解説してくれている。

では、なぜ僕らは食に関してはゼロリスクを意識的に、
または無意識に、受け入れてしまっているのだろうか。
彼女によるとそれは、1日の許容摂取量(ADI)の計算の
考え方によるのではないかという。
発がん性物質のリスク計算では、閾値なしで計算されるため
どんな小さなリスクもリスクとして数字で出てくるのだが、
化学物質等の1日の許容摂取量(ADI:以下ADI)は
閾値ありで計算するため、ある設定された許容摂取量を
下回れば、それでリスクなしの計算になってしまうのである。
ADIは、その日に摂取した量を、許容摂取量で割り、
その数字が1以下であれば(ハザード比が1以下)、問題が無いことになる。
つまり、あたかもリスクがゼロのような印象を受けてしまう。

許容範囲内以下を細かく計算することにどれだけの意味があるのか、
とコストベネフィットの観点から言えば、
それもまた食のリスク学の俎上(まな板の上)に乗るのだろうけど、
そういう細かな議論ではなく、
その数値から受ける側の認識として
あたかもゼロリスクになるような数字と計算法に
やはり僕も疑問を感じる。
リスクは、その何かをする限りゼロにはならない。

プレゼン後
こうした食のリスクをどう食べる側と共有できるのか、
議論はその辺は一番盛り上がった。

僕は、売り場で直接会話を成り立たせなくても
現代のツールを駆使して、食べてくれる側と直接的で有機的な
関係を作っていければ、こうしたリスクの問題も
共有できるのではないか、と考えている。

ただ、直接やり取りをすればするほど
美味しかったという感想よりも
クレームが多くなる気がして、実はその辺で気乗りはしていない。
しかし、ヤマトがいうには、
彼のお客さんからの声のほとんどが、
美味しかったという感謝の感想であり、クレームはほとんどないらしい。
ジェラートというぜいたく品だからこそ
ある種の感動が生まれるのだろうか。

いや、だとしたら、
僕が栽培する野菜も、それなりに感動してもらえると思う。
ただ単に野菜だけをやり取りすれば
感動を生む仕掛けにはならないが(買い手によほどの見る目が無い限り)
その野菜の風景全体をお届けできれば
それがたとえスーパーの陳列棚にあっても
買い手に感動をお届けできるのではないだろうか。
そして、そんな風にできた建設的な関係の中で、
共有される些細なリスク。
僕らは、とても小さなリスクに心と頭を痛めず、
気持ちを豊かな暮らしへと解放できる。
そんなことを夢想した勉強会だった。

ヤマトは、お客さんにうけるのは
手書き(筆ペン&下手な字)の手紙だ!
と力説していたのは余談。

メンバーが増えたおかげで、
とても有意義な議論ができてよかった。


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金曜日は3年生のゼミの日。
記録し忘れていたが、前回、イルファン君は
マメ科のバンカープランツについて発表してくれた。
クローバーとキュウリ、
ソラマメとキャベツ、
赤クローバーとネギ、
などといった組み合わせ。

どの組み合わせも中身は同じで、
バンカープランツに害虫や病気をつけ、
そこにやってきた天敵(虫や菌)を育み、
のちに収穫する野菜を、その天敵に守ってもらおう、
という考え方。

科が違えば、害虫や病気の種類は変わることがある。
クローバーにも、うどんこ病はつくし、
キュウリやカボチャにもうどんこ病はつく。
でも、おなじ名前の病気でも、菌種は違う。
クローバーのうどんこ病菌は、キュウリにはつかないのだ。
でもうどんこ病菌を食べる菌(天敵)は
クローバーだろうがキュウリだろうが、お構いなく
うどんこ病菌をせっせと食べてくれる。
この摂理を利用して、クローバーを犠牲にしながら
キュウリを育てようという考え方。
古くて新しい考え方。

ただ、現代農業などの雑誌で紹介されているものは
どれもこれも日本の雑草種(マメ科)ばかり。
そこで今回は、彼の身の回りにあるマメ科の雑草を
ネットで探してくるように、と宿題を出した。

すると・・・
彼が提出したレポートに記載された
身の回りにあるマメ科の雑草は、
なんと23種!
驚くのは、その多さというより、
雑草種をそれだけ認知しており、
インドネシア語ではわからなくとも
現地語(スンダ語)で呼び名がふられていたことだった。
(ちなみに、23種の中には、ササゲのような栽培種が雑草化したものも挙げたれてはいたのは余談。)

彼は若干25歳。
農業高校卒業が最終学歴。
この宿題(身の回りにある雑草種)を、
僕が25歳の時に出されていたら
はたして、彼のように23種も雑草種を
挙げられただろうか。

さらに興味深いことに、
その雑草種の中で10種は食用にしていること。
その中には、ササゲなどの栽培種が雑草化したものもある。
また雑草種の中でも、
意図的に種取をして、それを食用するために
粗放的な半栽培をしているものもあった。
なんと豊かな食生活だろうか!

多くの人が好きだというHirisという雑草の豆は、
売ったり買ったりするもんじゃない、という。
なぜって聞くと
イルファンは笑いながら、
「だって、それはもらったりあげたりするもんですから」
だって。
面白いねぇ。

どうやら豆との付き合いは、
僕ら以上に深度が深い文化を持っているようだった。
小手先のバンカープランツなんて講釈を垂れていた僕は
なんだか恥ずかしくなってしまった。

ただそこで終わるわけにもいかず、
これら粗放的な栽培をしている雑草種の中で
有力なバンカープランツは、
これから検討していく作業が必要だろう。
食用という視点から、すこし防除や共生へと
視点を移しながら、観察して情報をためていこう、と
研修生とも話し合った。

こんな授業があったからというわけじゃないが、
仕事が終わってから、
研修生と一緒に
僕が粗放栽培で育てている食用のエンドウを
一緒に収穫した。
売るための栽培ではないので、
支柱もほとんど立ててないし、防除もしないし、除草もしない。
ある意味、彼らの雑草種の豆と同じだろうか。
それでも、食べきれないほどのエンドウを収穫し、
みんなで分けた。
こんな幸せは、金額に見積ったら
えらくみすぼらしくなってしまうのだが、
食べることに視点を置いて考えると、
それはとても豊かで満たされる感覚がある。

バンカープランツと
食用としての雑草種との付き合い。
僕は、いろんなことを彼らから学ばないといけないようだ。


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タタン君の帰国後の夢、
それはバニラ栽培。
というのは、以前にも書いた通り。

だが、どういうバニラが現場で高く評価されているかどうかは
よくわかっていない(僕も含めて)。

ならば、実際に使っている職人に
その評価を聞こうじゃないか。
ということで、
三国にあるジェラートの店、「カルナ」に突撃!
店長のヤマトは、
自分たちが何者でもなかったころに
ベトナムで一緒に途方に暮れた仲間。


カルナ見学

お邪魔しまーす。

カルナ見学 バニラ比較

さっそく
バニラを見学。
2種類のマダガスカルのバニラを見せてもらったのだが、
予想に反して、短いものの方が
高いことが分かった。

バニラエッセンスと2種類のバニラで作った
プリンの試食まで用意してくれて、
それぞれの味の違いも確認。

シュークリームの作り方まで
見せてもらって(&試食つき♡)、
研修生もホクホク。

カルナ見学 アイス

最後はジェラートを堪能して
見学終了。
ヤマトへ、忙しい中、受け入れてくれて
本当にありがとう。
研修生にはとても良い刺激になりました。

帰りに車の中で、
バニラの話題になる。
タタン君曰く、
短い方が高いのであれば、すべての花に受粉をさせれば
短く揃う、とのこと。

あちらで普及員をしてたクスワントも
それに同調し、
彼がしてきた指導では、品質向上のために
すべての花に受粉をさせないものだった。
インドネシア国内市場では、長い方が評価が高いのだとか。
なぜ短い方が高く流通しているのかはなぞだが、
カルナで見た感じでは、
短い方が、ビーンズのきめが揃っていたようにも見えた。
品種等の検討もあるかもしれないが
短いものの方が、品質が揃いやすいのだとしたら
栽培法を変えて、それに合わせればよい。

それとやはり価格。
インドネシアでは、農家の販売価格が
1キロ900円程度。
それがカルナで見せてもらったものは
1キロ18000円。
どこをどう流通すれば、そんな値段になるのだろうか。
まったく、どこの世界でも
農家は儲からないようにできている。
ただ、途上国と呼ばれる国々では
それが一層顕著なのが、同じ農民として腹が立つ。

さて、
インドネシアの場合、バニラは
農家が乾燥まで請け負うので、
そこで品質にばらつきが出るのかもしれない。
ばらつきの出ない乾燥法さえあれば
(もしくは機械乾燥か?)
マダガスカル産とも競争可能だろうか。

フリートレードなんてことが
もてはやされる時代になり、
少々辟易していたのだが、
やはりFTAのFは
フリーじゃなくて
フェアーで行きたい。
僕らのつながりが、どこまで発展できるかは
わからないけど、
バニラの夢が少し膨らんだ
そんな見学になった。





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セネガルの優しき巨人、
イブライが怪我をした。
捻挫で完治6週間。
仕事で?そうじゃない。
仕事が終わってから、参加しているサッカーチームの練習で。

おいおい、イブライ君。
今、うちの農園がどんな状況か、分かってるの?
スーパーゴール決めなきゃいけないほどの
ハッスルプレーは、もうちょっと圃場でもしてほしいなぁ。

明日来る、と奴は言うが、
その足でできるのは事務仕事のみ。

君、読み書きできないでしょ。

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昨日の勉強会。
林君の友人という“クラトモくん”が初参加。
人数はある程度多い方が面白いので、
興味のある人は、ぜひぜひご連絡ください。

さて、林君のプレゼンで選んだ本はこれ。

和田哲夫 著 『天敵戦争への誘い』

実は、この本、すでに僕も書評として書いている。
なかなか面白い本なのだが、
どっかの雑誌に連載したコラムらしく、
天敵について体系的にわかるわけじゃない。
ただ、天敵利用ってどんなもんなのかなぁ、と
その雰囲気はわかるので、
導入としては面白い本だろう。

林君は、天敵を利用したい理由に
他の農産物の差別化と
労働力軽減をあげていた。
なるほど、僕も一時気それは考えていた。

でも実際に今、天敵を多く利用して農業をしているが、
上記の2つの点を満足させるような結果にはなっていない。

まず差別化だが、消費者側の周知徹底が必要で
天敵利用と言っても、買い手の理解が無いと
今一つなのではないだろうかと感じている。
それと、優位性はいったいどこにあるのか
僕にも迷うことがあり、
差別化に邁進できない。
自然物の毒について考えた場合
製品化されていない菌類による防除や
製品化されていても自然界にある種の虫を
大量に放つ行為自体、正当性を持ち得るのかどうか
その点もあいまい。
ブラックバスのようなことになってしまっても
困るし。

もう一点の労力の軽減だが、
経験から言えば、天敵が安定しない場合、
労力は軽減するどころか、倍増である。
天敵と害虫のバランスを安定させるには
毎日の観察と、様々な虫や菌の知識、
そして経験がある程度必要になってくる。
バランスが取れない場合、
天敵には効果が無いが、害虫には効果のある
農薬を散布することもあるが
そういった農薬に限って
労力のかかるものが多い(サンクリスタルとか)。
また天敵の製剤はとても高価なので、
失敗すると、財布も痛い。

バンカープランツの場合も
ただ播けば育つわけじゃなく、
しっかりと栽培しないとうまくはいかない。
それだけ栽培品目が増えるので
手間はそれだけ増える。

こういったことが導入の足枷だろうか。
ただ、それでも、持続可能な農業の、今ある妥協点として
この天敵利用の総合栽培管理(ICM)は
有効だと認められるので
僕は、今、この分野の研究と実践を
インドネシアの子たちと続けている。

林君もそのスタートラインに立とうというわけか。
事例が増えれば情報も増えるので
是非、実践してもらいたい。


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記録し忘れていたので、
慌てて書こう。
前々回の勉強会は、太田君のプレゼン。
簡潔なプレゼンだったし、
本のチョイスも良かった。

大澤信一 著 『農業は繁盛直売所で儲けなさい!』

という本。

地方の直売所がどう特色を出すかという本で
それぞれの持ち味を活かして、
厳しい直売所間競争に生き残ろうという本だろうか。
少なくとも太田君のプレゼンではそう聞こえた。

まぁ、どう直売所を繁盛させるかは、
そこに出荷しているいち農家が頭を悩ますことではないのだろう。
むしろ、僕ら農家にとって問題なのが
同じ地域の農家だからこそ、旬がかぶり
出荷物が同じになってしまうというジレンマだろうか。
その中で、他よりも一歩先んじるにはどうするべきか、
そんなことで頭を悩ますことの方が多い。

スーパーの売り場と何ら変わりはなくなりつつあるが、
それでも、農家の裁量の範囲が格段に広い
直売所の存在そのものは面白い。
気まぐれな消費者を
固定ファンとして取り込むことに成功できれば
まだまだ発展性のある市場なんだろう。

地域間の競争という意味では、
思うところも多いのだが、まだ機は熟していないようなので
コメントは差し控えたい。

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ある種のカタログを見ていて
「ああ、これ、こう食べたらうまいだろうなぁ」
と思ったものが、今年1つあった。

それはバジル。

ただのバジルじゃなくて、
葉っぱがとても大きくなるバジル。

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娘の顔を覆うほど、大きくなるバジル。
これはまだ序の口らしいので
これからまだまだ大きくなる、らしい。

さて、このバジル。
焼肉のサンチュ代わりにしたら
ずいぶん、うまかろう、とカタログを見ながら
考えていた。

そこでさっそく種を取り寄せ、栽培し、
今日、それが食卓にのぼったというわけ。
妻が出張中ということもあり、
娘と二人で盛り上がることにした。
(娘は肉はほとんど食べないけど)

P1000931.jpg

バジルの上に
自分ではめったに買わない牛のカルビ肉を乗せ
ズッキーニの添えて食べた。

これがうまいのなんの!
お肉の油が全然気にならない!
胃ももたれない!
ワインも美味しく飲める!
の、良いことづくめ。

肉を食べない娘も
1人盛り上がる父を見て大はしゃぎ。
にぎやかな食卓でした。

自分で食べ方をイメージして栽培する野菜が
その通りに美味しくできた時、
この上なく幸せである。


ちなみに
妻が出張中ということと、
普段は買わない、上カルビ肉を買ったことは、
特に関係がないのであしからず。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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