若手農業者クラブの集まり。
今年取り組むことになったSRIの勉強会。
マダガスカルに青年海外協力隊として派遣されていた
農業普及員の方にレクチャーをしてもらい
今年のSRI実践をどう行っていくかを皆で検討した。

勉強会はクラブの例会と違って、その後に交流会(飲み会)がない。
にもかかわらず、
いつもの例会よりも参加人数が多いのに驚いた。
みんなで何かやろう!という空気がそこにはあった。
それは、とても居心地のいい空気。

さて、マダガスカルの事例を基に
SRIの技術の要点を日本の稲作の中での取り組みと比較した。
1坪当たりの栽植密度を計算すると
日本でも言われている粗稙栽培と
それほど変わらないようにも見えるが、
水管理が独特。

SRIはとにかく茎数を多くとらないといけないので
慣行栽培のような中干しをしない。
かんだん灌水で、水を張りっぱなしでないため
土壌養分の分解が早く、根張りも強くなるため
葉色と茎数による生育診断もしづらい。
穂肥の量も今ひとつわからない。

それ以上に問題なのが、除草。
7-12日の乳苗を植えるので、
移植後の湛水ができないため(稲が水没する・・・)
除草剤の使用がむずかしい。
1.5葉程度の稲なので、除草剤の影響も怖いし。

除草をどうするかは、いろいろと議論になったが
答えはまだみつからないまま。
場合によっては、人力除草もありうる。

ただ、このプロジェクト。
方向としては、日本でのSRI技術の応用なので、
手作業の重労働は御免こうむりたい。
出来る限り、機械化と今ある技術の応用で
SRIのおいしいとこ取りはできないか、という、
稲作を実際にやっている農家の視点でのプロジェクトなのだ。

日本の粗稙技術と比較する試みもしようと話になった。
SRIと同じような水管理をし、
田植え機を坪37植えに設定し、粗食をする。
坪計算で行けば、栽植密度はSRIと同じにできる。
その比較を通して、
SRIの伝説と神話に隠れてしまいがちの
中身の技術に迫りたい。

若い農家たち、
彼らの熱気を強く感じた夜だった。


追記:担当の普及員様へ
余計なことかもしれないが、
担当の普及員は資料を用意しすぎる。
日本とSRIの技術の比較や
調査項目まで詳細な資料を完璧に作り上げてしまえば
僕らの入り込む余地はない。
そこは普及員が作るのではなく、
みんな稲作のプロなのだから、
みんなのアイディアを待ちたいところだろう。
そのうえで、補完的に普及員からの提案があれば
会としては、より面白くなると思う・・・よ。たぶん。


追記その2:川崎OB様へ
レクチャー、どうもありがとうございました!!
遠方からはるばると来てもらって、
しかも2時間という長い打ち合わせに付き合っていただき、
本当にありがとうございました。
マダガスカルの実際の映像を見て、
イメージもわきました。
今度、お時間のあるときには、うちのインドネシア研修生へも
レクチャー、よろしくお願いいたします。
彼らもSRIについてかなり気になっているようです。



僕が所属する若手農業者クラブ。
昨年までは保育園と一緒に
食農活動をしてきた。そして今年もそのはずだった。
いや、昨年までは米づくりだったので
今年は、大豆に挑戦し、
夏には枝豆、冬は味噌作り、そして節分と
園児たちと一緒に楽しもうかと思っていたのだが、
いつも一緒に活動してくれた娘が通う保育園、
今回はお断りされてしまった。
なんでも、園児に大豆のアレルギーがあるとか。

ということで、
クラブの活動は白紙状態になった。
役員や主だったメンバーでの話し合いでは、
「今年はなんもできんねー」
という意見が多く、
代わりに視察や研修会をやろうか、と話していた。

そうしたら、
この前の例会で、今年、プロジェクト発表をすることになった
ある稲作農家くんが、
「クラブのプロジェクトとして、SRI農法って取り組めんかぁ」
と意見があった。
SRI。
社会的責任投資でも、住友ゴム工業といった企業の名前でもない。
農業の分野で、SRIといえば
System of Rice Intensificationのこと。
“稲を一本植えして、独特の施肥と水管理で、米をたくさん取っちゃおうぜ!”
というのが僕の理解。
詳しくは、こちらのサイトで。

さて、その農法を
クラブのプロジェクトにしたいという彼の意向を受けて
さっそく、SRIを実践的におこなえないか、
検討することにした。
奇しくも、県の農業普及員の中に
マダガスカルに協力隊で派遣された経験の持つ方がおり
(マダガスカルはSRIの本場)
その人にレクチャーを頼んだところ
さっそく快諾を頂いた。
来週にも、勉強会開始らしい。

保育園から断られて、
今年は、みんなで何も取り組めないままなのか
と、少し残念に思っていた。
だが、こうして、他のメンバーからアイディアがでて
それでまた盛り上がりが見えてくる。
そんな時、僕は『仲間』を強く感じる。


保育園のポット田圃じゃないが、
インドネシア研修生もポットで稲を育てることになった。
それは、SRIの実践と研究の第一歩として。

インドネシアでも最近流行りだしている農法の一つにSRIというものがある。
稲の一本植えの技術で、多収量が見込めるというもの。
機械植えになっている現在の日本では、
一本植えそのものが機械では困難なため、
あまり知られていないのだが、
インドネシアの報告を見ると、10a当たりの収量が1.5トンというものあるのだ。
うちの田んぼでは、せいぜい500キロ程度なので
その3倍の収量があるということになる。

農学的にみれば、一本植えは無効分げつを無くすことにより
収量を上げるという技術なのであろうと簡単にだが理解することは出来る。
稲は、環境に対応するのが得意な植物で、
同じ品種でも、様々な環境条件下に置くと
それに合わせて異なった成長をするという特性をもっている。

だから肥やしを大量にやれば、それに反応して草丈も随分と伸びて
分けつも多くなるのである。
保育園のポット栽培もその特性を生かそうというわけなのである。
ただ、一般の田んぼでそれをすると、日当たりの関係上、
稲が倒伏してしまうだろうから、あまり思わしくはない。
ポット栽培は、日光がまんべんなく当たるように
稲の向きをかえられるので、多肥栽培でも有効分けつが多くなり
倒伏もなく育てられるのである。

インドネシアの研修生も最近SRIに興味を持っている。
そこで、保育園とは別にポットを用意して
研修生の実験として稲のポット栽培をすることにした。
ここでは研究ノートとして、ポットに稲を一本だけ植えて
分げつの出方や、肥やしにどれくらい反応するのかを見て
SRIの基礎的な部分である、稲の栽培学上の特質を知ろうというものである。

この作業を研修生とおこなっていたら、
それを見ていた父が、
「昔、福井の東郷地区は、稲を一本植えしていた」
と教えてくれた。

これはぜひとも機会を見つけて、
東郷地区の年寄りに話を聞きに行こう。

こうして研修生とのSRI研究がスタートした。

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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