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7月の月間レポートで
フィルマンの家計がずいぶんと明らかになった。
お父さんは大工で、
仕事があったりなかったりだが、
平均すれば年間に3600万ルピアの稼ぎがある。
1カ月にすれば、300万ルピア。
公務員初任給が、それくらいなので、
まずまずの収入と言って良い。
大工仕事も個人の場合もあれば
会社の下請けで公共事業等の作業員もするらしい。
経済が伸びているインドネシアなら
建設業界はとりあえずは安心か。

それ以外にお父さんは農業もしている。
父片の親戚から農地10.5aを借りて、
米2作のトウモロコシ1作+大豆1作のローテーション。
この純利益が400万ルピア。
米は世帯の消費を支える重要な作物で
その消費を引いてもそのくらいの純利益が残るらしい。

お母さんは、近くの外国人資本の繊維工場で働いている。
この給料もそれなりで
月280万ルピア。年間で3360万ルピアの収入。
さらにお母さんはランプの部品を作る内職も
請け負っていて
それが1年で180万ルピアになるという。

世帯収入で7540万ルピア。
これが一般的なのかどうかといわれると自信はないが
十分中間層に入る収入といえるだろうか。

では、なぜこの所得把握が必要なのか。
それは彼らに世帯の所得把握をしてもらい
その上で、日本から送る生活費の送金が
妥当なのかどうかを自分で判断してもらいたかったからである。

かつて
農園で受け入れた実習生で
実習生の稼ぎの75%を家計の消費として
使ってしまった世帯があった。
生活のレベルを少し上げただけらしいが
それだけでかなりのお金を使ってしまう。
しかも少し上げた生活のレベルは
習慣化されるので、
実習生が帰国した後もなかなか生活の質を戻せず
なんども息子に無心を繰り返してきたという事例があった。
個人の家計にまで踏み込むことを避けていたことから
起きた悲劇で
俄か金持ちが陥りやすいパターンとして
ここのプログラムでは
家計にまで踏み込んで調査し
その家系の認識を実習生と一緒に共有している。
ただ、送金額が多いか少ないかは
個人の判断に任せており
こちらから口出すことはない。
大事なのは、多いか少ないかを判断するだけの
材料をそろえる事である。

来月までの課題として、
この家計を元に実家の送金額を
できれば実家の家族と話し合いをして決めるというもの。
それを引いた金額と日本で消費に使うお金を引いて
ビジネスに投資できる資金をざっくりと計算し
それを元に
何のビジネスに投資をするのかを検討に入る。
プロフィールを把握することで
自分たちの資源に気が付き
何にどのくらい投資ができるのか
その計算を彼らの肩越しにリアリティを見つめつつ行う。
なかなかうまくはいかないけど
それが10年の経験で
ようやく見えてきたやり方でもある。
このまま上手くいくといいのだけど。


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気がつけば、1カ月ほどブログ更新していなかった。
7月の海の日以降、お盆まで、
ほぼ毎日朝6時からの作業となり
かなり体も心も消耗する毎日で
ぜいぜい投句しなければいけない俳句を作るのが
精一杯だったため
ブログの更新ができなかった。。。

原因は、この暑さ。
連日の猛暑日で
作業する人間の体力と心は削られる。
とくに昨年はひどく
スタッフの消耗が激しかったので
今年は出来る限り消耗しないようにと、
通常より2時間早く作業をすることにした。

この判断のおかげで
思ったよりもスタッフの消耗はなく
無事にお盆の大量発注にも応えられたのだが、
僕と一緒に早出をすることになった
インドネシアの実習生たちは
かなり消耗していた。
とくに3年生のデデは。
途中からファン付きジャケットを投入したり
慰労会を開いたり、
お昼の授業を休みにしたり、と
出来る限り、気持ちを維持できるように努めたが
20代前半の彼らでも
この暑さと作業量には参ったのだろう。
やはり早出の作業は、少し考えないといけない。

ハウスが潰れてしまった事や
その再建資金が大きくなること、
そのプレッシャーから
販売額を減らすわけにもいかず
その分、どうしてもスタッフやインドネシア実習生に
無理がかかってしまう。

しかも夏は作業量が増える割に
収穫量は減るので
売り上げが維持できても生産コストが高くなり
儲けが少なくなる時期でもある。
ただ売り先は信頼が大事で
この時期は薄利多売であっても
この後の冬をしっかりと販売できるためにも
ここは納品していかないといけないのもジレンマではある。
北陸の冬は、本当に工夫をしないと
農業で食っていけない気候なので。

来年への課題は
シフト制によるサマータイム導入だろうか。
今回は早出をすることでなんとか作業をこなしたが
それでも仕事上がりの時間が通常通りになってしまい
長時間労働となってしまった。
実習生やスタッフを二分割し
サマータイムを入れて
仕事上がりの時間も早めてしまう必要があるだろう。
とくにインドネシア実習生は
仕事以外にも勉強や研究もあるので
その分の時間確保も大事。

消耗しない働き方や作業環境の改善を
さらに進めていきたい。



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忙しい時に
忙しいことが重なる。
これは世の常である。

この忙しく
そしてとんでもなく暑い時に限って
仕事だけでなく、それ以外の活動も
忙しくなったりもする。

梅雨明けから、
ようやくJICA基金の話も動き出した。
今年は小農の持続可能なコーヒー栽培研修&普及の
プロジェクトを
農園の実習卒業生たちが企画していて
その資金をJICA基金に出してもらうことになっている。

ただ今年は
いつもの年よりもかなり会計が厳しい。
これまで比較的にチェックが甘かったJICA基金だったが
今回からはプロポーザルの段階から
正式な相見積が必要だったり
プロジェクトの日程や参加人数などを
確定しなければいけなかったりと
やりながらどんどん大きくしていこうね、といった
曖昧なプロジェクトはダメらしい。
ま、そりゃそうか。

ただ、インドネシアの
しかも農民レベルだと
そのきっちりと初めの段階から決めて
その通りに動くというのが
現状にそぐわないというか
違和を感じるようだ。
ま、それもわかるけどね。

かくして
JICAとインドネシアの農民たちの間に
このクソ暑くてクソ忙しい時に
しっかりと板挟みになっております。
うふふ。

見積りは結構インドネシアの田舎では難しい。
見積りはとれないことないけど
正式な見積もりを取ると
それは購入の意図になるので
相見積を正式にとると
やはりそれだけで問題になったりもする。
電話で問い合わせたりだけならできるのだけど。
価格が分かる感じで書面で欲しいです、
というJICA担当者の言葉も解る。
だって書面じゃなきゃ、チェックできないしね。
この調整にずいぶんと時間がかかった。
なんせインドネシアで見積もりを取るのは
ここを卒業した農民で、
しかも、当然だけど
地域リーダーとして第一線でがんばっている子たち。
そんな子たちをつかまえて
スカイプなどで
テレビ電話をしながら
こちらの欲しい情報の指示を出す。
言うのは簡単だけど
やると結構時間もかかるし、
そもそも彼らの生活世界の中の意識に
見積り自体がないので
それがどういうモノかを説明するのにも
かなり時間がかかった。

なんどかJICAから不適切だと指摘を受け
なんとか最終的に受理されたのが
7月上旬。
そこから本契約になり、
JICAから入金されるのが7月の最終週。

だが、活動は8月上旬から予定されているので
ひとまずは、日本の僕らの自己資金で立て替えて
その資金をインドネシアに送らないといけない。

この作業もまたスムーズにはいかない。
海外送金を受ける口座はローカル銀行の
ローカル支店で、支店の行員も
ローカルな意識どっぷり。
郵便局の国際送金サービスを利用したのだけど、
それに必要な情報を現地の農家が
ローカル行員に尋ねて送ってきてくれた情報は
2回とも郵便局で不適切として受理されなかった。

インドネシアの大学院時代の知り合いに
協力を求めれば
たぶん早々に送金できたのだけど
それをしちゃうと
せっかくの農家の学びというか
そういう経験値を奪うことになる。
送金できるかどうかも大事だけど
グローバルな意識をその生活世界に埋め込むには
こうした面倒なことも
いちいち付き合っていく必要はあるわけで
暑さで削られていく中では
僕にも少し堪える作業だった。

その後、こまごまと
郵便局やローカル銀行との調整はあったが
なんとか送金は完了。
これで
小農による持続可能なコーヒー栽培の研修事業は
スタートを切れることになった。

と思う。たぶん。


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連日の猛暑日。
ハウスの中は、40度を超えている。
昨年も暑かったし
かなりスタッフも実習生もみんな参ってしまったのだけど
今年はその比じゃない。
今ならこれだけは自信をもって言える。
今年が過去最高に暑いって。

冬にあれだけ雪が降ったのなら、
夏は冷夏で良いと思う。
もし温暖化しているというのであれば
冬は雪が降らないようにしてほしい。
夏はごりごりに暑くて
冬は豪雪だなんて、厳しすぎる。

今年も暑さ対策として
スタッフの一部と実習生の始業時間を早め
涼しい時間帯での収穫に務めている。
農園では『朝活』と呼んでいるが
ややブラックな匂いが無いわけでもない。
残業代は出てるし、
月の残業時間は45時間を超えないようにはしてるんだけどね。

出来るだけ早く収穫を終えて
エアコンの聞いてゐる作業場で、
夕方まで袋詰め作業。
ただ一部のスタッフや僕は
午後からは管理作業もあるので
40度越えのハウスや猛暑の炎天に居たりする。

朝活で浮いた時間で
早く仕事を終えばいいのだろうが、
どうしてもその分次の仕事に手を付けてしまう。
どんな仕事もやり出せばきりがない。
バランスとやりがいを時間で管理することの
難しさと
その文脈にいつも『ブラック』が潜むことも
忘れないでいきたいね。


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夏井いつき組長の
長寿大人気ラジオ番組、
「一句一遊」は毎回かかさず投句している。
最近は、投句数が増え
それなりのレベルの句でも
1か月に1回読まれれば良い方になりつつある。
月~金の10分番組に
何千句と集まれば、まぁ、そうなるか。

ただ、この番組が
僕にとっては大きく飛躍できた
場所なので
投句だけは欠かさず続けている。

その番組で
昨年の宗太鰹の回以来の
天をいただいた。

以下、その番組の聞き書き隊から抜粋。
聞き書き隊の皆さん本当にありがとうございます


「今回は相当迷いに迷ったんですが、雪渓らしさという意味で、こんな聞き慣れない言葉を使っている一句に天を差し上げようと思いました。福井から参加、第二まるやすのテツコの一句には「べんがら」という言葉が出て来ます。染料のひとつで、雪渓に引く誘導線、あの登山客とかが落ちたり危険な場所に行かないようにっていう、その誘導線を引く染料の事だそうです。

『天』 べんがらの一筋天へ大雪渓   テツコ

実は、「天へ大雪渓」とか「天へ雪渓が」とかいう表現の句はたくさんあったんですけれども、「べんがら」という染料が「一筋」天に向かってという、まさに読み手の視線を誘導するような、前半がやっぱり上手いなと思いましたね。「大雪渓」の「大」の字もまさに迫力のある広がりだったと思います。」


いつき組長、
ありがとうございました。
もっともっと精進します。
俳句の楽しさも
どんどん広めていきます。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

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