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昨年の12月にあわただしく国会を通過し
この4月から制度が開始された特定技能。
技能実習制度との違いもよくわからないまま
言葉を濁してスタートしたこの制度、
今、僕らがかかわっているタンジュンサリ農業高校や
その高校のあるスメダン県では
もっとも熱いプログラムとして
若者たちが期待を寄せている。

今月も半ばになってから
急に現地の知り合いや
タンジュンサリ農協高校に派遣している
スタッフの立崎からインフォメーションが入ってきた。
それは「移住プログラム」が始まるということ。
インドネシアでは80年代にジャワから外島へ向けた
移住政策が行われており、そういう意味での移住かと思いきや
いやいや皆さん、日本に向けての移住だそうで。

事情が呑み込めなくて少し調べてみた。
先月の6/28にG20で来日していたスメダン県の県知事は
和歌山市を訪問し、和歌山市長と会談している。
どんな内容だったかはわからないが、いくつかの経済・文化交流を
約束したようだ。
ま、よくあるやつだしそんなに気にしていなかったのだが、
7/12に第一期生のヘンドラのFacebookのタイムラインに
農園たやの実習修了生で組織する耕志の会のメンバーが
スメダン県のおえらさんと会談している写真がUPされた。
こりゃなんだ?と思いメンバーに聞くが
意味がよくわからない答えばかり。
そうこうしているうちに
7/18にはタンジュンサリ農業高校の先生のFacebookタイムラインに
ある会議の様子がUPされていた。
そこには「Program migran ke Jepang」と書かれていた。
つまり「日本への移民プログラム」という意味。
そこから大変だ。
前出の立崎からも連絡があるし、
今いる実習生の友人たちからも日本へ移民に行くんだと
連絡が次々に入る。
現在、募集も始まり
まだ連絡がつかないが、8期生で帰国したイマンが
その窓口になりつつあるという噂も聞こえてくる始末。
タンジュンサリ農業高校も30名前後をとにかく送ると
言っているらしい。日本へ。移民として。

それってなんだ?と調べていくうちに
どうも和歌山市がスメダン県の知事と
特定技能として数千人を受け入れる約束を
6/28に交わしたようだ。
そこからの動きの速さは
さすがインドネシアで、
しかもあまり詳しく調べないで動いているのも
さすがはインドネシアだ。
あとすごいスピードで動いていることを
和歌山市の行政の方々はわかっているのかどうかも
かなり怪しいね。

特定技能は
農業や建設業などの14業種に門戸を開いた
いわゆる外国人労働者を認める制度だ。
そのうちの造船と建設業の2分野は
特定技能2号へ移行できるため
この分野にかぎり移民と言われる制度になっている。
ただ農業は2号に移行できないので
家族の帯同はおろか、任期の5年が過ぎれば
必ず帰国しないといけない。
とはいえ、2号への移行を政府が認めれば
いつでも移民となりうる意味では
これは特定技能なんて名前はふさわしくなく
移民政策という名前にすべきなんだろうけどね。
言葉をややこしくして、中身を精査させないのが狙いなんだろうかねぇ~。

さて、
その流れを受け、
スメダン県ではここ数年で数千人を和歌山市に
特定技能として人を送ると豪語しているらしい。
そこですでに僕の農園へ技能実習生を派遣する実績を持つ
タンジュンサリ農業高校を
農業分野の派遣の尖兵としたわけだ。

で、今から起きようとしていることには
日本側(和歌山市)とインドネシア側(スメダン県)の
両方にすでにインターフェースの断絶がみられるという意味で
問題が潜在的にあることが容易に想像できる。

まずはインドネシア側。
では誰でも行けるのか?
ここが問題で、
インドネシアのスメダン県の説明会では
書類の説明はあったが、基本すぐに行けるような説明だった。
この資料がまだ手に入っていないので
裏が取れていないが、いくつか入ってくる情報の多くが
誰でも希望すればだれでも日本に行けるというニュアンスだった。
しかも
移民という意味で。
提供された情報の中には
ちゃんと5年任期とあるが
若者の多くがあまり理解していない点。
プログラムの名前に移民と謳ってしまっているので
勘違いはどうしても生まれるよな。
つぎに誰でも行けるわけではなく
日本側の意図としては
技能実習を3年終えた人間を想定しての
制度設計だったのだが
タンジュンサリ農業高校での説明会に参加したのは
2/3が技能実習制度に参加していない子たちだったようで
多くの実習未経験者が登録を始めていること。
しかも、6月は高校の卒業と相まって
多くの高校卒業生が内定をもらった就職先を蹴って
この制度に登録していることだ。
これ問題ですよ。
だって、特定技能は
日本語検定試験のN4以上をもっていることと
それぞれの業種の技能試験(農業の場合は農業会議が行うのか?)を
合格しないといけない。
この技能試験は当然日本語で、
これらをまったく無学の状態から日本語を始めたとすれば
早くても1年以上かかるのは明白。
場合によっては2~3年かかる可能性もあるだろうね。
そのことを理解していないのと
ここにもいわゆるブラックボックスが生まれていて
ぜったい高額の学費をとる日本語専門学校が
現れるに違いないと僕は見ている。
8期生のイマンがその悪に手を染めないことを
祈りたいが
僕から何か言える立場でもなく、
いっそ低額でそういうサービスする会社を
現地に作ってしまって
その部分で仕事にならないようにしてしまえば
ということばかりを
ここ1週間考えてはやまない。のは余談。

偏ったインフォメーションで
若者の就職機会や進学機会を奪っているようにも見える。
ここを是正したいし
実際にどのようなルートで日本に行けるのか
実例がないので具体的な説明ができないが
すくなくとも日本で言われているような議論を
どんどんSNSで現地語で拡散しようと思う。
このプロジェクトを始めるために
今の実習生たちと情報収集を強化している。

もう一つは日本側。
こういう混乱を意図して産んでいるわけではないだろうが
そういうことが起きるくらいは
この間に入って関係を取り持ったコンサルはわかるはずだ。
そんなこともわからない、もしくは
丁寧でない、
または、関心がない、インドネシアに愛がない、
といったようなコンサルもいるので
その場合は、和歌山市長さん、
これこのままだと将来的に問題になるので
すぐに愛のあるコンサルに変えましょう。
それと
特定技能は
職場を移ることが可能という制度だと知っているのだろうか?
つまり和歌山市で特定技能を
都市間の友好提携で受け入れたとしても
労働者の権利として
市域どころか県域も超えて
職場を移ることが可能なのだ。
和歌山は都市部から人口が流入して
どんどん人口が増えているのなら
あと、農業の賃金が
全国でもトップクラスなら
たぶん問題はない。
でも、都市部に人を取られて過疎化している県で
賃金も都市部のほうが上で
農業も人手不足と低賃金にあえいでいるのなら
たぶん
今、和歌山市から人が少なくなっているのと
同じ理由で
特定技能のインドネシアの子たちは
県外のより良い職場を求めて移動するだろう。
ま、分かってやってるんだと思うけど、和歌山市は。
諸経費を和歌山が持つ形で
たくさんのインドネシア人労働者が入国し
数か月でみんないなくなっても
まぁ、日本のためにボランティアで良い事したと
和歌山に納税している市民が
喜んでくれるのなら
特に問題はない。
日本側の問題は
そういう意味で小さいね。

といったのが現状。
2国間の伝言ゲームがうまくいかなくて困ってるよな。
田谷動きます。

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
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(アットマークを@に置き換えて送信ください)

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