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武生東高校で講演。
同校が行っている国際理解と授業の一環で
協力隊OVが、経験談を話す授業の枠がある。
今年もその枠の一人を僕が受けた。
同時に7名のOVが経験談をそれぞれの教室で話すので
事前に生徒は希望の教室を選ぶことになっている。
僕は毎年、最低人数。
協力隊の参加職種が、「食用作物」となっているので
たぶん、それで人気がないのだろうか。

さて、協力隊から帰国してすでに10年以上が過ぎた。
そうなってくると、さすがに協力隊の時の体験談だけでは
ちと辛くなってくる。
聞いている子たちが、高校1年生ということを考えれば
その子たちが、小学校に上がる前の話をするわけだから・・・。
なので、毎年、参加後の話に重点を置いて話している。

他の隊員OVの話者が何を話しているのかは知らないが、
僕は、協力隊終了後の10年で自分が積み上げてきたものを
話すことで、異文化理解や国際協力って、
どういう意味があるのか、を
話すようにしている。

異文化との交流で得るものは、
相手の価値に触れるということ。
つまり、自分の価値を疑うチャンスがあるということ。
これが一番大きい。
当たり前と思っていたことが、当たり前でなくなるチャンス。
常識が、実は常識じゃないことの気が付けば、
そこにあらゆる価値の変容のダイナミズムが待っている。
それは、そのかかわる地域にとって
変化していくためのダイナミズム。

僕らがかかわり続けることの意味は、
まさにそれなのだ。
自分の地域の変容と
相手の地域の変容を手助けしてくれる
ダイナミズムを起こす力。
その力を生み出すために、僕らはかかわり続けている。

僕は、「風土」という言葉が好きだ。
地域を風土と呼ぶが、それは
その地域が風と土で出来上がっているからである。
土は、地元の人間。
風は、よそ者。
つまり異文化の人間たちがかかわりあっていく中で
変容のダイナミズムが生まれ
そこから新しい地域の地平が開けてくる。

高校生向けにバカ話やオモシロ人類学のような話を交えながら
それを笑う自分たちの価値と
それをまじめにやっているあちらの人間の価値に
気が付いてもらい、
その違いのぶつかり合うところ(バトルフィールド)が、
新たな風土を生み出すことを
1時間30分ほどの話させてもらった。
どこまで伝わったかは不明だが、
帰りに、控室まで案内してくれた女子生徒は
やや興奮気味に
「異文化理解の先にあるものまで考えたことがなかったです!」
と嬉しそうに感想を述べてくれた。

最後の質問で、ある生徒が
民族間でもめ事はないのか、と聞いてきて、
ある生徒は、インドネシアとの友好関係を深めるために
個人でできることは何か、と質問してきた。
この2つの質問は、ある意味同質なものだろう。
個人でできることは、個人と個人の関係をたくさん作ることだ。
国際ではなく、民際。
そこにナショナリズムは、入らない。
民族なんてものが、表面に出てくるから
個人の関係がすべて吹っ飛んでしまうのである。
尖閣諸島だかなんだかわからないが、
そういう議論を始めると、そこにある種のナショナリズムが生まれてくる。
それはとても危ない。
国益が個人の利益に直結しないことは、
僕らは歴史の授業で嫌というほど学んできたのに。
だのに、国益、国益、国益なんて言葉を
使う連中が山のようにいるのが、僕には理解しがたい。
個人的に世界を見ていけば、
その国益なんて、あまり関係のないことに気が付く。
僕らがもっと個人的にやらないといけないことが
他にもあることに気が付くだろう。

風土を創り上げる。
それが、協力隊から帰って10年経った僕の
今の答えなのである。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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