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今度は日本人研修生との勉強会で
思ったことを書こうか。
今、青山浩子氏の「強い農業をつくる」を輪読しているのだが、
その第2章と第3章について、この前の日曜日に
議論し合った。
第2章は、積極的に情報発信せよ、という表題。
第3章は、「農」をブランド化せよ、というもの。
どちらも、実は差別化しろという意味で、同じことを指している。

それぞれの研修生が本の内容から、
興味あるトピックをいろいろとあげてくれた。
その中で、僕が興味を覚えるものが一つ。
中小企業診断士の林君が、ブランド構成要件を満たすことを意識して
その要件を書き出してくれていた。

ブランド訴求対象顧客(だれに)
一貫したブランドコンセプト=こだわり(なにを)
継続的な認知度向上の方策(どのように)

なるほどね。
こう書いてあると、明快だ。
だが、僕自身、この要件に対しての明確な答えはない。
販売は、市場が中心。
顧客は、仲卸や八百屋、スーパーなどの量販店。
ブランドコンセプトは、とりあえず何でも作っている、というイメージと
しっかりした土づくりから得られるしっかりした野菜。
安定供給と安定した品質での出荷。
それとプラスで、生物多様性と永続的な農業。
それはエコとはまた違うのだが、伝わりにくい部分でもあるし
安心安全とも違う。
人の健康というよりも、自然界の一部での生業としての農業が
永続的に続いていくことに焦点を当てた農の形なので
こだわりが顧客には伝わりにくい。
だから、化学合成農薬を無散布で作った野菜もたくさんあるのだが、
それを発信させてはいない。
その農業の形を、安心安全と勘違いされたくないから。

継続的な認知度向上とあるが、これはどうだろうか。
福井の市場では、それなりに名前は通っている。
また、様々な活動で、たまに新聞でも取り上げてもらっているので
それなりに知られてもいる。
(テレビ局の方々、取材拒否してすみませんでした。)
ただそれが僕の商品の購買につながっているとは思えない。
このブログも、毎日70~90人の方がクリックしてくれるのだが
この内容が、僕の野菜を買う動機になっているとは思えない。

僕が相手をしている消費者の多くは
こだわりをどうとらえているのだろうか。
スーパーに買い物に来る買い物客は、
詳しいこだわりをじっくりと理解しながら品物を選ぶ人ばかりではないだろう。
雑多な、いろんな価値を持ち合わせた人が
それぞれのこだわりで、その日食べる野菜を選ぶ。
そして、こだわっている人でも
周辺的ルート処理によってリスクを考える人が多いだろう。
食べ方がわからない、という人も多い。
みんながみんな料理が得意でもない。
顧客が量販店とレストランの両方になっている現在、
僕のこだわりは、そのどちらにもうまく伝わりにくいのかもしれない。
ある料理の協会の会合に出たとき、
あるシェフから、こういわれたのを思い出す。
「そのまま食べてまずいものを同士を調理で掛け合わすから、思いもかけないうまいものができる。うまいものを調理しても、それなりにしかならないんだよ」。
でも、そのこだわりに合わせて苦みやアクの強い野菜を作っても
それは、量販店の顧客には認めてもらえない。

最近、まぁ、これは僕も含めてなのだが
「自分のところでしか作っていない野菜です」
という農家も増えた。
だが、そんな大げさなものじゃない。
インターネットをちょいと調べれば、
外国の珍しい種は手に入るようになったし、
大手の種屋もかわった野菜を用意するようになっている。
たいていは、そんなところから種を買って
自分だけしか作っていない、と吹いて回っているに過ぎない。
でも本当にしっかりやっている農家は、
自家品種を持っていて、まさに
自分のところにしかない野菜を栽培している人もいる。
特に、トマト農家。
僕も吉川なすは自家採取しているので
これも10年くらい選別すれば、
僕のところにしかない野菜と言えるかもしれないが
味の変化がトマトほどはっきりしていないナスは
その違いは伝わりにくい。

こうした勉強会を通じて、
改めに、自分の農業経営の弱点が見えてきたきがする。
ただそれに対する改善点は、見いだせないままだが。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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