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2期生イルファンについても
タタンからレポートが届いている。

彼は、バイクで4時間ほど離れた任地(カラワン県)で
防除担当の普及員をしている。
普段は月曜日から金曜日まで
その任地であるカラワン県に単身赴任しており
土日に妻と子供の待つランチャカロンに戻って過ごしている。

今回のコロナ禍で
彼ら公務員は在宅勤務となり
家で仕事をしている。
給与は3,200,000ルピア。
昨年の11月のタタンからのレポートで
給与は約2倍になっていて、
コロナ禍でも通常通りの金額らしい。
ただ現金でもらうケースだと
移動制限されているため
カラワンに移動できないので
どうやって給与を受け取っているのかは不明。
タタンに確認が必要。

彼は他にも米とサツマイモも販売しているが
どちらもコロナ禍の前に販売が終わっていたので
影響はなかったとのことだった。

給与の受け渡しに問題がなければ
こういう場合、やはり日本と同様
公務員は強いね。



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この先、すこし世界は狭くなるに違いない。
それは文明の歴史から見たら短期的だとしても
我々この時代を生きている人間には
忘れがたい時代になるに違いない。

だからといって
国を越えて直接的につながっている人々との関係が
これで途切れてしまうとも思えない。
コロナ後は、コロナ以前に戻ることはないが、
関係性の形を変えつつ、
我々人間の欲求に合う形で進んでいくに違いない。

今できることをやる。
それしか今の僕にはできないが
コロナを理由に立ち止まることもないので
実習制度を利用したインドネシアの農村開発は
形を変えながらも続けていこう。

ということでまずは
現状把握。

ローカルスタッフが
インドネシアの外出自粛と検問により
現在は故郷の村に戻っていて
実習卒業生を直接訪問できないが
ネット電話を駆使して
調査を進めてくれているので
その結果をここに少し記録しようか。

まずはヘンドラ君。

今はきゅうりとナスを収穫中だとか。
どちらも収量はあるようなのだが
コロナの影響で今西ジャワ州は移動制限があり
街まで販売に行けないという。
しかたないので、地域の商人に販売している。
価格は通常1キロ4,000~5,000ルピアが、
現在は1,500ルピアまで落ち込んでいるのだとか。
都市部での生活必需品は高騰していると新聞にあったが
田舎の農産物は価格が下落しているようだ。
直接、話を聴けていないので
どうして価格下落が起きているのかはわからないが、
流通がもともと脆弱なところに移動制限や現金不足などが
起きていて
それが需要と供給のバランスをとる市場機能を
阻害していると思われる。
ま、ローカルスタッフを通じてこれは詳しく調べるか。

なので、一部の農産物(きゅうり)は収穫をせず
捨てているとのこと。
収穫する手間の方が惜しいらしい。

一方でヘンドラ君は集落長としても働いている。
しかし、ここ2か月は村役場からの給与はないとのこと。
村役場では、貧困層への手当を先にするために
職員等の給与をカットして
そちらに回しているのだとか。
村役場での彼の仕事は
集落内の援助を必要としている住民のデータづくりと
集落内の消毒とのことで
以前よりも村役場の仕事が忙しくなっているらしい。

現在インドネシアは断食月。
イスラム教の大切な宗教行事期間で
今年はコロナの影響で多くが共同礼拝等を取りやめているらしいが
ヘンドラ君の村では
街から来る人もおらず、
通常通りの共同礼拝をおこなっているらしい。
この辺りもインドネシアの新聞とはすこし雰囲気が違う。

とにかく
収入が激減しているとのことで
マイクロファイナンスの返済が厳しいらしく
4月は返済がなかったらしい。
比較的こういう災害でも強いはずの農業も
彼の場合街(バイクで20分程度)への販路が
断たれている現状では
どうにもならないのだろう。

今は耐えるしかないのだろうか?



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4月3日に福井県で外出自粛の要請が出てから
僕らの営農は一変した。
業務向けの注文が99%キャンセルとなった。
3月の上旬までは、少し注文が減ってきたなぁ、と
いった程度だったが
中旬以降に東京や大阪などの都市圏の注文が激減し
そして4月に入り、福井でも外出自粛が出た瞬間から
まったく野菜の注文が入らなくなった。
とくにベビーリーフ・ルッコラ・わさび菜の3種は顕著で
現在、畑での大量廃棄も始まっている。

スーパーや生協などの宅配は好調だという。
農園の野菜はそこにも供給している。
だが、そちらの注文は減りはしていないが増えてもいない。
担当者から聞くところによると
サラダ野菜よりもブロッコリやキャベツ、大根などの
一般的な野菜の方が好調らしい。
少ない買い物機会で、長く保存のきく野菜が今売れているようだ。
農園では、楽しい食卓を演出するために
これまでサラダ野菜を中心に営農の柱を作ってきた。
今回、それがスポット的に影響を受ける結果となった。

独自の販売ルートを確立し
業務向けへの細かな需要にもこたえるような
生産体制を確立してきた農園では今、
そのすべてに逆風が吹いている感じだ。
これは平成30年豪雪で13棟のハウスが潰れた時よりも
大きな危機となっている。

行き場を失った業販向けの野菜たちは
スーパー等の市場で販路を見出せないかと
あれこれと考えるが
もともと一般市場向けと差別化を図ることで
その商品としての特徴を際立出せていたため
当然、価格的にも規格的にもスーパーには
なかなか当てはまらない。

では、それらの商品をあきらめ
売れるもの切り替えたらどうだろうか。
適者生存の考えから行けば
構造が変化したのだから、その構造に合わせて
自分たちも変化できたものだけが生き残る。
それは、この構造変化がどれくらい続くのかを
予想しなければならないという
一大決断を伴う難しさがある。
もし仮に、この危機がワクチンができるまで続くであれば
僕らは早急に自分たちの営農の再編成を行わないと
ここ数か月でつぶれてしまう。
だが、これが仮に2か月くらいで収まるのであれば
営農の形を変えてしまえば
元に戻ったときにまた
それらの市場を失うという困難が待ち構えている。
農業は、土を作り、種を蒔き、作物を育て、収穫する作業。
そこには何か月も前からの準備が重要で
今、作付けを変えたとしても
その変化は数か月後にしか結果が出てこない。
仮にそのころに元の構造に戻った場合
またそこから数か月かけて
元に戻す作業が待っている。
作物によっては来年まで対応できないものも
でてくるだろう。

一方で
こうした外食産業の崩壊という構造変化は
コロナ感染者数が減ったとしても
元に完全にもどるのだろうか?という疑問もある。
こういう業界は評判がとても大事で
もし収まっているコロナを再び自分の店で
クラスターを生み出してしまえば
社会的批判を浴びるのではないかと
お店を再開することに
二の足を踏むこともあり得るのではないだろうか。
いびつな形ながらも
ある程度は元に戻る力は作用するだろうが
それが元の形とはならないだろうな。

農園の商材の価格や規格の方向性を
今、まさに見直すときに来ていると感じる。
とにかく、僕らも大きな決断をして
変化に向けて進むしかないのだろう。




今年もこの時期が来た。
実習3年生になる子たちが迷走する季節。
ビジネスプランがある程度見えてきて
この1年をさらに加速させる仕組みとして
3年生は卒業研究をする。
この卒業研究のプロポーサルづくりが
毎年3年生を苦しめる。
思考を繰り返すことで、これはこれでいい勉強になる。

さて、フィルマン。
彼も毎年の風物詩のように
苦難にぶつかっている。
彼は野菜の移動販売のビジネスプランを作成中で
それに合わせて卒業研究をする予定になっている。

インドネシアの野菜の小売りは
日本ではあまり見かけない形態が主流だ。
いわゆる「ふり売り」という形態で、
小売業の人たちが市場で仕入れてきた野菜を
押し車や自転車、バイク、車などをつかって
町々や村々を売り歩いていく。
インボリューションとも形容されるそれらの小さな産業は
それぞれの状況に合わせて
複雑に姿を変え続いている。
僕らが当たり前のスーパーで野菜を買うというのは
最近でこそ増えてきているが
まだまだ少数派なのである。

さて、その販売をするにあたり
彼はその経験もほとんどないし
親族にその経験を持つ人もいない。
大抵、こういうリソースの少ない中で
立てたビジネスプランは失敗が多く
僕の少ない指導経験でも
フィルマンのビジネスプランはかなり危うく見える。
イラ、カダルスマン、イマンが
これまでそういう例だったというのは余談。
ま、その議論は別のエントリーに譲るとして
ここでは卒業研究に集中しようか。

彼の研究では
やはり本業への参入リスクを減らすために
ある程度、どのようなリスクがあるのかを
あらかじめ知っておくほうが良い。
そのため彼が考えたのは
利益率と仕入先の2点に絞って
それぞれの業態によって違いがあるかどうかを調べるというものだった。
押し車、バイク、車、店売りの4つで野菜の販売の
仕入れと利益率を考えるというのである。

これはある意味調査になりそうに見えるが
実はこれではだめで、
それぞれの業態の違いが
仕入れと利益率の違いに結びついているという仮説が
正しければ、この調査対象と調査項目の選定は正しいが
実際にはそんなことはない。
押し車とバイクと車と店で比べれば
積載量の違いによって野菜の扱い量が違うと勘違いするが
実は、押し車であっても
その押し車の人員を10人雇っている人もいて
個別のユニットの積載量と個人の持つビジネスの大きさは比例しない。
野菜の仕入れは量が多いほど
安価になるので、ユニットの積載量よりも
一括してどれくらい買うのかというビジネス規模が
この場合は大きく関係するかもしれない(たぶんするだろうけど)。
だとするとフィルマンの仮説は
全くの偏見でしかなく、
調査しても正しい結果に到達はできない。
ま、そういうことも要因に含まれるのだとわかるのも
勉強だけど
それだけがわかってもビジネスに成功する要因を
高めることに少し弱いので
卒業研究をそこまでの射程だとするのは
僕としてはかなり不満だ。
業態とビジネス規模を
どれくらいサンプリングしたらいいのかも含めて
議論は袋小路に入りつつある。

さて、ここからフィルマンはどうするだろうか?



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今朝、ジャジャンの夢を見た。
連絡がほとんど直接とれなくなった彼が
あのさわやかな笑顔を夢の中で見せてくれた。
ジャジャナンをいっぱい持って
会いに来てくれた。夢の中で。
あっ、ちなみに彼は別に死んではおりません。

ジャジャンとは、2016年を最後に
実は一度も直接会えていない。
インドネシア出張中に実習修了生の圃場や家庭を訪問して
その後の様子などをインタビューしているのだが
彼はいつも不在で、連絡も取れない。
明らかに避けられているようで
理由は実習生たちの間でも不明だ。
僕だけが避けられているのではなく、
実習修了生のほとんどが彼と直接連絡が取れない状況。
そんな中、比較的彼と連絡取れるのが
3期生のタタン。
彼がローカルスタッフとして
ジャジャンの生計調査を定期的にレポートしてくれるので
彼のおかれている状況はなんとかこちらも想像できている。

さて、その彼。
実はコロナ騒ぎが大きくなる前の1月に
「特定技能として日本に行きたいので、書類を作成してほしい」と
依頼があった。
僕の農園では、現時点では特定技能としての
受け入れは検討しておらず
彼はどこか他の農園に特定技能として来日するのだという。

その特定技能の資格を取るために
技能実習時の実習実績等の書類を
受け入れていた農家が作らないといけないという。
なんだかそれって実習制度で受け入れた農園が
そのまま特定技能の受け入れをするっていう
安易な想像のもとに制度設計されたような
そんな制度不備的な匂いがする条件で
僕としてはいまいち釈然としないが
それを作成する代わりにこちらからの問いかけに
答えるようにと条件を付けて彼の了解も得ていた。
しかし、コロナ騒ぎでインドネシアも外出自粛要請が出てからは
タタンを通じての連絡も取れなくなっている。

さて、
その彼が夢に出た。
彼の農地は、日本にいるときのビジネスプランに沿って
購入したのだが
その時から僕は、潅水用の水を懸念して
そのことも彼に何度も伝えた。
だが、そのたびにポンプを使うなどの計画を出してきて
そのまま押し切られるようにその計画していた農地を2か所購入した。
そして案の定水がなく、雨季以外農作物が取れない状況になった。

な、だから言ったじゃん。あそこは水がないって。
君の地域が乾季にタバコ乾燥の副業をしているのは
やっぱり乾季に栽培に向かないからだよ。
村から遠いほうの畑売ってさ、そのお金で
もう少し下流の水の入りそうな土地を買いなよ。
それと、ヘンドラやワントの地域が土地安いから
そっちに果樹やコーヒーなどの
世話の少ない作物との組み合わせを考えたらいいよ。
雨季の仕事量を減らして
乾季でも安定的に、さ、基本収入があるようにしてさ。
え?いやだって?
田舎すぎるからいやだって、か?
そうはいっても、このままじゃやっていけないじゃん。
え?日本に行って、稼いだらまたそのお金で商売するって?
そうか、それもいいかもなぁ。
でもさ、よくよく考えて勉強して調査してじゃないと
投資してもまた同じような失敗をするぜ。

といったことを夢で会話した。
ニコニコ笑っていたけど
ぜんぜん僕の言うことを聞いてくれる感じではなかった。
ま、夢なんだけどね。
でも、これからどうするんだろう、彼は。









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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

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