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保育園の父母に声かけをして
収穫体験をやってみた。
7家族参加で、20人ほどが来園。
収穫する物は、ベビーリーフ。
といっても、大きくなりすぎて、ベビーリーフとしては出荷できないもの。
普段はゴミとして処分されるのだが、
保育園の園舎増改築で何か出来ないか、と思い
今回の収穫体験をやってみることに。

園舎の増改築では、どうしても友人知人親戚縁者に
寄付を頼むことが多くなる。
お金集めばかりで、気分もあまり晴れない。
しかしそれをしなければ、自腹を切ることになり、
その出費はあまりにも大きすぎる。
なんとも気の重い活動であろうか。

そんな中、増改築の財務部役員として、常々、
楽しくお金を集めることは出来ないか、
払って損したって思わないで済むような寄付金集めは無いか、
と頭を悩ませていた。
そこで、思いついたのが、
僕の畑での収穫体験と寄付金集めを結び付けてしまうこと。
出荷できなくなった野菜でも、
消費するには十分な野菜が、農家には結構あるのだ。
ベビーリーフにいたっては、
すこし大きくなっただけで出荷出来ないが、
その大きくなった物は、まだまだ十分サラダで食べられる物ばかり。
ただそれを僕が収穫して、袋詰めして、保育園に持っていくのでは
僕の仕事が多すぎる。
そこで、欲しい人に来てもらい、好きなだけ収穫してもらうことにした。

収穫に訪れた家族は
はじめは遠慮がちに、しかし次第にがつがつと収穫し始めた。
子供たちは、はしゃぎまわり、ひたすらベビーリーフの大きくなった物を
引っこ抜いていた。
この時期、無農薬で栽培しているので、
「そのまま食べても大丈夫だよ」と言うと
子供たちは、普段食べない野菜でも、草食動物のように
食べながら引っこ抜いて遊んでいた。

家族によって、収穫する野菜に違いがあったのも面白い。
ルッコラばかりを収穫するお母さんもいれば、
水菜が好き、とそればかりを収穫するお父さんもいた。
収穫物をつめる袋もそれぞれだった。
スーパーのレジ袋が大半だったのだが
なかには、小さいポリ袋をたくさん持ってきて、
一つ一つにつめているお母さんがいた。
聞けば、「職場で少し売ろうかと思うんです」とのこと。
もちろん売り上げは増改築に寄付との事。
いやはやたくましい。
また、なかには、子供の布団袋のようなバックをもった
お母さんもいた。
当然だが、それ一杯に収穫していた。
唖然。

最後に、大きな蕪を1家族1個収穫してもらい、
収穫体験は30分ほどで終了。
体験代として1家族1000円を徴収。
みんな笑顔で、気持ちよく払ってくれた。
集まった7000円(7家族分)は、増改築の資金として寄付の予定。
僕としては、蕪1個のおまけをつけたけど
どれも商品にならない野菜ばかりなので、懐はちっとも痛まない。
今回の収穫体験は、
我が娘と同じクラスの人にしか声をかけていない。
次回は保育園全体に声をかけてみようかと思う。
さらにはその人たちが親戚や友人にも声をかけてきてもらうのも良い。
ただ単に寄付をください、というよりかは
こうした収穫体験を通して、何か得した、と思うようなことが
あってもいいだろう。

もちろん、この収穫体験だけで園舎は建たない。
でも、気の滅入る寄付金集めのなかに、
こうやって楽しく出来ることがあってもいいんじゃないだろうか。
たとえそれ自体、集まる金額が少なくとも。

この活動を通して、
いろんな意味で手ごたえを感じることが出来た。
寄付金集めの活動。
収穫体験をやってみるとどうなるのか。
僕の野菜のファンが増えたこと。
そしてなにより、僕にとっても楽しかったこと。
ずーっと先を見通すと、こういう活動をすることは
僕にとってマイナスではない。
そんな確信が持てた日。
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注連縄を作る。
村の神社に取り付けるために。
社や鳥居の大きさに合わせて、
2mを1本、3mを2本、5mを1本作る。

来年、むらの青年団の役員になる。
なので、今年初めて注連縄作りに参加した。
20人ほどの若い衆(と言っても50歳までの人たち)が集まって
注連縄を作る。
わらは、村の農家にお願いしてもらったもの。

毎年この時期に作るのだが、
1年に1回のことなので、皆、作り方を忘れていることが多い。
途中で解らなくなると、年配の人に電話をして聞いたり
はたまたご足労願ったりしながら、なんとか4本の
注連縄を作る。

「次代送り」というとなんだか大げさだが
こうやって次々の代に伝えられていくことが、
地縁の中であるというその事実に、
感動を覚える。

恥ずかしい話だが、
子供時代に、近代的な教育の時間にどっぷり使っていた僕は
むらに居るのに、むらの時間と切り離されて育ち、
むらのなかにこんな関係が成り立っていたなんて思いもしなかった。

当たり前のことなのだが
むらのことはむらでする。
どこでもやっていることだろうが、
こういうことにもっと誇りをもっていい。
こういうことにもっと感動を覚えてもいい。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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