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盆前のこの忙しい時に
ハウスまで訪ねてきた人がいた。
その人は、開口一番
「外国人の研修生をお使いになられませんか?」
とノタマッタ。

石川県と福井県で外国人研修生の斡旋をしているその業者は
すでに両県で500名の研修生をかかえているのだとか。
農業部門ではまだまだ受け入れ数が少ないので、
大きくやっていそうな農園を訪ねているのだとか。

残念ながら、うちにはインドネシアの研修生がすでにいる。
それに、同じ制度を利用はしているが、
そもそもその人たちがやっている研修制度とは
根本的な考え方が違っているのだ。
普段ならば、適当に、慇懃に、あしらって帰ってもらうのだが
忙しい時に来るものだから、イライラついでに
ついつい余計なことまで言ってしまった。

あなた達のやっている研修は、
研修ではなく、安価な労働者の派遣と斡旋ではないか。
そもそも労働ビザを認めない国策が生み出した
もっとも醜い制度の一つにしか僕の眼には映らない。
そしてその醜い制度を利用しなければ、
ボランティア精神にあふれる個人が、これまでの関係の中で頼まれた
農業研修を実行することもできないのである。
そんなジレンマを抱えながらやっています、と言うと、
その業者は
「安価な労働でもないですよ。このご時世、最低賃金でも募集は多いですから。それにうちでは日本語の研修や通訳をつけてお互いのコミュニケーションをとれるよう努力しています。」と言った。
これがまた僕の怒りに火をつけた。

「つまりは、今は不景気だから相対的に研修生の賃金は安くないとおっしゃっているようですが、では景気が上向けば、研修生の賃金も上げるように企業に指導していますか?
それともう一つ、お互いのコミュニケーションを取れる努力をするのは、当たり前のことで、その先に研修があるのです。あなたの言っていることは研修ではなく交流を後押ししているにすぎない。なにか特別な研修プログラムはありますか?
それともう一点、研修と言うのは帰国してからその成果を発揮できて初めて効果があったと言えます。あなたの団体はすでに長年研修をしているようですが、帰国された研修生のフォローアップとして何かしていますか?」
とたたみかけてしまった。

その人は答えに窮して、
「貴重なご意見は帰ってから本部に伝えます」
と言い残して去って行った。

そう、これが外国人研修制度の実態なのだ。
僕はそんな醜い制度を利用しないと、僕がやろうと思うことが実現できないのだ。
醜い制度を利用しているということを
僕に直視させるその業者の訪問は至極不愉快であった。
だからこそ僕は、日々の研修の中で、
座学や実習を充実させていくことで自分の心のバランスをとっているのかもしれない。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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