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日曜日の講義の話。
直売所の講義が終わると、この日はそのまま次の講義へ。

「農業の構造」という講義。
題目通り、農業を構造的に捉えようという学問。
目的は、見た目の発展に惑わされず、それぞれの農業の個性を掴み取ることにある。
インドネシア人と日本とインドネシアの農業を比較し議論する時、
いつも不満に思うのが、結論が必ず
「日本の農業は近代化されて発展しているから出来るのであって、インドネシアは遅れているので出来ません」
と、両者の農業の比較の中で、それぞれが個性として捉えられることなく、
単線的発展の経緯の中での、どちらが前でどちらが後ろにいるのか、に
帰結してしまうことである。
このロジックから脱却しなければ、
それぞれの地域での自立した農(それが果てには自治につながる)の確立には
つながらない、と僕は考える。

日本とインドネシアの農業を比べ、その差異に気がつくのは素晴らしいことだが、
それが近代的発展の前後で捉えられるのは、
それ自体が、近代化信奉と言う大衆言説に惑わされているとしか言いようがない。
(最近では伝統的なものの方がいいという大衆言説も作られてきて、これはこれで危険なのだが)

さて、農業の構造では、
農を支える要素をミクロからメソ、マクロの視点に分けて分析をする。

ミクロでは
自然資源
人的資源
インフラ
技術
社会(慣習・評価・集落構造等)

メソでは
文化
金融(クレジット)
市場(アクセス可能な市場)

マクロでは
金融(世界的な)
市場(世界的な)
政策
人口
外交

を、それぞれ分析をする予定。
僕の手には負えない所もあろうが、僕自身も勉強しながら、この講義を進めていきたい。

今回は、自然資源について議論をした。
事前に宿題として、H君や僕が農業をしているこの村の自然資源を
時間のある時に村の内外を見回って、書き出すように、と言ってあった。
H君があげた答えは

太陽(インドネシアと違って日長が変化する)
水(この村は水が豊富。よく雨がふる。)
風(風の強い日が結構ある)
土(インドネシアより肥えている)

と、なんだかギリシア哲学の要素のような答えをあげてくれた。
まぁ、間違いじゃないが、それでおしまいでもない。
自然資源をみるなら、やはりこの村の地形を理解しないといけないだろう。
「土」なんて漠然な答えではなく、農地の高低によってそれぞれの特徴の変化もある。
大河がそばを流れている関係上、沖積土の農地があり、
うちの村では、その農地が20ヘクタールある。
そこでは稲作は行わず、完全な畑作が行われている。
うちの村の農業をもっとも大きく特徴づけている自然資源が
その農地の存在なのだ。
他の近隣の村では田んぼばかりで、そういう沖積土の良質な農地を持ち合わせていない。
この農地があったからこそ、うちの村では、野菜の生産が昔から盛んだった。
自然資源が、思いっきりミクロな話だが、その場所の農を形作っているのだ。
まぁ、こういう視点は、講義だけで身に付くものでもないのだろうけど。
その地域や村の自然資源をみるなら、
その場所で一番高いところにのぼって眺めてみないといけない。
宮本常一の受け売りである。

ということで、次回、川向かいの山に登ることになった。
講義はやはり実践的でなければ。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

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メールは
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